ヤマキが辿りついた上達への第一歩は“考えない”こと!
今回、コーナリングでひと皮むけるためのレクチャーを受けて分かったことがある。それはコーナーでは〝なにも考えないこと〞だ。
正確に言うと〝コーナーに入るまでにすべてを準備しておくこと〞。今までの僕は、〝フォームとスピードが両立できない〞という悩みを抱えていたわけであるが、それは、いろいろ考えすぎるあまり、コーナリングの姿勢をとるのが間に合わないことになっていたのだ。〝コーナリングの姿勢はコーナーで組み立てるモノ〞、という先入観の元、〝次はハンドルを……〞、〝その次は腰をずらして……〞、〝最後にステップに荷重して……〞みたいな感じで順序だてて、コーナリング直前(バイクを傾ける直前)で姿勢を作っていた。コレが非常に良くなかった。バイクは常に進んでいるわけだから、直前にアレコレ体勢を組み立てても間に合うわけがない。
そうならないためには、自分の走りを予測してコーナーに入っていくことが第一。そうやってフォームを作ってコーナーに入っていけば、車体をバンクさせている間はなにも考えなくてよくなるからである。
今回教わったライン取り、曲がるきっかけ、ブレーキングのポイント、適切なギヤ(回転数)、円滑なスロットル操作は以前やっていたことよりかなり単純だ。予め頭に入れておいても走行に支障はないので、コーナリング中に自然に身体が動くようにクセづけておきたい。僕の場合、数回やっただけで身に付くほど器用ではないので、そのためにはひたすら反復練習するしかない。
レクチャーを受けたあとに走ってみたが、頭の中では分かっているものの、身体はまだまだついていかない。今後もワインディングを走る際に今回教わったことを意識しながら慣れていきたいと思う。
ところで僕の〝ソフトなハングオフで走りたい!〞という目標を見て(36・37ページ参照)、〝この時代にハングオフなんて……昭和じゃあるまいし……〞、そう思われた読者もいることだろう。しかし、もしアナタが〝ワインディングを今よりもっと上手く走りたい〞と思っているのなら、漫然と走っているより、理想の走り方を追求したほうがライディングテクニック向上には効果的だと思う。実際に僕は〝こういう風に走りたい!〞と目標を定めてから、上達速度が格段に上がったように感じる。
僕は、カッコイイと思う走り方がたまたまハングオフだったが、憧れのプロライダーでもいいし、知り合いのライダーでもいい。なにかしらの目標を定めて、自分がカッコイイと思う走り方を目指して練習するのがコーナリング上達への近道だ。
もし、読者の中で現状のライディングからひと皮むけたいと考えているライダーがいたら、今回の特集をじっくり読んだ後、ぜひ次の週末にワインディングに出かけてみてほしい。