こんにちは!合田紘之(@GodaAFRICATWIN)と申します。
バイクで世界中をツーリングするために新聞記者を辞め、昨年末から今年2月までのオーストラリア一周の様子はBikeJINWEBで連載させていただきました。
今回は第2弾。ロシア極東からヨーロッパ西部までユーラシア大陸の約4万kmを横断します!
ユーラシア大陸横断 モンゴル編⑤ 遊牧民のゲルに宿泊 設備の近代化に驚き
7月16日。遊牧民のゲルに宿泊
海外で一人で野宿をするのは強盗や野生動物などの危険を伴う。遊牧民の移動式の家「ゲル」の近くなら、何かあった時に助けを呼べるし、そもそも悪い人が近づかないだろう。そしてほとんどのゲルに番犬がいるのでオオカミ対策にもなる。住宅街ではないので草原や山に囲まれたロケーションも最高だ。そう思ってモンゴルではなるべくゲルの近くにテントを張ることにした。
ウランバートルを出発して300kmほど走り夕方になった頃、カラコルムの町の手前でキャンプする場所を探した。ゲルを見かけること自体は珍しくないのだが、草原の奥地にあることが多く、道路から近くてバイクで簡単にアクセスできる場所にあるゲルは多くはない。
そんな中、道路から草原を数百m走った場所のゲルを発見。念のため遊牧民の家族にゲルの近くにテントを張っていいかと尋ねたところ、お父さんがゲルの中に泊まって行けと言ってくれたのでお言葉に甘えてお世話になることになった。
両親と娘と息子の4人で暮らしている家族。急に訪れた見知らぬ外国人を宿泊させてくれるなんてなんて優しいのだろう。
ゲルにはソーラーパネル、テレビ、スマホも
モンゴルの遊牧民は家畜が餌である牧草を食べ尽くす前に移動し、新たな牧草がある場所を求めて生活している。だからこそ簡単に組み立てることができるゲルがあるのだ。僕の勝手なイメージでは、都市部の文化とはかけ離れた自然と一体化した自給自足の生活だった。
ところが、ここのゲルにはソーラーパネルが3枚もあり、車用のバッテリーに充電しているではないか。パラボラアンテナも設置していて、屋内にはテレビや冷蔵庫があり、そして家族が1台ずつスマートフォンを持っている。遊牧民の間でこんなに近代化が進んでいるとは。
昔はゲルを移動するときはラクダに荷物を載せていたというが、現在はトラックで移動する遊牧民がほとんど。ヤギやヒツジを誘導するときは馬が一般的だが、バイクを利用する遊牧民も増えている。
この後に何度もゲルを訪問したが、ほとんどのゲルにソーラーパネルやテレビ、トラックが当たり前のようにあり、決してこの家族だけの話ではないようだ。
それでも基本は自給自足
いくらハイテクといっても、動物たちの世話をしながら自給自足の生活をしていることには変わりない。この家族はヒツジとヤギを計1400頭の飼い、ヒツジは肉を食用にヤギは乳を食用にしている。育てた家畜を売ることで収入を得ているようだ。たまにオオカミを見つけたときは空気銃で撃って捕獲して売っているともいう。
今回ゲルの中でご馳走になったのはヤギのミルクのヨーグルトやチーズ、ミルクを使ったおかゆ、ヒツジ肉のスープなど、自分たちで育てた食材がふんだんに使われたメニューだった。
ここの家族は家畜を追うのにバイクだけではなく馬も使っている。家畜の誘導は20歳の娘さんの仕事のようで、若いながらも馬を乗りこなして家族の仕事を手伝っていた。
言葉が通じない中で、お父さんは積極的に身振り手振りでコミュニケーションを取ってくれてとても楽しい夜を過ごすことができた。
モンゴルでは自然のラベンダー畑が見られます#ユーラシア横断#ラベンダー pic.twitter.com/WHpCRXiHfI
— 合田紘之@ユーラシア大陸横断中 (@GodaAFRICATWIN) 2018年7月17日
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