【ツーリングガイド佐賀】弥生時代の遺跡と伝統文化に触れる
「発掘」と聞いて心躍る弥生時代の暮らしを偲ぶ
63年生まれの僕は子供の頃、第2次大戦は昔の話、江戸時代は大昔のことだと思っていたが、年を取ってくると江戸時代くらいはつい最近のことだったと気がついた。
しかし、弥生時代となると、これはもう大昔といってよさそうだ。2400年ほど前から始まり、700年の長きにわたって続いたとされる。
稲作(米づくり)が開始されたことにより穀物の貯蓄が始まった時代であり、土地や水をめぐる争いが始まった時代でもある。吉野ヶ里の集落は柵と堀に囲まれている。一方で死者を弔うことを大切にするといった慎み深い行為として「墓」が遺跡から多数出土した。
86〜89年に見つかった遺跡は、北墳丘墓(ふんきゅうぼ)のように甕かめ棺かんが出土したお墓のエリアと、「内郭」、「倉と市」いった祭殿・王たちの住居や交易の建物を再現したエリア、そして「ムラ」と呼ばれる竪穴住居や高床倉庫が再現されたエリアが必見だ。レストランには古代の味をイメージしたメニューがあり「古代貝汁御膳」がオススメ。体験コーナーもあるので、散策とランチを組み合わせて立ち寄りたい。
北墳丘墓からは14基の甕棺が発掘され、その現場が保存されている。発掘当時の資料や副葬されていた銅剣やガラスの管玉などの復元品を展示
吉野ヶ里歴史公園
「弥生人の声が聞こえる」をテーマに、当時の施設の復元や出土品の展示を通じて弥生時代を体感。竪穴式住居群を眺めているとタイムスリップしたようだ。現在発掘調査中で24年2月まで公開予定
吉野ヶ里歴史公園
佐賀県神埼郡吉野ヶ里町田手1843
TEL0952-55-9333
開園時間:9:00~17:00(6月1日~8月31日=~18:00)
休園日:12月31日、1月の第3月曜とその翌日
利用料金:460 円
https://www.yoshinogari.jp/
山田ひまわり園
毎年、秋に咲くひまわりとして有名なみやき町にある山田ひまわり
園。6,000㎡の休耕田の棚田に約10万本が一気に咲く絶景を楽しめるおすすめスポット。
佐賀県三養基郡みやき町大字簑原
(寒水川山田水辺公園近く)
TEL0942-96-4208(みやき町観光協会)
https://www.miyakikankou.jp/
9:00~16:00
11月1日~11月30日まで
入場料(清掃協力金):100円(大人のみ)
道の駅吉野ヶ里
道の駅吉野ヶ里は福岡県との県境、国道385号沿いにある。物産館「さざんか千坊館」では地元で採れた農産物や脊振山系の天然水使用の焼きたてパン、旬の素材にこだわった料理を提供している
佐賀県神埼郡吉野ヶ里町松隈1710-11
TEL0952-55-6175
営業時間:9:00 ~ 18:00
定休日:第3 水曜、12/31 ~ 1/3
果実工房新SUN吉野ヶ里店
営業時間:10:00 ~ 17:00(パフェ11:00 ~)
レストラン営業時間:11:00〜15:00
https://www.asobo-saga.jp/spots/detail/c1b38af3-01e3-4a67-bd3a-04ebf7afc175
美しい自然と伝統を守り続ける人がいる
全国名水百選に選ばれている清水川の清流が、落差75mの崖を垂直に落ちてくる豪快な滝。その清流で育まれた鯉は小城の名物で、鯉料理の店が軒を連ねる。
鎖国時代に西洋との唯一の窓口であった出島に陸揚げされた砂糖は、小倉へと続く長崎街道により運ばれたおり、小城には羊羹文化が花開いた。今でも伝統の製法を用いた小城羊羹を多くの店が製造している。山を走った後に羊羹資料館で一服して、村岡総本舗でお土産を買う。旅の休憩スポットに入れてみてほしい。
佐賀市大和町名尾は、豊かな湧き水と原料栽培に適した寒暖差をもたらす谷にある。かつては紙すき工房の集落だったが、現在は谷口さんの工房1軒を残すのみ。ギャラリーにはカードやブックカバーなどが並んでいる。御朱印帳は人気の一品だ。
こうした伝統文化に触れることは旅の大きな魅力である。
名尾手すき和紙
300年の歴史を持つ「名尾手すき和紙」は、和紙の原料のひとつである梶の木の栽培から一枚の紙ができるまでのすべての工程を佐賀県の名尾で行う手すき紙の工房。伝統を次代に継承していく
佐賀県佐賀市大和町大字名尾4756
TEL0952-63-0334
https://naowashi.com/
清水の滝
全国名水百選の一つ清水川上流にある高さ75mの滝。幻想的な参道を抜けると荘厳な滝が現れる。近隣には鯉料理店が軒を連ね、夏季には避暑に訪れる人でにぎわいを見せる小城の奥座敷だ
※令和3年8月豪雨に伴う災害復旧工事は終了し、令和4年7月1日から全面通行可能となっている
佐賀県小城市小城町松尾清水2209-1
村岡総本舗羊羹資料館
九州では長崎カステラのように舶来の砂糖により多くの菓子が生まれた。小城は羊羹である。20軒以上の店が昔ながらの製法で製造している。村岡総本舗本店は店舗横の蔵を羊羹資料館としており、お茶のサービスが人気だ
佐賀県小城市小城町861
入館料:無料
TEL0952-37-3173
開館時間:9:00 ~ 17:00
定休日:なし
http://www.m-youkan
http://www.m-youkansiryoukan.jp/
村岡総本舗本店
佐賀県小城市小城町861
TEL0952-72-2131
営業時間:9:00 ~ 18:00
定休日:なし
https://www.muraokasohonpo.co.jp/