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【第14話】ツーリングマップル編集者が語る地図屋の美学「地図はレイヤーでできている」


一見、地図は一枚の絵のように見えるが
実は一枚一枚、要素ごとの絵を何十枚、何百枚と
重ね合わせてできているのだ
一体どういう構造なのだろう

取材協力
昭文社
http://www.mapple.co.jp/

沈黙の春……?

こんにちは!

20年度シーズンの始まり、皆さん春ツーリング、もう出かけられましたか……って、それどころじゃない状況になっちゃいましたね。ツーリングマップルもデザインを一新して、今年はあれをやって、これをやって、がんばるぞーって、いろいろと企んでたんですが、なかなか思うようにいきませんね。早くこの騒ぎが落ち着いて、みんなが笑顔で旅に出られることを願っています。

その時のためにも、地図で行きたいところをしっかりチェックしときましょう!

自宅にいるからこそできることも、たくさんありますよ。

地図はたくさんのレイヤーからできている

さて今回は、地図の「レイヤー」についてお話をしてみたいと思います。レイヤーと言っても別に、地図のコスプレをする人じゃないですよ……(地図のコスプレってなんだ)。まあ、雑学程度の知識にしかならないかもしれませんが、絵や図を描くときに知っていたら、少しは役に立つんじゃないかと思います。

まず、「レイヤー」というのは「層」とか「階層」を表します。フォトショップやイラストレーターのような描画・画像系アプリを使ったことのある方はもともと親しみありますよね。

地図って、見た目としては1枚の絵柄として表現されていますが、実はたくさんの要素のレイヤー(層)が重なってできているんです。

めちゃくちゃざっくり例えると、顔のイラストを描く場合、「輪郭線」「目鼻口」「髪の毛」「肌の色」などを「層」ごとに描くと、それぞれ個別に修正や調整ができて便利なんです。他にもいろいろメリットはあると思いますが、ここでは省きます。

地図のレイヤーはどういう構成?

では地図のレイヤーはどのように分かれているのか。これも一般論ではありますが、ベースとしては、まず一番下から

「水部」(海など)
「等高線」
「行政界線」
「建物」
「トンネル」
「道路」
「鉄道」
「高速道路」

……などなど、おおまかにこんな感じに線や面のレイヤーが続きます。これ、よく見ると、現実世界とだいたい似たような並び順になっていますね。もし、皆さんがきれいな地図を描く必要に迫られた場合は(そんなこと滅多にないと思いますけど)、このことを念頭に描き進めると、失敗が少ないと思いますよ。なお、これらの分類はさらに細分化されていたり(たとえば行政界線には、県境・市町村境・郡境・区境などがあり、さらに拡大図では大字境なども出てきます)、地図の用途によっては多少順序が入れ替わったりもするんです。

そしてこのレイヤーたちの上にさらに、各種の記号、そして文字情報などが続くというわけです。それらもコンビニ、GS、温泉、飲食店、もちろんコメントも含めさまざまなジャンルに細分化されています。

ここでは便宜的に4つにまとめているが、実際には大体この5 ~ 10倍のレイヤーがあるのが普通

レイヤーの歴史は地層のように……

地図データはレイヤー数が非常に多く、データも重くなる傾向にあります。中でもツーリングマップルは、ベース地図のデータが古く、長きにわたり、いろんな人がいろんなルールで触ってきたせいで(苦笑)、実はレイヤー数が軽く百を超えるほど異様に多く、しかも同じレイヤーに多ジャンルが混在するというような残念なデータになっています……。まるで複数のオーナーにいじりまくられ、原形をとどめていないカスタムバイクのように……。どこかで整理するとか、抜本的に入れ替えをしなきゃなと思いつつ、なかなか踏み込めずにいます。地図に終わりはないですね(苦)。

Information
みんなのツーリングマップルOPEN!!

Twitter:@touringmapple_s

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