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人より牛のほうが多い!?産山村を知るための“10のキーワード”


人口減少問題、高齢化社会の到来と今後の日本が抱える課題を
ユニークな方法で活路を見い出している自治体がある
それが今年、稼げる村づくり構想を発表した「産山村」
産山村といえば、山水亭のオムライスかもしれないが
ここでは、産山村の特徴を見てみよう

問い合わせ
産山村観光協会
TEL:0967-25-2211
https://ubuyama-kanko.com/

信号もコンビニもない産山村

阿蘇を走るなら、産山村の名前は覚えておいた方がいい。この産山村は熊本県の中でも北東に位置し、大分県と隣接する阿蘇の外れにある小さな村だ。

この産山村には信号もなければ、コンビニもない。東京に勝っているのは標高で、村の平均標高は東京スカイツリーよりも高い700m。村には名水百選に選ばれる池山水源や山吹水源があり、水道の蛇口をひねれば旨い水が飲み放題。水が旨いから、料理も旨く、産山村の飲食店は実力派ぞろいだ。オムライスで有名な山水亭に、多くのライダーが来店しているのがその証拠と言えるだろう。

この山水亭の店主を務めるのが井龍次さんで、産山村には「井」という苗字が非常に多い。今回、お話を聞いた企画振興課の課長も井さんだが、この村で「井さん」と言っても通用しない。下の名前まで把握しないと、人違いが起きてしまう。企画振興課の史生さんは産山村を、「吉幾三の歌を地で行く村」と謙遜するが、この村を侮ってはいけない。小さな村ながらも、全国の自治体からも注目されている村なのである。

そもそも、産山村は「平成の大合併」で自立を選んだ数少ない自治体である。村の消滅か、存続か……。苦渋の決断の末に合併しない道を選んだ産山村は、豊かな自然を活用し「産山ブランド」を確立。自治体の中でも貴重なモデルケースと言えるだろう。

それだけではない。このコロナ禍で降ってわいた給付金の10万円。コンパクトな村だからこそスピーディに動けることを実証し、全国の自治体の中でも1、2を争うスピードで配布を完了させたほど。

そんな産山村にも、すでに高齢化社会の波は訪れている。当然、この村で生活するにはクルマは必須だが、最近では高齢者の運転免許の返納が増加。この課題に対する産山村の回答のひとつが移動販売だという。各エリアに生活必需品を積んだ軽トラックが回り、地元住民が集まるのだから、井戸端会議も自然発生。「お話もできて楽しい」と好評だそうだ。

野望(!?)もある。それが人口減少の解決を目指した「稼げる村づくり」構想。ふるさと納税に活路を求め、魅力的な商品開発を行っていくとのことだが、驚くべきはその数値目標。20年度の目標寄付額を、昨年度の“約20倍”となる1億円に設定したのだ!

具体的な商品は11月までにすべて投入するそうなので、皆さん、応援して産山村をビッグにしようぜ!

ふるさと納税はコチラから→https://www.satofull.jp/vill-ubuyama-kumamoto/

1.信号がない

産山村には信号機がない当然、道は空いているので村民は渋滞とは無縁の生活を送っている

2.コンビニがない

商店はあるが、コンビニはない産山村コンビニがないから不便と思うのは早計村にはコンビニでは買えない豊かな食がある

3.熊本県で2番目に人口の少ない村

(1471人/2020年5月現在)
人口減少が進む現在、「人口少ないランキング」の順位も入れ替わりが激しい移住者の増加も課題のひとつだ

4.名水百選が水道水

産山には池山水源、山吹水源の2大水源がある。どっちの水も旨いが村では派閥があるらしい

5.知られざるグルメ地帯

水が旨ければ料理も旨いだから、ライダーを惹きつける飲食店がこの村には多いあか牛もぜひ味わってほしい!

6.給付金10万円全国最速級!

1人10万円支給の給付金この最速給付レースに参戦するスピード感もスゴイが1万円アップの11万円でお届け!

7.Amazonより便利で楽しい「移動販売」

各地区を徘徊する移動販売が来れば人が集まり、会話が生まれるこれはAmazonにはない発想

8.東京スカイツリーより標高が高い

東京スカイツリーの高さは634m産山村は標高480~1050mほどだが標高だけは勝っていると彼らは言う

9.イノシシのシッポで小遣い稼ぎ!

イノシシのシッポを村役場に持っていけば、報酬がもらえるシッポが害獣駆除の証拠になる

10.「井」という苗字が人口の1/4

「井」という苗字がとにかく多い混乱を招かぬよう目上の者に対しても名前で呼び合うのが習慣なのだ

話の一部はこの冊子を参考にしているが、村の魅力が自嘲気味に描かれている。役場に行けばもらえるという(在庫が切れ次第終了)

産山村役場 企画振興課長
井 史生さん
産山村育ちでバイク乗りでもある史生さん。学生時代に一度産山村を離れたが、その際、産山村の水とあか牛のおいしさをあらためて知る。「産山村で育った子供たちの舌は肥えています」とのこと

写真は産山村を横断するヒゴタイロード。ヒゴタイとは8~9月にかけて見頃を迎える花のことで、産山村のシンボル

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