北海道はライダーを
やさしく包み込む
羽幌町の日本海オロロンライン沿いに「吉里吉里」というお店がある。そこは、ゲストハウスも兼ねたカフェで、オンシーズンには多くの旅人が旅の疲れを癒すそう。
「せっかく来たのだから写真とっていきな」と店主の坂本さんがバイクと一緒に写真を撮ってくれた。坂本さんは、訪れたライダーには必ず写真撮影をしており、この試みは、なんと1981年から続き、現在までのべ4万5000台ほどのライダーの撮影をしている。オロロンラインを走るなら、ぜひとも吉里吉里のアルバムの1ページに自分の名前を刻んでほしい。
そこから約100kmほど走ると、オロロンラインのハイライト、「サロベツ原野」に差し掛かる。海の向こうには利尻島が見え、まっすぐな道がどこまでも続く。海の青とまっすぐな道、ただただ広い原野の緑のコントラストの素晴らしさに、僕はしばらくバイクを停めて眺める。北海道は、走るのも停まるのも自由なのだ。クルマも人も家も少ない、信号もない。そこにあるのは、自由なバイクという乗り物と広大な北海道の大地と、自分だけ。
“道が空に溶けていく”なんて表現を聞いたことがあるけど、まさにその通りだった。遠くの方で道と空の境界線が曖昧になっていき、最後は混ざり合う。想像以上のスケールに圧倒されていると、気が付けば日が傾き始めていた。最北端まで約100km。今日は稚内市内で今日の疲れを癒すことにした。
走った道
サロベツ原野
豊富町と幌延町の海岸線沿いに広がる湿原。地平線に向かったひたすら進む「ザ・北海道」な道が約65kmに渡って続く。この道道106号は「日本海オロロンライン」とも
区間距離:65km
通行料金:なし
冬季閉鎖:なし
問:稚内観光協会
TEL0162-24-1216
https://www.north-hokkaido.com
店情報
吉里吉里
羽幌町、国道232号沿いにあるライダーハウス兼カフェ。夏のシーズンになると多くのバイク、自転車で旅する人で賑わう。宿泊料金は2食付き5970円~
北海道苫前郡羽幌町栄町106-4
TEL0164-62-3480
営業時間:11:30~15:00、17:00~21:00
定休日:水曜、第3木曜
スポット
オトンルイ風力発電所
道道106号沿いにある風力発電所。高さ99mを誇る強大な風車が28基、3.1kmにわたって一直線に整然と並ぶ。ここから稚内まで、家も信号もないので、ガソリン残量に注意
北海道天塩郡幌延町字浜里32-4
問:稚内観光協会
TEL0162-24-1216
https://www.north-hokkaido.com/
北緯45度通過点モニュメント
オトンルイ風力発電より少し北、海側にあるモニュメント。せっかく来たからには、思いおもいのポーズで記念撮影をしよう。うっかりしていると見逃す可能性もあるので注意が必要
北海道幌延町字浜里
問:稚内観光協会
TEL0162-24-1216
https://www.north-hokkaido.com/
今回のツーリングに使用したバイクはコレ!
KAWASAKI
VERSYS-X 250 ABS TOURER
Specifications
価格:68万3640円
エンジン:水冷4st.並列2 気筒248cc
最高出力:33ps/11500rpm
最大トルク:2.1kg-m/10000rpm
全長×全高×全幅:2170mm×1390mm×940mm
ホイールベース:1450mm
シート高:815mm
車重:183kg
燃料タンク容量:17リットル
タイヤサイズ:F= 100/90-19 R= 130/80-17