原生林を抜けながら秘湯をつなぐ旅路
岩手と秋田にまたがる八幡平の周辺でもっとも有名な観光ルートと言えば、八幡平を東西に貫く八幡平アスピーテラインだが、その最高標高となる県境の見返峠で分岐すると、もうひとつの名道を走れる。アスピーテラインが、ダイナミックかつセクションごとに雰囲気が変化する景観を特徴とするのに対して、樹海ラインはその名のとおり、原生林を貫く自然の奥深さが魅力。ただし春の冬季閉鎖解除直後は、アスピーテライン同様に雪の回廊を楽しめる。
見返峠から下る場合、ルートは最初の数百mだけ秋田県を走り、あとは岩手側を南東方向に進んでいく。見返峠から2㎞ほどで、山の秘湯として知られる藤七温泉。さらに進むと、熱泉と蒸気が音を立てて噴出する太古の息吹に至る。
その先は、麓に広がる森の奥に凛々しい岩手山あるいは手前の赤倉岳を眺めながら、多彩なカーブを抜けていく。麓に近づくと、より木々の密集は増すが、葉がない春先は遠望が効き、秋は最高の紅葉が沿線を彩ってくれる。
そして終着は松川温泉。山奥の静寂と渓谷のせせらぎに包まれた、江戸時代からの歴史がある名湯だ。
Road Information
八幡平樹海ライン
区間距離:17.1㎞
通行料金:なし
冬季閉鎖:11月上旬〜4月中旬
問:八幡平市観光協会
TEL:TEL0195-78-3500
http://www.hachimantai.or.jp/