博多からおよそ130km先に、長崎県・対馬がある。
ここは「国境の島」として、韓国・釜山は目と鼻の先。
地理的にも歴史的にも日本の重要拠点だった対馬はフェリーを利用すれば愛車で遊びに行けるのです!
・その1はコチラ
長崎県 島めぐりの旅「対馬・壱岐」 移動は九州郵船のフェリー! その2
日本は島国 周りは海、海、海
ニッポンの中の対馬 その意義を感じてほしい
対馬へのアクセス手段はフェリーとなる。博多からバイク輸送が可能なフェリーが複数出ており、対馬までは約5時間ほど。途中、壱岐(いき)を経由する便もあるので、対馬と壱岐の両方を周ってみるのも面白いだろう。
なお、壱岐は異国情緒あふれる対馬とは打って変わって、観光地ムードが強い。ずいぶんと対象的だ。
対馬に上陸するためのプランで重要なのは、まず、北部に位置する比田勝(ひたかつ)港か南部にある厳原(いづはら)港、どちらを選ぶのかということ。
また、1泊するのか、2泊するのか、しっかり決めたいところである。
今回は、北部から南部に下り、島の中心地である厳原に宿泊することを事前に決めていた。対馬は縦に細長く、南北で80km程度。距離にすると短く感じるかもしれないが、南北の往復はけっこう大変。名所が集中する北部を確実に見て周り、陽が暮れてきたら宿泊。翌日は中部・南部で周れなかったところを走行し、厳原港から博多港に向かうプランである。これがもっとも効率良く周れると思えた。
対馬行きのフェリーは九州郵船をセレクトしたが、深夜に乗り込み約6時間の船旅となった。2等だったので雑魚寝部屋だが、寝ていればいいので、朝起きれば対馬に到着といった具合である。
上陸してすぐに感じたのは、日本なのにどこか異国のような雰囲気があったこと。スタートした比田勝港は、釜山からのフェリーも到着する国際ターミナル。ここからすぐにハングルを目にすることになる。いつもと違う、ドキドキする冒険感はここからきているのかも。こういうワクワク感って、島旅の醍醐味だとボクは思う。
まさに異国と思えた瞬間
「国境の島」という謳い文句以上に異国感に満ち溢れていた対馬。この空気感は対馬に上陸した瞬間から体験することになった。それは、公共交通機関から食堂のメニューにいたるまで、あらゆるものにハングルが併記されているからだ。
国際免許マークがついたレンタカー、団体ツアーの観光バス、免税店など、いろんなものが新鮮だった!
さて、まず目指したのは北部にある展望所関連だ。韓国展望所、異国が見える丘展望台を巡り、どこまでも続く海と空の景色を堪能。
今回はややかすみがかかっていたため、釜山の街並を眺めることはできなかったが、絶対外せないスポットであることは間違いない。
この北部エリアを走っていて興味深かったのはツシマヤマネコの看板。国指定天然記念物なのだが、突然、道路に飛び出してくるそうなのだ。これは恐ろしい……。
また、対馬の観光スポットで面白いのは、砲台跡などの防衛施設・史跡の数々。歴史を知る、感じるということ。これも島ツーリングの魅力だろう。日本の歴史の中で対馬が果たしてきた役割やその重要性。
国境の島を走るこの奥深さってたまらないね!
ツシマヤマネコに注意!
ツシマヤマネコは対馬にのみ生息する野生動物で、国指定天然記念物。生活環境の悪化により生息数が減少している。道路に当然、飛び出すこともあるので、注意が必要だ。とくに北部エリアでは看板を目にすることもあるし、出没情報が多いので速度を落として走りたい。こんな看板も対馬ならでは
韓国展望台
対馬の最北端エリアに位置する韓国展望所。気象条件が良ければ韓国・釜山の街並が眺められるそう。当日は霞んでいたので見られなかったが、景色は抜群。ただ目の前に防衛施設が見えたことも国境の島であることを思わせた。
豊砲台跡
第2次世界対戦時に実践ではほとんど使われないまま終わり「撃たずの砲台」とも呼ばれた、当時世界最大の砲台があった場所。大戦時に日本海側の都市に艦砲射撃による被害がなかったのは、対馬要塞の強力な火砲による牽制効果によるものと言われている。現在では、この砲台の跡を散策できるので、韓国展望所とセットで巡りたい
異国が見える丘展望台
韓国展望所と並んで、韓国を遠望するスポット。朝鮮海峡に突き出すような形で2階建ての展望塔が設置されているため、眺めは一面、海と空。写真も撮りやすい。天気が良ければ、釜山が見える。この付近は走りながら海が見えるので、ぜひルートに組み込みたい