身体に力を入れずに車体との一体感を高める
日本の冬といえば「西高東低」の気圧配置。天気図に等圧線が縦に細かく入った、天気予報でよく見聞きするアレで、北西方向から強く冷たい風が吹き込んでくる。
寒い分にはいまどきの高性能な冬用ウエアで対処できるが、厄介なのが「横風」だ。高速道路なら路肩に設置された吹き流しや、一般道なら樹木などの動きに注意していれば、ある程度は予測できる。とはいえ、風は目に見えない。突然〝ビュッ!?とあおられると、かなりビックリする。また突然でなくても、ビュービューと吹き続けたら、やっぱり怖いし疲れる。
そこでまずは、車線の真ん中を走ってマージンを取ったり、山間部の橋やトンネル出口などでは「風が強いかも、あおられるかも」と想定しておくことが大切だ。
そして次にやるべきは、バイクの安定感を高めること。例えばエンジンの回転数を高くする、すなわち重いクランクシャフトの回転を速くすると、ジャイロ効果が強まるため、車体の安定感が増す。これには普段より1速低いギヤを使えば良いが、少し燃費は悪くなるし、スロットルの開け閉めでギクシャクしやすいなど、デメリットがあることも忘れずに。
また、リヤブレーキを軽く踏んだり、場合によってはフロントブレーキをかけるのも効果がある。でもコレは、ずっと使い続けられないので、突風が吹いたときや吹きそうな場所(橋やトンネル出口)の備えとして使う。
そして肝心なのが、ライダーとバイクの一体感を高めること。ニーグリップとハンドルの保持に尽きるが、どちらもヒザや腕にギュッと強い力を入れるのはNG。バイク本来の動きを封じてしまうし、車体の揺れが身体に伝わって、かえって怖い。自然なニーグリップで、余計な力を入れずに下半身でホールドすることを意識。これは横風対策はもちろん、普段のライテク的にも効果が大きいので、ぜひ実践してみよう!