【ツーリングガイド高知】食・道、年中楽しめるツーリングパラダイス
ワインディングでありながらシーサイド
壮大な海を堪能する道から少し入れば、細かいくねくね道
ライダーが好む道のハイライトがぎゅっと詰まっているような空間
そこにグルメも加われば、ライダーは行くしかない!
ライダーのすべてがあるここは四国・高知
今走っているのは、高知県の東部・室戸スカイライン。四国の突端、室戸市街から室戸岬まで伸びるワインディングロード。……こんな絶景が気軽に拝めてしまうのが、高知の地味にすごいところだ。ただ走るだけではなく、このように視界が広がっている道が多いので、なんでもない道が我々からすると絶景に写る場合が多い。
全長9㎞のちょうどいい長さの爽快な道で、タイトなカーブはほぼなく、誰でも楽しく走ることのできる優しい道。道中には展望台と、第24番札所・最御崎寺がある
DATA
問:室戸市観光協会
https://www.muroto-kankou.com/
関東から見た高知のイメージといえば、広い、山に囲まれたワインディング天国、カツオ、ひろめ市場、そして遠い、である。ライダーとして走りたいエリアなのは確実なのだが、なんせ遠い……!
以前ロケで訪れた際は東京にある編集部から自走。12時間ほどかかった記憶がある。
しかし、今回は飛行機+レンタルバイク。時間も体力もあり余るほどに残っている。実際、早朝に羽田空港を発ち、室戸岬にたどり着いたのが昼ごろ。取材日はどこかでは雪がチラついたと聞くほどの寒さだったが、しっかりと防寒をしていれば問題ない。山間部を除き、高知は一年中走れるツーリングの楽園でもあるのだ。
今回は高知市を拠点にして、東側の室戸エリア、2日目に西側の仁淀などのエリアを走る予定だ。室戸スカイラインを走った後は室戸岬を回り、徳島方面へ走る。高知市を出てからずっと国道55 号。分岐も少なくシンプルなので迷う心配もなく、景色や走りを堪能するのに集中できるのも良い。
そこで立ち寄ったのは「ライダーズパラダイス」というライダーズカフェ兼ハウス兼キャンプ場。ただ、喜ぶライダーの笑顔が見たいだけ、と語るオーナーさんの笑顔が印象的だった。
カフェ兼、ライダーハウス兼、キャンプ場のまさにライダーの楽園。オーナーの萩野さん曰く「ライダーの喜ぶ顔のためにやっている」とのこと。それは、コツコツDIYをしながら作った施設や、ライダー心をくすぐるバイクやクルマたち、値段にそぐわない大盛りのカレーに現れている。時間が許すならば、ぜひここから水平線に沈む夕日を見てほしいとのこと
高知県室戸市佐喜浜町3954-1
TEL090-8978-4018
営業時間:8:00〜18:00
定休日:月曜
宿泊料金(1泊):1000円
キャンプ:500円
Instagram→@riders_paradise_master
海の大きさを改めて確認 隠れた名絶景道
今回、高知市内を拠点にしたのは、グルメをしっかり堪能するためでもある。走るために高知にやってきたものの、せっかくだから24時間高知を摂取したい。「ひろめ市場」をはじめ、いろいろな高知グルメが高知城周辺に集まっているからだ。
ということで次の日、まず向かったのは「横浪黒潮ライン」。市内からは西に1時間ほど。海沿いに伸びる国道14号を走り、仁淀川の河口を抜ける。シーサイドを走っていたと思ったらいつの間にか山間部を入っていることに気が付く。木々が生い茂って視界が狭くなり、少し車幅が狭くなったワインディングをひらひら走っていると、突然視界がひらけて見えるのが、この景色である。
浦ノ内湾の入り口にかかる宇佐大橋から横浪半島を走るワインディングロード。海沿いながら高いところを走るので、シーサイドと山間部の魅力を凝縮した道となっている。区間距離は約17.8㎞と満足度も高い
DATA
問:須崎市観光協会
TEL0889-40-0315
https://sta2020.com/
いつの間にこんなに登っていたんだと驚くと同時に、バイクを運転する楽しさと、ツーリングで出会える大自然の美しさを同時に堪能できる満足度の高い道。たまに休憩所があったり、浦ノ内湾側の各集落へ降りる小道があったり、バイクの機動力を生かせばなかなかに濃い散策ができそうな予感がする〝いい道〞だった。
横浪黒潮ラインを走り、ワインディングの終盤にある、浦ノ内湾の終着地点にある「海の上食堂浮橋」へお邪魔し、湾で取れる長太郎貝(ホタテの仲間)などを堪能させていただく。入口が狭く深い浦ノ内湾の奥なので、波も少なく、揺れも程よく心地良い癒しスポット。ワインディングの締めにふさわしいグルメだった。
海の上に浮かぶ店内で、貝の網焼きなどがいただけるロケーションも抜群なお店で、海の上でお店を構えて50年になる。軽めに食事がしたい人は貝だしが沁みる貝うどん(770円)などもある。店内には貝や伊勢海老などの海の幸のいけすがあり、新鮮なままいただく料理の味は感動もの! テーブル、座敷があり120 名が入ることが可能。土日は要予約
高知県須崎市浦ノ内東分鳴無3715
TEL0889-49-0240
営業時間:11:00〜15:00
定休日:水曜
https://ukihashi.com/
ちなみにここ周辺はジビエがよく食べられるそう。ここに生息するイノシシは貝やカニなどの海の幸を食べるので、想像する一般的な(?)イノシシとは違っておいしいらしい……。俄然興味がわくが、次の楽しみにしつつ北上し、ついに「仁淀ブルー」を目指す。
仁淀のブルー 四季折々のアオ
「仁淀ブルー」という言葉はいつの間にか知っていた。美しい川として、高知県の川として。今や美しい河川の代名詞的な存在だが、まさか高知市内から1時間ほどで行けるお手軽一級河川だとは思わなかった。地元の人にとって当たり前な川の景色も、よそ者から見たら感動するくらい透明度が高い。
きれいな川を眺める時のなんとも言えない高揚感はなんなのだろうか。日本人のDNAに刻まれたなにかが反応している気がする……。
取材日、あいにくの曇り空、寒さも相まって今にも雪が降りそうな形相だった。寒さに凍えつつ、川にかかる沈下橋から川をのぞき込む。その時雲の切れ目から一瞬だけ晴れ間がのぞいた!
仁淀川にかかる最下流の沈下橋で、全長191m、現在も住民の生活道となっており、お邪魔しているという感覚で節度を持って眺めたい。橋のふもとには売店があるので、お土産の購入などにも最適
DATA
問:いの町観光協会
088-893-1211
https://www.inofan.jp/
その時の「アオ」はとても美しかった。橋の影が水底に落ち、初めて川の深さを実感できた。
場所を移し、今回の最終目標地「にこ淵」へ。駐車場から100数段の階段を降り、谷底へ降りる。そこでみえた滝とそこに広がる「アオ」。ここで僕がみた「アオ」は緑がかった深いアオで、透明度が高すぎて水の深さが見ても分からないほど。この不思議な感覚はぜひ体感するべきだ。この美しい「アオ」のそばを走り続けることで得られる心の養分を、ぜひアナタも摂取しに来ていただきたい。
道路から谷底へ降りることでみられる、滝壺。仁淀ブルーの象徴的なスポットとして有名。狙いたい時期は夏の正午付近で、谷底に光が差し込み、最も美しく見えるとされている
DATA
高知県吾川郡いの町
清水上分2976-11
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