［多聞恵美ルポ・三重県・鳥羽市］冬が旨い 海鮮王国 鳥羽へ天空ツーリング

鳥羽温泉郷など観光地として全国に知られる三重県の鳥羽は
黒潮の恩恵を受けた伊勢湾の豊富な海の幸が味わえる街としても人気
とくに冬場は、旬を迎える魚が多く、一年でもっとも海の幸が美味しい
美しい伊勢湾の多島美が広がる天空のドライブウェイを走り抜け、
今が旬の答志島トロさわら＆浦村かきのブランド魚を食べまくり！

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天空のドライブウェイで旬の海鮮が旨い鳥羽へ

ついこの間まで暑かったのに、気付けばもう冬の寒さ。なんか今年って、ツーリングに快適な秋の期間が、ほとんどなかった気がします。でも、ご安心を！　冬は冬でツーリングの楽しみがあります。それが食べ物。冬はこの時期にしか食べられない物が多く、とくに魚介系に関しては旬を迎える魚がいっぱい。うまいもん担当の私にとって、まさにベストシーズン！

と言うわけで、今回のうまいもんは、三重県の鳥羽に行ってきます。なぜ、鳥羽？　かって。それは観光地として人気の鳥羽ですが、じつは海の幸の宝庫。この時期ならではのうまいもんがいっぱいあるのです。ウエアを冬仕様に変更して、早速行ってきます。

関西圏、東海圏からのアクセス抜群の鳥羽へは、伊勢自動車道をひたすら南下します。そのまま2017年に無料化した伊勢二見鳥羽ラインを走るのもいいのですが、オススメは伊勢ICから伊勢志摩スカイラインを通るルート。

この伊勢志摩スカイラインは、別名〝天空のドライブウェイ〞と言われるほどの絶景コース。足元に広がる伊勢平野、伊勢湾特有の多島美の海景色は、まさに〝天空〞から望む景色。今年7月には、この景色と愛車を一緒に記念撮影できる光石展望台も完成。

そのほか、天空のポストや展望足湯のある朝熊山頂展望台などもあって、道路全体が一つの大きな観光施設。通行料金以上に楽しめる道です。

で、伊勢志摩スカイランをそのまま鳥羽側へ抜けて、少し伊勢方面に戻った所に、本日の1件目の目的地・四季の海鮮 魚々味さんがあります。ここは鳥羽磯部漁協さんが運営している海鮮食堂で、鳥羽の漁港で水揚げされた新鮮な天然魚を気軽に味わえます。

伊勢海老や鯛などこの時期、美味しそうなお魚がいっぱいですが、今回のお目当ては答志島トロさわら。じつは鳥羽沖合の答志島近海は、黒潮の影響でサワラの絶好の漁場だそうです。サワラが美味しい秋から春の中でも、特に脂ののりが良いとされる9〜1月にのみ一本釣りされたのが、答志島トロさわら。しかも、大きさや脂肪含量などの厳しい基準をクリアした、いわばサワラのエリート中のエリートで、鳥羽を代表するブランド魚なんです。

まず、ひと口食べてビックリ！　もっちりした食感で脂ののりも最高。名前の通り〝トロ〞みたいな味です。焼き物で食べるのが一般的なサワラですが、刺身と炙りの2種類のお造りで食べるのにも納得。間違いなく今まで食べたサワラの中で一番の美味さです。お造りの単品もありますが、オススメは定食。答志島トロさわらのお造りに、本日のお造り2種にかき揚げ＆フライなどが付いてボリューム満点。さすが漁協直営店で、鮮度はもちろんお手頃度合いもバッチリ。答志島トロさわらの時期以外でも楽しめるお店です。

答志島トロさわらを満喫したあとは、鳥羽の市街地を抜けて、パールロードへと向かいます。鳥羽と志摩を結ぶこの道は、伊勢志摩ツーリングではお馴染みのルート。展望台などもあって、ツーリングルートとしても人気なんすが、この時期は、もう一つの楽しみがあります。

それが牡蠣。パールロードの北側辺りの生浦湾は牡蠣養殖で有名な場所。ここで養殖された牡蠣は、浦村かきと言って、鳥羽のもう一つのブランド魚。11〜3月ごろのシーズンには、道沿いに多くの牡蠣小屋がオープンします。この〝オイスターロード〞の牡蠣小屋の中でも、人気の浦村かき与吉屋さんにおじゃまします。

ほとんどのお店が牡蠣のシーズンのみ営業しているのに対して、この与吉屋さんは、一年中オープンしていて、地元の魚介などの料理が味わえます。でも、やっぱり人気は冬場の牡蠣。与吉屋さんでは、牡蠣の食べ放題もやっていますが、今回、私が注文したのは牡蠣定食。焼き牡蠣や生牡蠣、フライなど、いろんな牡蠣料理が味わえるのが魅力の定食です。

では、定番の焼き牡蠣からいただきま〜す。う〜ん、絶妙な焼き加減で口の中いっぱいに広がる潮の風味。取材時はまだ牡蠣のシーズンが始まったばかりで、お店の方いわく「少し小ぶり」だそうですが、それでも貝柱の部分の食感もしっかりしていて食べ応え満点。この号が出る頃にはシーズン最盛期で、立派な牡蠣に期待できます。生牡蠣もプリプリの身が絶品で、フライも揚げ立てならではのアツアツ。最近は都会にも牡蠣小屋はありますが、海を眺めながら食べる本場の牡蠣は、ひと味もふた味も違う気がします。牡蠣に限らず、やっぱり海の幸は、ご当地で食べるのが一番。冬ツーリング最高です。

　取材協力