1. HOME
  2. ニューモデル
  3. 【MUTT MOTORCYCLES・DRK-01 250】レトロなデザインと水冷エンジンが光る250ccモデル[U400で行こう!]

【MUTT MOTORCYCLES・DRK-01 250】レトロなデザインと水冷エンジンが光る250ccモデル[U400で行こう!]

400クラス以下のバイクは身近な存在になってくれる
車格、性能のどれをとっても日本の環境に合っている
無理をせずに長く付き合えるのがUnder400の魅力だ
英国発のクラシックトラッカーを試乗してみた

問:MUTT MOTORCYCLES JAPAN 
https://www.muttmotorcycles.jp/

クラシックスタイルの中に現代的な走りの要素を注入

英国バーミンガムに拠点を置くマットモーターサイクルズは、125㏄、250㏄クラスを中心に価格、車格ともに身近に感じられるカスタムバイクを創出。クールで取り回しがラクでレトロなストリートバイクを生産している。英国発祥のカスタムビルダーだけに、生産されるバイクのデザインは60〜70年代のクラシカルなモデルをモチーフにしているのが特色だ。そのため、基本的にエンジンに動力性能よりも外観を重視して、空冷シングルを採用してきた。しかし最新のDRK‐01は水冷シングルエンジンを搭載している。今回は250㏄モデルで、主に市街地から郊外を走行してみたのだが、空冷モデルとはひと味違った走行性を見せた。

ダートトラックレーサーをイメージさせるDRK‐01のデザインだが、全体的にはシンプルなフォルムとしている。普遍的なスタイリングのためユーザーの年齢や性別を問わず、流行に左右されないのが大きな魅力だ。

マットモーターサイクルズの空冷モデルには何度か乗っているのだが、DRK‐01の水冷シングルは、スロットルレスポンスが俊敏でトルクも太い。6速ミッションが与えられているのだが、全体にギヤ比が低めに設定されていることもあり、瞬発力、加速性能ともに強力だ。実際に市街地ではかなりスピーディに走ることができ、機動性は高いと感じた。反面、ツキがいいエンジンはゴー&ストップが頻繁な都市部の走行では、車体のピッチングによるストレスもある。

足元は極太のブロックタイヤで固めていて、見るからに安定性が高そうなイメージだ。実際、直進、コーナーともに高い安定性を発揮してくれ、オンロードでのグリップ性能にも不足は感じない。ハンドリングも基本的には素直で、操作に際して重さを感じることもない。コーナーへのアプローチではやや粘りを感じるし、切り返し操作にキレがあるタイプではない。だがストリートバイクであることを考えれば、だれもが不安なく扱える走行性を実現している。

パワフルな水冷シングルエンジンや、倒立フロントフォーク、チューブレスタイヤ、ラジアルマウントキャリパーなど、現代のロードスポーツバイクと変わらぬ装備が与えられたDRK‐01はクラシックフォルムをまとった現代感覚あふれるバイクだった。

Specifictions

DATA

MUTT MOTORCYCLES DRK-01 250
価格 : 84万9200円
エンジン : 水冷4st.単気筒249cc
最高出力 : 26hp/9500rpm 
車重 : 166kg
シート高 : 795mm 
燃料タンク容量 : 16L
タイヤサイズ : F=120/90-18、R=120/90-18
カラー : Black & Gold

往年のトラッカースタイルを基本としたシンプルなデザインのボディは、時流にとらわれない良さがある。足周りを見ると、前後18インチの極太ブロックタイヤが安定感を高めていて、鋸歯のような形状のリムが独特の存在感を放っている
スタイリングにマッチしたオーソドックスな丸型ヘッドライトには、最新モデルらしくLEDを採用。テールランプ、ウインカーランプに関してもLEDを採用し、被視認性と耐久性を高めている
CNC加工のレバーアジャスターは、見た目が良く、実際に使いやすい。丸型の単眼メーターも新型となり、液晶ディスプレイは明るく見やすくなった。またニュートラルランプも新設 フロントサスペンションにはインナーチューブ径φ37 ㎜の倒立フォークを装備。リアサスに関しては別体式リザーバータンクを持つツインショックとしている。さらにフロントブレーキにはラジアルマウントの4ピストンキャリパー装備のディスクブレーキが採用されている
スリムでニーグリップ性の良いタンクは容量16L。エアプレーンタイプのタンクキャップが採用されている。ダブルシートは独自のデザインが施され、滑り止め加工された表皮が特徴的
マットモーターサイクルズ唯一の水冷DOHCシングル250㏄エンジンは、出力、トルクともに現代的な動力性能を実現。低中回転特性を重視した結果、日常域で力強く頼もしい走りを見せてくれる。6速ミッションを採用したのも同社初だ

街乗りでは?

低速で力強いエンジンが素早い加速性を発揮
ダートラ風のデザインだが、基本的にはストリートバイクとして生産されている。都市部の道はDRK-01にとってメインフィールドなのだ。そんな市街地走行で良さを発揮するのがパワフルになった水冷エンジンだ。ギア比が低めということもあって発進加速が良く、機敏に走れる。一方、取り回しはやや重く、足着きもイマイチだと思った。

ワインディングは?

想像するより軽快安定性の高さも特徴
低中速トルクのあるエンジンはワインディングでも生きてくる。スロットル操作に瞬時に反応してくれ、しかも力強く加速するのだから山道の上りも楽しい。装着するタイヤは極太のブロックタイヤだが、グリップに不足はなかった。むしろバンク中でも安定性が高いことに安心感を覚える。キレはないが、素直なハンドリングで、意外なほど楽しく走れる。

高速道路では?

ギア比が低いのでエンジン回転は高め
100㎞/h巡航はもちろん可能で、本線合流に際しての加速性能も十分。しかしながらギア比が低めなので6速トップギアでの走行でもエンジン回転がやや高い。長時間走行するとなると疲労しやすいかもしれない。操縦安定性に関してはまったく問題ないので、高速ツーリングが多いユーザーなら、ファイナルギアを変更するのもひとつの方法かもしれない。

【総評】クラシックな雰囲気が都市の風景に映える

現代的なエンジン&足周りとなっても、全身から醸し出す雰囲気はクラシックカスタム。そんな独特の世界観に共感するユーザーには魅力あるバイクだと思う。走行性能に関しても、250㏄シングルのバイクとしては納得できるパフォーマンスを発揮してくれる。マットモーターサイクルズのモデルは全体的にサスペンションが硬く、快適とはいえない乗り心地なのだが、このDRK-01はその点がやや改善されている。とはいえ手を加える必要はあるように思った。基本的にはシンプルな構成なので、長く乗り続けたい人にも最適な1台だ。

関連記事