無数の島々が浮かぶ広島を駆け回る
地図を広げて驚いた。今回、旅の目的地に選んだのは広島なのだが、まさに島だらけ。なんでも瀬戸内には700の島があるそうだから、地図を見ていると楽しくなる。当然、島が多ければフェリーなどの海上交通も発達しており、地図には航路もビッシリと示されていた。このあたりで有名なツーリングスポットといえば、しまなみ海道が真っ先に思い浮かぶが、行ったことがある。そこで、広島の呉、江田島を中心としたツーリングを計画してみた。
広島を選んだ理由は、もう一つある。これからの冬の味覚といったら、カキが筆頭だろう。そんなカキの生産量が広島は日本一。2018年の調査では、全国の62%を広島県が占め、2位の岡山県に6倍以上というからぶっちぎりだ。なので、これから旬を迎えるカキもいただこうという算段だ。
そもそも、広島はなぜこんなにもカキが獲れるだろうか。なんでも広島湾は島や岬に囲まれ、波が穏やかだという。この海はプランクトンも豊富でカキの生育に向いているのが理由だそうだ。そんなカキとお酒をはしごして楽しもうというユニークな取り組みもあるそうで、これを夜のお楽しみにしたい。そう考えると、走った後は広島市街で宿泊がベスト。
今回の旅の相棒はホンダのC RF1100アフリカツイン。先代はたっぷり乗ったことがあるが、1100になってからはあまり長い時間乗ることがなかった。そこで、コイツで島巡りを楽しもうと思ったワケだ。この2代目にはアップルカープレイも付いているからマップ表示も可能なので、見知らぬ地を走るのも怖くない。また、島を走る際は島のスケール感を把握するためにも、使い慣れた地図が表示できるのは非常に心強い。
このバイクは今回、ホンダドリーム東広島でレンタルサービス「ホンダゴー」を利用することにした。2泊3日という行程だったので、ロングゴーというプランを選択した。広島まで自走するのもいいが、やはり現地までは交通機関で移動し、近場からツーリングをスタートできるから疲れもない。
まずは、呉を目指すことにした。ここも今回、楽しみにしていた場所。造船の街として栄えた歴史を持つが、なんといっても戦艦大和が生まれた地。広島県に来たら、ここは外せないだろう。
瀬戸内に広がる多様な表情を見せる海
今回感じたことは、海のさまざまな表情を見られたことだろう。至る所で目にした生育のためのカキ筏(いかだ)、魚釣りに興じる方々、そして行き交う船の多さ。しかも、一口に船といっても海上自衛艦や大型船舶だったりするのだから、見ていて飽きない。海といえば、伊豆や房総を真っ先に思い浮かべるボクにとって、瀬戸内海は非常に新鮮。日本が島国だということをあらためて思い知らされた。