こんなにいろんな構成があるって、知ってた!?
こんにちは! ツーリングマップルは目下、今年の取材・表紙車両等の選定・調整をしています。毎年、各メーカーさんからご協力いただき車両をお借りしているんですが、ツーリングマップルの場合はとくに長期間お借りするという点で、なかなか「この車両使ってみたい」と思っても、タイミングが合わないことも多く、難しいのです。21年版の表紙にはどんなバイクが登場するでしょうねえ。
お楽しみに!
1枚の地図を作るためには実にさまざまな下調べが必要になる
それが本の、何ページも続く地図作りになるとどうなるのか
そもそも本の地図はどんな構成でできているのだろうか
取材協力
昭文社
http://www.mapple.co.jp/
こんにちは! ツーリングマップルは目下、今年の取材・表紙車両等の選定・調整をしています。毎年、各メーカーさんからご協力いただき車両をお借りしているんですが、ツーリングマップルの場合はとくに長期間お借りするという点で、なかなか「この車両使ってみたい」と思っても、タイミングが合わないことも多く、難しいのです。21年版の表紙にはどんなバイクが登場するでしょうねえ。
お楽しみに!
さて、前回は地図の中でも基本となる、1枚ものの大判地図「都市地図」を例に、「図取り」のお話をしました。1枚の紙の中に、どこからどこまで収めるかを決める図取り。地図ができる過程には、都市の歴史や産業、人口など様々な角度から見た、たくさんのデータ分析があり、そのうえで編集者のこだわりが込められているという話。たった1枚の地図にも労力と想いが注がれています。
では、そんな地図が何十、何百ページにもわたって続く、本のタイプの地図はどう考え、図取られているのでしょうか。ここからはそれをお話したいと思います。
と、いきたいところですが、そもそも本のタイプの地図にもいろいろありまして、ややこしいのでまずはそこからご説明します。
まず、広い範囲を同じ縮尺・大きさのページで縦横に区切った地図を「メッシュ地図」と呼びます(図1)。
ツーリングマップルもメッシュ地図で、現在市販の道路地図帳はほとんどがメッシュ地図です。
対してメッシュ地図でないものには、例えば日本をさまざまな視点・角度から切り取る日本地図帳や、同じく世界地図帳など……。あるいは駅前、観光地、ドライブスポットなど特定テーマに基づいた場所の地図を集めたものもあります(図2)。
この場合、それぞれの図にはほぼ連続性がなく、1冊の本の中でも縮尺や仕様が統一されていないことも多いです。
メッシュ地図には、単層のものと複層のものがあります。単層とは図1のように、その名の通り、基本的に、最初から最後まですべての図が同じ縮尺で続きます。縮尺が変わらないので、全地域を同じ距離感で使うことができて分かりやすいですね。
これに対し複層メッシュとは、異なる縮尺のメッシュ地図が複数重なって存在しているものを表します(図3)。
昭文社では県別マップルやスーパーマップルなどが代表的です。情報がより多い(市街地)地域には、より大きな縮尺の詳細なメッシュを用意することで、万能性が増します。
実は多くの地図本は、さまざまな構成の地図を組み合わせて作られています。例えば「単層だけど縮尺が部分的に変わるメッシュ」があります(図4)。
これは、情報が多い(栄えている)市街地はより大きな縮尺で詳しく、周辺部は広くゆったり見せられ、かつ、ページの連続性(隣り同士のつながり)も保持できます。単層メッシュと複層メッシュの間のような感じですね。しかし複層メッシュに比べ、ページ数がやたらと増えるのを防ぐことができます。ページ数は、原価に直結しますので、無為に増やすと利益を圧迫することになるのです。
また、ツーリングマップルは基本的には単層メッシュですが、ここに特定のツーリングスポットや県庁所在都市のカット図(単独の非メッシュ図)を合わせた構造になっています(図5)。
こうした構成のどれを選ぶか、どれとどれを組み合わせるのか、それは当然ながら、その地図のコンセプト(ユーザー、利用シーン、それに合わせた特徴)によって決めます。
例えばツーリングマップルであれば、ライダーの行動範囲は都市圏から山間部、端から端までまんべんなくとにかく広いので、一律の縮尺で広範囲を収録する単層メッシュが適しています。メッシュの縮尺は、バイクのスピードに応じて、何度もめくる必要がなく、かつ一定の情報量が掲載できるレベルで決められています。それでも掲載しきれない情報が多い地域に拡大図を用意しています。
このように、本になった途端、考えることは膨大になりますが、細部を決めるのは案外妥協的になるんですよ。
という話を次回!
Information
みんなのツーリングマップルOPEN!!