[いつまでもバイクに走りたい]ベテランライダーが実践するモチベーションの保ち方
どんなに好きなことでもなれてしまうと興味が薄れるものだが
ツーリングへの熱い思いを燃やし続けるベテランライダーがいる
60代後半に差し掛かりながらバイクがある生活を続けている
ツーリングに対する衰え知らずの情熱の秘訣に迫る
バイクと鉄道の二刀流が自分の旅のスタイル
僕は幼少期から出かけるのが好きだった。小学生のときには縦横無尽に走っていた都電に乗って、とりあえず終点まで行ってみたりしていた。中学生になると行動範囲はグンと広がり、SL撮影のために岡山や福島へ出かけた。高校で部活をやめた後は北海道や東北、信州などへ鉄道の撮影に行っていた。昔から鉄道好きで、いまもそれは変わっていない。
高校卒業後、バイクの免許を取った。それからは鉄道に代わってバイクが僕の旅の足になった。行きたい場所へ自由に行ける。バイクの機動性の高さは旅の魅力をさらに大きくしてくれた。
友人の影響もあってロードレースを始めたり、二輪雑誌業界に足を踏み入れたりと、生活はバイク中心となり、ツーリングはいつしか仕事にもなっていった。
趣味と実益を兼ねて日本各地をツーリングする日々はこのうえなく楽しく、充実していた。海外をツーリングする機会も多くあり、結果的にそれが日本の良さを再認識することにもなったようだ。
20代から40代のころは月に4000〜5000㎞走っていたと思う。しかし60代となってからは先を急ぐ旅はしなくなり、身体に負担をかけすぎない程度の行程をのんびり走ることが増えた。そのためひと月の走行距離も1000〜2000㎞ほどになっている。大半は日帰りで行ける範囲で出かけることが多いが、それでも年に1、2回はロングツーリングにも出かけている。時間の都合で高速道路を利用することももちろんあるけれど、たいていは下道を走っていく。道の表情が多彩で風景に変化があるからだ。そうすると移動している時間を存分に楽しむことができる。ある意味贅沢だ。
目的地で風景を堪能したり、名物料理を味わったり、温泉を満喫したりと旅の定番ももちろん楽しむ。それに加えて、鉄ヲタとしての楽しみをツーリングに組み込むのも僕のスタイルだ。ローカル線をめぐると知らない場所や道に出会うことが多いから、ツーリングの幅が広がると感じている。乗り鉄旅も相変わらず継続しているし、今後も自分流のそんなツーリングを続けいくつもり。
このように自分の好奇心を素直に受け入れること。そして無理なく計画を立てること。そして旅を楽しいものにすること。そうすれば常に「走りに行きたいモード」を維持できる。何事も無理は禁物、つらくなったら続かないから。
Point
楽しみながらのプランニングで旅をスムーズに
高機能装具で寒暖に適応
鉄道ヲタク心を満たすルート設定
億劫にならない余裕ある計画
60代のツーリング計画マイルール
ツーリングで大切にしている考え方
「旅を楽しみたい」と強く思う気持ちに忠実に従うこと。どこかへ行きたいという漠然とした思いが顔を出したら、それを実行することを大切にしている。そして計画も走りも無理はしない
目的地選定・ルーティングの方法
日数によって目的地はちがってくるけれど、通常は日帰りが多いので遠くても往復400㎞程度。行先によって高速道路を利用する
飽きないようにルートを変える
バイクを載せて飛行機。飛行機+レンタルバイク。自走+フェリー(大洗~苫小牧)(有明~釧路)(青森~函館)。残念ながらモトトレインは利用していない。愛車でのツーリングを希望するなら、大洗~苫小牧のフェリーか青函(津軽海峡)フェリーがオススメ
装具類のポイント
ヘルメットはフルフェイスもしくはスポーツジェットを使う。シールドはクリア。ジェットはサンバイザー付きを、フルフェイス用は調光シールドを使用している。ウエアは上下ともプロテクター内蔵で、夏はメッシュタイプ、他はインナー着脱式を利用。靴は安全・快適なライディングシューズを愛用
ツーリングの頻度
季節や天候によりまちまちだが、平均すると月に1から2回程度。ひと月の走行距離は1000 ~ 2000㎞くらい
収集する情報は「天気」と「道路」
天気はもちろん必ず確認する。道路情報に関しては予定するルートを再確認し、場合によってはストリートビューなどで曲がるポイントなどの風景をチェックする
これだけは携行する
レインウエア、ブーツカバー、レイングローブは必須。チューブレスタイヤ用パンクリペアキット、小型エアポンプ、工具少々を携行