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【マヒトが行く】“オテラノドン”で話題の宿坊・覚林坊へ|Vストロームで身延グルメ旅

Vストローム250SXで向かったのは、山梨・身延にある宿坊「覚林坊」。その目的は、“オテラノドン”というファンキーな名前の丼を食べること──。旅のきっかけは軽くても、訪れた先で出会った空気感と人の温かさは深く心に残る。バイク旅の魅力がぎゅっと詰まった、身延の美味と風景をめぐるストーリー

Vストローム250SXでゆっくり走る贅沢な時間

身延駅前から久遠寺へと走って行くと、10分程で大きな山門をくぐる。すると一気にソコは昭和期のジャパネスクワールド。普段過ごしている東京WESTも日本ナノダが、圧倒的に厳かな空気を感じてしまう。しかしソノ空気感は威圧される感じでは無く、「お行儀よくなさい」と微笑んでくれているかの様な優しさを帯びている。

「こんなトコに〝オテラノドン〞なんてファンキーな名前の丼がホントにアルのかねぇ?」と思いながらVストローム250SXを走らせて行く。墨絵の様な視界の中を、黄色いバイクがトコトコとお行儀良くゆっくりと走っている不思議な感覚。コノVストローム250SXは、高回転域も楽しいのダガ低速域からトルクが太く、ゆっくり走るコトも得意なバイク。シート高ダケを見て敬遠するノデは無く、一度試して見る価値のアル一台と言えるゾ。

インプレはコノ辺りにして、〝オテラノドン〞。ナビの案内通りに日朝通りに入って暫く行くと、右手に石碑に赤い文字で〝覚林坊〞と書かれているがコチラは歩行者通路で、車両はもう少し先を右に鋭角で入って行く。日朝堂と言うお寺さんの境内を抜ける時にいささか背徳感を覚えながらも「お邪魔させて頂きます」と心の中で手を合わせてから境内を進んで行くと、ソコに目指す宿坊である〝覚林坊〞があった。

丼を食いたくてやって来たノダガ、そんないい加減な動機で来て良かったのダロウか? という気分になる程に立派な宿坊で驚いた。しかし、そんな不安を消し去る様に素敵な笑顔で迎えてくれたのは女将の樋口純子さん。今回訪れるきっかけとなった〝オテラノドン〞の生みの親がコノ方ナノダ。「先ずはこちらへどうぞ」と、美しい中庭を見渡す広間に案内されて席につくが、美しく手入れされた庭を眺めていると何とも心が落ち着いて来る。

待つこと暫しで出て来たオテラノドンは、お寺で働く若いお坊さん達の為に作った賄い料理からの派生ダケにボリューミーな一杯。チキンカツに少し濃い目の甘辛ダレ、敷き詰められたキャベツがバランスを取るなか、獅子唐がアクセントを利かせてくる。一見重そうな風情ダガ、気が付けば完食。傍に添えられた吸い物には名産の湯葉もあしらわれていて嬉しい。「丼物はちょっと……」な方には〝おてらんち〞もおすすめダ。

渡り廊下を進んだ先には、離れもアリ、宿坊でイメージするような厳しさや堅苦しさはない素敵なお宿。つまり、次は泊まってゆっくりしたいゾ。

行学院 覚林坊

参詣の方々が泊まる、寺院に寄り添う宿が宿坊なのダガ、俺が学生の頃に泊めて頂いた宿坊とは趣きを異とする。厳かさは変わり無いが、ホスピタリティーが高級旅館のソレで、癒され具合が半端ない。丼を喰らいにやって来た俗物が、毒気をすっかり抜かれて庭を散策したりしまったりする宿ナノダ

オテラノドン:1100円
おてらんち:2750円

賄いから始まったオテラノドンの命名はセンス抜群の女将さん。ユーモアと繊細さを併せ持った方ダ。丼が多い向きには、懐石イメージで湯葉も楽しめる“おてらんち”を

今の女将さんの代に何としても復元したかったと言う渡り廊下。コノ渡り廊下の先に離れの個室がアル。本館と離れで世界観が違ってくるが、どちらもイイ
写真はセンスと人柄が堪らない女将さんと、内緒でハーレーを買って、大型免許取得目前の息子さん。免許が取れたら編集部に知らせて下さいね
コレも仏様の導きなのだろうか? 旅先の奇跡と癒しに、感謝を込めて祈る。こうして静かな本堂で手を合わせていると、日頃抱いている邪な気持ちが晴れて行く様ダ
飲み物越しに“夢窓国師”作の庭を見るのもイイ。こう言った機会で無ければ、庭をじっくり見るコトも出来ない。真っ赤なスモモが入ったサイダーから細かい泡がプツプツと昇って行く様に時を忘れる

渡り廊下を進んだ先にアルのは離れが並ぶエリア。目に鮮やかな白が清浄な雰囲気で聖域感がアル。庵の様な空間が非日常を演出してくれて、パーソナルな時間を満喫出来る。離れエリアの為のお風呂も用意されているゾ

部屋のタイプは様々あるが、本堂のすぐ隣に位置する特別室では、夕刻のお勤めの読経や鐘、太鼓の音が聞こえて来るそうな。何とも御利益のありそうな部屋では無いか

山梨県南巨摩郡身延町身延3510
TEL0556-62-0014
営業時間:11:00 ~ 15:00(要予約)
定休日:なし

新名物は“ラーほー”!?

笛吹市に新名物がアルと聞きつけて食べてみることにした。ソノ名も“ラーほー”。察しのイイみんななら分かると思うが、ほうとうを麺としてラーメンスープと合わせた食べ物コソがソレ 。今回は古今亭で頂いたのダガ、コノカップリングは中々イケる

田舎料理 古今亭
山梨県笛吹市石和町川中島78-1
営業時間:17:00 ~ 23:00
定休日:木曜

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