エンジンをモーターがサポートする、これはバイクに合っているかも!
しかし、試乗会当日、開発責任者の方に話を聞くうちに、ガソリンエンジンのパワーをモーターがサポートするというのは、とてもバイクに合ったものかもしれないと思い始めました。日本のように、運転できるバイクが免許証の種類で細かく分けられていたり、250cc以上は車検があったりと、排気量での区分がきっちりしているところでは、このモーターによるサポートというのが非常に効果的な手段になりそうだからです。
たとえば、大型バイクに乗っていた方がダウンサイジングして250や400ccのロードスポーツに乗り換えたとして、モーターのサポートで大型バイク並みの加速力があれば動力性能に不満を持つことがないかもしれません。また、普通二輪免許を持っていて、経済的に軽二輪がいいと思う方も、ハイブリッドシステムのおかげで400cc並みの加速感が味わえれば満足が行くはずです。
いまクルマの世界では、エンジンの排気量を小さくしてターボチャージャーで出力を向上するという手法が一般的になっていますが、さすがにバイクにターボチャージャーなどの過給機は大げさすぎだし、スペースの制約も出てきます。第一、価格の問題もありますよね。
今回のPCX HYBRIDのスタンダード車との価格差は約9万円。専用装備としてABSも装着されていますから、ABSが仮に4万円とするとバッテリー+モーターの価格は約5万円。この価格でひとクラス上の走りが手に入るなら、十分リーズナブルと思う人も多いのではと思います。
ロードスポーツモデルに搭載するには、もう少しバッテリーがコンパクトになることが前提かもしれませんし、バッテリー容量ももっと必要かもしれません。しかし、クルマの電動化のキモになるバッテリーは日々進化していますから、ロードスポーツモデルに搭載可能な大きさのバッテリーが実現する日もそう遠くはないと思われます。
バイクとHYBRID。意外でしたが、とても相性の良いものに思えてきました。