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冬のツーリングを安全快適に! レインモードを使いこなす電子制御活用術

冬の道路はタイヤに厳しい環境が続く。路面が冷えてるし、凍結の恐れもある
タイヤが温まりにくいので、ゴムが固い間は性能を発揮似にくくてグリップが弱い
そんな時はバイクのキャラクターを穏やかにして、姿勢も制御するレインモードに限る

寒い冬は事故が多い!?レインモードがオススメ

冬のツーリングは風景が美しく食べ物もおいしいなど、魅力がたくさん詰まっている。

しかしながら気温の低さから生じる注意ポイントがある。日の出が遅く日照時間も短いため、路面温度が上がらず、タイヤの温度も上がらない。タイヤが冷えたままだとグリップ力も上がらない。

そんな時にライダーを強力にアシストしてくれるのが電子制御のレインモードだ。あなたの愛車に「パワーモード切り替え」の機能があるなら使わない手はない。モードは前後タイヤの回転数のズレやバイクの姿勢を検知して、出力の出方、トラクションコントロール、スライドコントロール、リフトコントロールの設定をくみあわせて、バイクのキャラクターを決定する。詳細はメーカーごとに異なるが、スポーツ、ストリート、レインの3つがあらかじめ設定されている。

レインモードはすべての制御がしっかり効いて、最も穏やかな乗り味になっている。同じようにスロットルを開けても、パワーが出過ぎない、タイヤが滑り始めたらすぐに出力を抑えるといった具合だ。こうした設定は雨天ではなくても、路面温度が上がりにくい冬季にも非常に有効だ。

また、冬季閉鎖されなくても峠道の陽が当たらない斜面や、木などの陰では急に路面温度が下がったり、場合によっては濡れていたりすることもある。また、カーブを抜けたら工事で未舗装だったなどということだってある。このような場合でもレインモードに設定してあれば、タイヤが滑りやすい場面でライダーを助けてくれる可能性がある。

電子制御は万能ではないので過信は禁物だが、どんなに上手なベテランライダーでも、トラクションコントロールやABSに助けられたという体験談は枚挙にいとまがない。付いているものは目いっぱい活用したい。

ビッグバイクだと100馬力を優に超える高出力エンジンのバイクが増えている。安全のためにも電子制御を使いこなしてほしい。

6軸「IMU」が走行中の車両の「前後」「左右」「上下」の加速度と、「ピッチ」「ロール」「ヨー」の角速度を検出

こんな時にもレインモードがライダーをサポートしてくれる

低い外気温
気温が10度を下回るようなときは、路面もタイヤも温度が上がらないので、タイヤが本来持つグリップを発揮しにくい状況

路面凍結
雨が上がっていても路面が濡れていたり、朝露や雪解け水などによって濡れていたりする場合も路面は滑りやすくなっている

荒れた路面
路肩に濡れた泥や木の葉が堆積していたり、舗装路の表面が荒れて剝がれたり、小石や砂が浮いているとタイヤがグリップを失って滑りやすい

ダートの出現
山間部では未舗装路や、古い舗装路の上を厚く土が覆っているような道に出くわすことがある。これも滑りやすい危険な路面だ

レインモードの仕組み

バイクの電子制御はエンジン回りと車体周りの2つの系統がある。インジェクション、ABS、トラクションコントロールなどを、IMUと呼ばれるセンサーでバイクの姿勢や前後輪などのズレなどを検知して、総合的にマネジメントしているのが「モード」である。レインモードは電子制御各項目の介入度が高く、もっともマイルドな出力特性に加え、タイヤのスライドを敏感に押さえてくれるので、雨天時などの路面状況が悪いときに適している

電子制御の各モードは4つの要素の組み合わせで構成されている
数値が大きいほど介入度が高くマイルドな乗り味になる

ウイリーコントロール

フロントを浮かせない
発進時や加速時に前輪が路面から浮き上がるのを抑制する

スライドコントロール

スライドしにくくする
後輪のスライドを検知しエンジン出力を調整してスライドを抑制する

トラクションコントロール

トラコンを効かせる
前・後輪の速度差を検知し後輪から効率的に駆動力を引き出す

パワーコントロール

レスポンスを和らげる
スロットルレスポンスや最高出力を抑えるなど出力特性を調整する

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