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【カッコよく走りたい!】ワインディングを上手に走るための補完計画⑤コーナーでの正しいスロットル操作は?

Q.スロットル開閉のタイミングが分からない!

パーシャルの意識で走りが変わるかも!?

ヤマキ:ワインディングでの走行に適した回転数のことは、なんとなく理解できたのですが、そもそもいつスロットルを開ければいいのかも不明なんですよねえ……。

タミヤ:そんなもの、加速したいときに決まっているだろ!

ヤマキ:いや、そういうことではなくて。例えば、上手なライダーたちが「パーシャルで……」なんて話しているのをよく聞くのですが、使い方がよく分からないんです。

タミヤ:ああ、そういうことね。つまりヤマキは、コーナリング中のスロットル操作を知りたいわけだ。

ヤマキ:そうなんです!

タミヤ:まず前提として、パーシャルというのは、スロットル開度をほぼ維持して、そのときの車速が上下せず安定した状態を保つことだというところは?

ヤマキ:てっきり、半分くらい開けた状態かと……。

タミヤ:まあいいや。で、車速を保つスロットル開度というのは、速度域や道路勾配やギヤポジションなどにより変わる。

ヤマキ:同じ速度でも、上りだったら多めにスロットルを開けていないと失速しちゃいますもんね。

タミヤ:そういうこと。そして、このパーシャルというのは、結構無意識にみんな使っている。だからヤマキがワインディングを走っているときも、少なくとも上りでは、気づかずパーシャルを取り入れているはずだけど、そもそもの問題は、そこに気づいていないことだね。

ヤマキ:どうして問題なんですか?

タミヤ:自分のスロットル操作を自分で把握できていないと、改善点も見つけにくいでしょ!

ヤマキ:たしかに、そうですね。じゃあ、自分がやっているか、いないかは別として、どういうタイミングでパーシャルを取り入れるのがいいんですか?

タミヤ:ワインディングの場合、例えば上りあるいは平坦の回り込んだコーナーなら、スロットル全閉で進入してから、立ち上がりで大きく開け始めるまでの間に、意識的なパーシャルの時間を設ける。

ヤマキ:それはなんのためですか?

タミヤ:回り込んだカーブでは、早いタイミングで加速を始めてしまうと、アウトにはらむ。かといって全閉のままでは、上り勾配あるいはエンブレの影響でどんどん減速して、ヤマキが求めるスムーズな走りにつながらない。そこで、スロットルをちょっとだけ開けて車速をキープして、コーナーの出口が見える……つまり「もう加速していいですよ」という瞬間が訪れるのを待つというイメージだね。

ヤマキ:〝待ち〞時間なんですね!

タミヤ:じつはサーキット走行でもこの時間は有効で、その間にドライブチェーンの弛みをなくし、駆動力を少し後輪に伝え、接地感を探るなどしているけど、〝待ち〞はタイムロスでもあるから、その時間はごくわずか。対して公道は、速さを競う場所ではないから、状況に応じてしっかりパーシャル区間を設けていいと思う。

ヤマキ:でも下りの場合、スロットルを閉じていても速度が上がってしまうから、使えないですよね?

タミヤ:それはヤマキが使っているギヤが高すぎるからでしょ。よほどの下り急勾配は別として、気持ち良く走れるくらいの下りなら、1~2速に落とせばエンブレのほうが強くなる。オレの場合、これもコーナーの状況によるけど、全閉だと減速するくらいまでしっかりシフトダウンして、減速分を補うためにほんの少しスロットルを開けたパーシャルを保つような走り方を狙っているよ。

ヤマキ:下りなのに、敢えてスロットルを開けないといけない状況を作るんですか?

タミヤ:ヤマキのように高いギヤで走っていると、勝手に車速が上がってしまうから、調整するためにブレーキを掛けるしかない。でもコーナーでフロントは使えないから、リアで調整するしかない。慣れていないと、ハングオフの右旋回時にリアブレーキペダルを踏むのは難しい。それならスロットルをオンオフするほうがまだ簡単だし、少しでも後輪に駆動力を掛けられたら、下り勾配で不足しがちなリアの接地感をつくれる。もちろん、リアブレーキを引きずることでリアの安心感を生む方法もあるけど、スムーズなスポーツライディングというテーマなら、敢えて下りでもスロットルを開けられる状況をつくるのも悪くない。

ヤマキ:なるほど。しっかりとした考えに基づく操縦方法なんですね!

タミヤ:そりゃそうだよ。スロットル操作やギヤのことだけでなく、ライテク向上は“考える”ことが重要。ライテク理論にはいろいろあるし、走るフィールドとか個々のレベルによっても変わるし、そもそも感覚的な要素も大きいから、誰のどれが正しいとか間違いとか一概に言えない部分もあるけど、いろんな人の意見を聞き、その中で自分の感覚に合う方法を取り入れ、それだけでなくしっかり考えながら自分の技術として取り入れていくことが大切なんだ!

ヤマキ:そうか、ちょっとライテクの記事を読んでマネするだけでは足りなかったんですね。もっと勉強して、考えながら実践します!

進入:いったん閉じる
コーナー:ジワジワ開けてく
立ち上がり:結構開ける
進入:閉じる
コーナー:閉じる
立ち上がり:ジワジワ開ける

スロットル操作は正しいグリップの握り方とフォームから

【 グリップの握り方 】

○外側から包み込むように握る
×手のひら全体でベタっと握る

ハンドルグリップを手のひら全体で握ると、手首を上下できる可動域の範囲を超えるスロットル操作が、不可能ではないが難しくなる。外側から包み込むように小指側の手のひらを主体に握ると、ひねる方向にも手首を動かせるので、より繊細かつ大きな開閉角でスロットルを操作できる。じつはこの差が、ライテク上達にスゴく効く

【 フォーム 】

○腕にゆとりがある
×腕が突っ張っている

肩から直線的に腕を伸ばしてハンドルグリップを握ると、肘や手首や肩が突っ張って余分な力も入りやすくなり、柔軟かつ繊細なハンドル操作がしづらい。それに加えて、グリップを手のひら全体(あるいは親指と人差し指で)で握ることにもつながりやすい。肘を軽く曲げ、ハンドルに手が届かないのであれば前傾姿勢で調整したい

【結論】

下りは低いギヤというワインディングでの常識がスポーティな走りにも効果的

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