あのハーレーダビッドソンよりも早く創業されながら、1950年代に活動停止
その後、数度の復活が試みられたが、その夢は半世紀以上も叶わなかった
しかしそれでも受け継がれた熱い情熱により、インディアンは新たな歴史を刻む
歴史の中心にはいつもスカウトがあった
米国インディアン社の前身となる自転車製造会社が設立されたのは1897年のこと。1901年には、バイク生産会社に発展した。
そして1920年、最初のスカウトを発売。速くて信頼性に優れ、操作しやすいこのモデルの登場により、多くの人がバイクに乗り始めた。会社は、1923年に社名を「インディアン・モーターサイクル・カンパニー」に変更。1930年代も成長を続けた。
1940年代前半は軍用生産が中心。戦後は当初、チーフのみ販売したが、増加する軽量な外国車に対抗するため、1948年には440㏄版スカウトを発売した。
しかし1953年、全機種の生産を停止して事業終了。1970年代後半にかけて、米国に輸入されたロイヤルエンフィールドや台湾製の小排気量バイクがインディアンとして販売されたこともあったが、長続きはしなかった。
1998年、新生インディアンが設立されてスカウトやチーフが販売されたが、2003年に破産。5年後、英国企業が資産を買収し、相当数のチーフが生産された。
そして2011年、ATVなどのブランドを複数所有するポラリス社がインディアンを買収。これにより現体制の土台が築かれると、新型チーフシリーズに加えて2014年に新型スカウトを発表。半世紀以上におよぶ悪戦苦闘がウソのように、インディアンはそのブランド地位を復活した。
1923年
最初のスカウトは1920年に誕生。1923年にHendee ManufacturingCompany からIndian MotocycleCompany に社名を変更した
1927年
この年、後に伝説となるスカウト用の45ciエンジン(空冷Vツイン750㏄)を発表。写真は、同年に発売された600㏄バージョン
1929年
750㏄エンジンのスカウト。写真のバイクはヒルクライムレース仕様で、リヤタイヤに悪路でのグリップインディアンは1953年 力を高めるチェーン付き
1934年
1930年に新経営陣となり、イヤーモデルの発表を再開。1932年には203Scout とScout Pony、1934年にはSport Scout(写真)を発表
1941年
1940~45年は第二次世界大戦の連合軍貢献を優先。1941年からは、米軍用バイクを生産した。写真はスカウトベースのモデル741
1949年
1945年に会社は再び売却されて新体制。終戦直後はチーフのみだったが、1948年からバーチカルツイン440㏄のスカウトを導入
2015年
インディアンは1953年に事業を停止して生産を終了。その後、幾度となく復活が試みられたが継続せずに権利が移行し、2011年にポラリス社が買収を発表。これにより経営が安定した現体制が築かれ、2013年にチーフシリーズ、2014年にスカウトが発表された
100周年記念モデルだけじゃないスカウトは多様なルックスふたつの排気量!
15年型として初めて導入されたスカウトは、その後に少しずつバリエーションを拡充。今年は、限定モデルとなる100周年記念車を含めて5タイプから選べる。中心となるのは1133㏄エンジンだが、999㏄ダウンサイジングバージョンも展開。多彩なスタイリングと装備で、ユーザーの幅広い好みに応える。100周年記念にこだわらないなら、ぜひその他のスカウトにも注目しておきたい。
Scout
価格:156万8000円~
現行スカウトの基本形
現行型スカウトシリーズのスタンダード。低重心設計が施されたアルミ鋳造製フレームに、カウンターバランサーを装備した約100馬力の1133㏄水冷Vツインエンジンをリジッドマウントする。トランスミッションは6速で、16インチ径の前後ホイールはアルミキャストタイプ。ABSは全車標準装備で、メーター横にはUSB充電ポートも搭載する。タンデムも可能だ。
Scout Bobber Twenty
187万8000円~
20年モデルとして新登場
スカウトの生誕100周年を祝うもうひとつのモデル。スカウトボバーの前後ホイールをワイヤースポーク化して、アップライトなミニエイプハンドルバーに換装。100周年記念車と同じく、シートをフローティングサドルタイプに変更してある。エキパイカバーはクロームだ。
Scout Bobber
価格:177万8000円~
軽快感をプラス!
スカウトを、ムダをそぎ落としてソリッドな雰囲気を高めるボバースタイルを取り入れながらカスタマイズ。カットタイプの前後フェンダー、ショートストロークな前後サス、ローライズなストリートトラッカーハンドル、ソロタイプの本革シートなどを専用装備している。
Scout Sixty
価格:138万8000円~
唯一の999㏄仕様
スカウトの水冷Vツインエンジンをボアダウンして、排気量を60キュービックインチ(999㏄)化。さらに変速機を5速化して、より扱いやすさを高めてある。シートはスタイリッシュなソロタイプ。エンジン各部やアルミキャストタイプの前後ホイールなどをブラックアウトして、精悍な雰囲気をさらにプラスしてある。価格面でもより気軽に乗れるスカウトだ。
Event
箱根で試乗イベント毎日実施中!
インディアンは現在、昨年オープンした「バイカーズパラダイス南箱根」とタッグを組んで試乗キャンペーンを実施中。4月19日(日)まで、施設駐車場内でインディアンの現行モデルであるチーフテン・ダークホースおよびスカウト・ボバートゥエンティを、無料で“味見”できる。開催時間は10~16時。参加者にはステッカーシートのプレゼントも!