【メンテナンス入門ガイド】“タイヤ” 安全走行の要は空気圧と状態確認
タイヤの空気圧が下がるとトラブルにつながることも
現在のラジアルタイヤはしなやかなのにトレッド面(タイヤの接地面)の剛性が高く、表面のゴムの性能だけでなく構造でグリップや衝撃吸収性能を作り出している。タイヤが持つ性能をいかんなく発揮するためには、空気圧を適正値に調整しておくことが重要だ。
タイヤの空気は分子レベルで徐々にゴムを通り抜けてしまうので、1か月もすると変化してしまう。また、温度によっても空気の体積が変化するので、夏場から秋になって気温が下がると空気圧が下がる。したがって通勤などで日々乗っているなら2週間に一度、ツーリングライダーは出かける前に必ずエアチェックすることを習慣にしたい。空気圧はメーカー推奨値を守る。軽快&高燃費を狙うなら+10%、安心感を得たいなら-10%までは許容範囲と考えていい。
ツーリングから帰ってきて洗車をしたら、同時にタイヤをしっかり見てみよう。ツーリングタイヤなら1万5000㎞前後のライフだと思うが、プラス2000㎞もつ人もいれば1万㎞もたない人もいる。異物の食い込みがないか、摩耗しすぎていないか、ゴムの状態はどうかといったところに注目してほしい。
[ 起こりうるトラブル ]
- ハンドリングが重くなる
- 燃費が低下する
- 制動距離が長くなる
タイヤ交換時期の目安
- スリップサインが出た
- ひび割れや裂け傷を発見
- 製造から10年経過した
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低すぎる空気圧
構造的に柔らかいため、空気圧が足りないとサイドウォールがつぶれ、トレッド面も変形してしまい路面を捉えられなくなり、不安定になる。そのまま高速で走り続けるとタイヤが破損する危険がある
適正な空気圧
ラジアルタイヤは構造的に柔らかく、走行時にサイドウォール(側面部分)がたわんでトレッド面が路面に追従するため、乗り心地が良くグリップ力も強い。これは推奨される空気圧が必須条件です
Check1 エアチェック
ポイント
空気は自然に抜けてしまう
適正な空気圧はメーカー推奨値を守る
チェーンケースなどに指定空気圧が記されたラベルがあるので、その数値に合わせる。±10%程度は許容範囲といわれている。キャンプバッグなど大荷物を積載するなら2人乗りの数値に合わせても良い
空気圧調整のタイミングは出かける前の冷間時
空気は自然に少しずつ抜けてしまう。1カ月で0.5kgf程度は抜ける可能性がある。また、気温によって空気の体積が変わるため、夏から急に涼しくなった場合、空気圧が下がっていることも。日々バイクに乗る人は2週間に一度、ツーリングライダーは出かける前日にチェックを行おう。いずれもタイヤが冷えているときにチェックすることが重要だ。走行直後に計測すると熱で内圧が上がっており、数値が高く出てしまうからだ。電動ポンプはエアゲージも兼ねており使い勝手が良い。
Check2 状態チェック
ポイント
注意深く「見る」
溝の深さ
タイヤにはスリップサインと呼ばれる溝の一部が浅くなっている部分がある。ここがトレッドと同じ高さになる前に交換したい。サイドの溝があっても中央部分が平らになるほど摩耗したら、やはり交換タイミングだ
異物の食い込み
釘や長いネジなどが刺さっていないか慎重に確認しよう。チューブレスタイヤでは、釘が刺さってもいきなり空気が抜けることは少なく、徐々に抜けていくことが多い。パンクするとタイヤ内部が破損されるので、交換するのが基本
ヒビ割れ
ヒビ割れはゴムが劣化した証拠だ。溝が残っていても交換が推奨される。使用開始から5年、製造から10年が経過すると性能が落ちるため交換を推奨。製造年月日は4桁で、何週目、何年かが表示されている
Maintenance
タイヤを洗う
泥や油分を含む汚れがひどい場合は、中性洗剤で汚れを落として水で良く洗い流す。4輪用のスプレー式のタイヤワックスはグリップを落としてしまうので、路面に触れるトレッド面には使ってはいけない
タイヤワックス
サイド部分には美観や保護の面でメリットがあるので、ウエスなどに吹き付けてタイヤを拭こう