取材協力/ BMWカスタマー・インタラクション・センター
恐るべき進化コイツは死角なし!
ボクの愛車であるBMWのF700GSも、そろそろ乗り出して2年が経つ。コイツのおかげでボクはオフロードの魅力に憑りつかれ、新たな世界を体験することができた。林道ツーリングには何度も行ったし、キャンプツーリングも楽しんだ。走行距離はもう3万㎞を超えている。
F700GSの1番の魅力は、その手軽さだと思う。R1200GSよりもひと回り小さく、取り回しも軽い。オフ寄りのタイヤを履かせれば、林道ツーリングも十分楽しめる。そして、それなりのパワーがあるから、ロングツーリングもこなしてくれる。ただ、ボクの場合はロングでの使用機会が多く、少々の力不足を感じていたのも事実である。また、どうしてもR1200GSと比較されてしまうもので、電子制御、デザイン的な迫力ももう少し欲しい……というのも正直な感想だ。
そんなところに、F750GSの登場である。最大のトピックは、新型エンジンだろう。360度クランクの等間隔爆発から270度クランクの不等間隔爆発に変更。フィーリングはVツインに近いものとなる。で、これは一体いかがなものなのか、と思っていたのだが、ボクの結論は超アリです。700のときはモワーっとした牧歌的な乗り味で、これが味わいだった。新型はスペック上パワーも上がったが、それ以上に力強さが感じ取れる。ドコドコしたVツインの鼓動感によりキャラクターがもっと明確になり、エンジンの存在感が強くなった印象。とにかく、キビキビ走る。
さらに、エンジンモードが搭載され、オートシフターも装備。オプションではTFTメーターが用意されている。試乗車にはこのメーターが装備されていたが、とにかくいい。高級感も加わり、いい意味でも悪い意味でもFって素のバイクって思っていたが、グレードがアップした感じ。顔のデザインも少々変わって、より精悍になったというか迫力が増したように思う。
もちろん、Fならではの親しみやすさは健在だ。それでいて、ボクがF700GSで気になっていたところをすべてブラッシュアップしてきたこの新型。これまではR1200GSの弟分として位置しているだけに、GSのエントリーモデル的な見られ方をすることもあった。しかし、この新型こそR1200GS(あるいは1250)のライバルなのではないかと思っている。他メーカーのアドベンチャーモデルもたくさんあるが、「打倒、R1200&1250GS」の筆頭候補はコイツなのではないだろうか。というのもFかRかで、いま大いに悩んでいる最中だからである。
中村のここがオススメ!
- エンジンのフィーリング&力強さ
- 快適装備が格段にアップ
- 700時代よりハッタリが効く
オプションで装備できるTFTメーター。フルカラーで情報が整理され、とにかく見やすい。ジョグダイヤルとの相性もいい
フレームも完全新設計。従来型は鋼管トラスフレームだが、新型は鋼鈑の中空材を使用。エンジンを吊り下げるブリッジ構造で、オフ走行時の大きな衝撃に耐える剛性としなやかさを両立
700時代はロータックス社との共同開発だったが、750はBMW独自で開発。360度クランクから270度クランクに変更。従来比+2㎰だが、Vツインのような鼓動感を獲得
700時代の燃料タンクはシート下に配置されていたが、750ではエンジン上に移動。給油口の位置も後方から一般的な位置に変更された。これはハンドリング向上を狙ったもの
DATA
BMW F750GS
価格:129 万6000円~
エンジン:水冷4st.並列2 気筒853 ㏄
最高出力:77 ㎰ /7500rpm
最大出力:8.4㎏ -m/6000rpm
全長:2255 ㎜
全高:1255 ㎜
全幅:922 ㎜
シート高:770-815 ㎜
車重:224㎏
燃料タンク容量:15ℓ
タイヤサイズ:F=110/80 R19、R=150/70 R17
担当
編集長・中村