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【第13話】ツーリングマップル編集者が語る地図屋の美学「地図を描いてみよう」


地図は見るもの、というのが世間一般の常識で
自分で地図を描くのは、相当センスがないと難しそうだ
でも実はそんなことはなく、誰でも簡単に描ける地図がある
そして地図を描くことで得られることがあるという

取材協力
昭文社
http://www.mapple.co.jp/

こんにちは。
ツーリングマップル20年版もいよいよ発売となりました。今年は表紙デザインの全面変更、地図の文字拡大など、かなり大掛かりなリニューアルをしたので、見ていただけると嬉しいです。詳しい変更点は、ツーリングマップルWEBの方にも記事があるので、そちらもチェックください。合わせて書店店頭で見比べていただくと分かりやすいと思います。今年もみなさんに良き旅がありますように!

さて、今月のテーマは「地図を描いてみよう!」。この連載を始めて1年、ツーリングマップルを中心に、地図の使い方や、魅力などをお伝えしてきましたが、そろそろ書いてみませんか?

「そんないきなり描けるわけないじゃん」と思われるかもしれませんが、「地図」にもいろいろあるわけで、絵心がなくても、字が汚くても、地図は描けます。要点さえ抑えれば。とくに今回描く地図は、誰にでも描けてかつ分かりやすいというもの。

地図ってナニ?

そもそも「地図」とは、現実世界の状態を平面上に表現したものです。ただし、目に映るものをそのまま描き出す航空写真とは違います。時には目に見えない情報を載せて、地図はできています。例えばナビの地図を思い浮かべてみてください。見た目の情報は、相当絞られています。一方ツーリングマップルを見てみると、こちらにはかなり多くの情報が入っています。この違いは、優秀ではなく、それぞれの地図の「目的の違い」の現れなんです。

ナビはあらかじめ決めた目的地にたどり着くための最適な「経路案内」を、ツーリングマップルはこれから旅する先での「目的地選び・経路選び」をそれぞれ主題としています。表示範囲や縮尺も、それに従って作られています。

いずれにしても、すべての道を描く必要はないし、すべての物件を描く必要はありません。要は「それを見る人・使う人に伝われば良い」わけです。

どこからが地図?

これを踏まえ、ツーリングマップルやグーグルマップを見ながら、自宅からどこかの温泉までの地図を描いてみましょう。

こんな感じに。

 

自宅と温泉(という文字)を線で繋いだだけのこの地図。

なんじゃこれ?
流石にこれは地図とは言えない?

いえいえ、いいんです最初はこれで。

 

少し情報が増えました。でもこれだとまだ不便。道がどこで変わるのか分からない。ここで注意していただきたいのは「方位記号は?」とか「スケール(縮尺)は?」とか絶対に言い出さないこと。こだわりが強い頭でっかちの地図屋はすぐそういうことを言ってくるんだからもう……やだやだ。あ、お気になさらず。

分かりゃいいんです。

方位とかスケールを入れちゃうと、途端に強烈な制約ができて描けなくなっちゃいます。「正確に描かなくちゃ」というプレッシャーで、描かなくていい道まで描き出したり、距離感が合わなくて何度も描き直したり。そんなのは無視無視。必要な情報だけ増やしましょう。

 

これでひとまず、温泉にはたどり着けそうです。せっかくだから、帰り道も描きましょう。同じ道じゃつまんないから、別な道を通りましょうか。ご飯も食べたいし、家族にお土産も買わなきゃだから、道の駅に寄りましょう。

 

そのまま帰ってもいいんだけど、体力が余ってたら棚田の風景とかも見てみたいな。夕陽がきれいだろうな。

 

さて、これ、ただの行程図って言う人もいるかもしれませんが、いいえ、れっきとした地図です。

だって、これがあればツーリング中はナビも、ツーリングマップルも、要らなくないですか?タンクバッグに、この紙だけ入れて、スマホもマップルも、リュックにしまって旅に出かけてみてください。

いつもより運転に余裕ができると思います。ナビの声に耳を集中させなくて良いし、何度も地図を確認する必要もナシ。周りに目を向けられるから、気づきも多い。

これ、プランニングに1工程足しただけ、こんな簡単な図を描くだけなんですが、ツーリングがより楽しくなること請け合いです。だまされたと思って、ぜひ試してみてくださいね。描けば描くほど上達するので、いつの間にか「地図を描くためにツーリングする」なんてことになるかも(笑)。いやならないか……。

Information
みんなのツーリングマップルOPEN!!

Twitter:@touringmapple_s

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