80年代のバイクブームの頃、本当にたくさんのライダーたちが夏の北海道を目指し、そんなライダーはミツバチ族と呼ばれていました。名前の由来は、「ブーン、ブーン」という音とともに現れるからでした。
北海道を長期間ツーリングするために、会社を辞めて北海道に渡り、あまりの楽しさにそのまま漁師などのアルバイトをしながら北海道中を走り回ってきたなんていう猛者も何人も知っています。現在、BikeJINの編集/ライターをやっているOさんも、長期北海道ツーリングを終えて東京に戻ってきて、社会復帰するときに当時ボクが編集長をやっていたバイク雑誌の編集部の門をたたいたという経歴の持ち主です(笑)。
そんなミツバチ族も90年代の終盤にはすっかり少なくなりましたが、北海道が「ライダーの聖地」であることに変わりはなく、いろいろなイベントで出会う読者の方から「北海道に行ってきました」とか、「今年の夏は北海道ツーリングに行く予定です」とお聞きすることもしばしばで、やはり北海道は永遠にライダーの聖地なんだという認識をしていました。ただ、その理由を突き詰めて考えたことはあまりありませんでした。
ボク自身も、北海道を何度もツーリングしたことがありますが、やはりほかの土地とはなにか違う、北海道ならではの楽しさが確実にあると感じていました。
日本には自然豊かで美しい土地、走りごたえのある道などはほかにもイーッパイありますが、どことも違うライダーをひきつけて止まない魅力が北海道にはあるんですよね。
延々と足を着かずに、自分の意志で走り続けられる。こんな場所は、北海道しかありません!
じゃあそれはなにか。その答えを見つけたのはわりと最近のこと。そう、2014年に北海道でBikeJIN祭りを開催することを思い立ち、北海道にどっぷり浸かる日々が訪れたときでした。
なぜ北海道が「ライダーの聖地」と呼ばれるのか。それはおそらく、単純ですが、信号のない道が延々と続くからだと思いつきました。
そんなことよりも、景色が美しく、食べ物もおいしく、地元の人たちもとても温かいから、と主張する方もたくさんいらっしゃると思いますが、落ち着いて考えればそんなところはほかにいくらでもあるんです。でも、飽きるくらい走り続けても信号が現れず、停車するのは停まりたいという自分の意志以外に理由がないなんて、日本広しといえども北海道だけのように思います。
ご存知だと思いますが、バイクはスタートと停車時がもっともリスクの高い瞬間です。とくに停車時は、足を着いてバイクを安定させないといけませんから、もっとも立ちゴケする危険の高いときです。足を着いたところに砂利があって足が滑った、思いのほか道路の傾斜がきつくてヨロッとした、スピードを落としすぎてエンストしてしまった……。みなさんも一度くらいそんな経験あるでしょう? 特に、信号が直前で赤になって停まらなければいけないとなると、アクシデントに遭うリスクは高まります。
信号が極端に少なく、停車するのは自分が停まりたいときだけ。そんな道が多数存在する北海道は、ライダーが心から安心して自由に走れる場所なのです。
そんな道はほかにもあるよ、そうおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、ボクは北海道はどことも比較にならないくらい、足を着かずに延々と走り続けられる道がある土地だと感じています。だからこそ、ライダーは無意識に北海道を心から楽しいところだと思うんだろうと。
かみふらのから富良野岳に向かって約5㎞の直線道路が続く「パノラマロード江花」。こういう道が走りたくて北海道に行く人もたくさんいます
利尻富士を左手に見ながら、北海道北部の豊富町と幌延町の海岸線沿いに広がる湿原沿いの道。荒涼とした景色はいかにも北海道だ
2014年9月に初開催したBikeJIN祭り@北海道・白老。北海道出身のボクも、行けば行くほど改めて北海道の素晴らしさを痛感したものです
BikeJIN8月号で予習して、今年の夏はぜひ北海道を走りましょう! 9月2日にはBikeJIN祭り@北海道・白老もありますよ!
ということで、まだ走ったことのない人はぜひ、常連さんは今年の夏も北海道を走りましょう。ただいま発売中のBikeJIN8月号では、そんな北海道の魅力を150個も掲載しています! ぜひこの本を読んで予習をして、夏休みでもいいし、9月2日のBikeJIN祭り@北海道・白老に合わせてなんていうのもアリですから、今年の夏は北海道でバイクを、ツーリングを楽しみましょう!
ただいま絶賛発売中の培倶人8月号は、北海道の魅力を150項目で徹底解説。北海道に走りに行きたくなりますよ!