【メンテナンス入門ガイド】”バッテリー” 電装系のトラブルは突然やってくる
バッテリーもメンテすれば寿命が変わってくる
バッテリーは消耗部品なので、定期的に交換が必要ではある。だが、メンテナンス次第で、寿命が大きく変わってくる部品でもある。
なかなかバイクに乗る機会がなかったりすると頻発するトラブルがバッテリー上がりだ。近年になって設計されたバイクであれば、バッテリーが上がった状態では、まずバイクは動かない。
バッテリー上がりは、蓄積された電力が枯渇している状態。補充電を行えば機能が回復する場合もあるが、一度上がったバッテリーは本来よりパフォーマンスが落ちるし、状態が悪いと新品交換が必要になる。バッテリーは安くはないので、財布への負担も大きい。
そうならないために、必要なメンテナンス。具体的には「長期間乗らない時はバッテリーを外す」、「定期的に充電器で補充電を行う」など。長寿命でバッテリー上がりしにくい、リチウムバッテリーに載せ替えるのも有効な手段。工夫してバッテリーの寿命を延ばそう。
[ 起こりうるトラブル ]
- エンジンがかかりづらい(セルモーターが回りにくい)
- 灯火類が普段よりも暗い
- アイドリングが不安定になる
交換時期の目安
- 5万km前後
- 2~3年
[ リチウムバッテリー・鉛バッテリーの特性 ]
リチウム
- 高電圧/高電流
- 小型で軽量
- 長寿命
- 自然放電の量が少ない
鉛
- 安価
- 温度変化に強い
- 交換時期が把握しやすい
- 再生可能
バッテリーを充電する手順
バッテリーを外す時は⊖→⊕の順番を厳守!
長期間乗らない時やバッテリーを充電する際は車体からバッテリーを外そう。作業自体は難しくないが、絶対に守らなければいけない手順がある。バッテリーから端子を外す時はマイナスからだ。バイクは車体全体を使って、電気を流している回路でもある。プラスから外すと、プラス端子と車体が触れた時にショートする。バイクの電気関連部品を壊すこともあるし、最悪の場合は発火することもあるのだ。バッテリーを車体に装着する時は、逆にプラス側から行う。
自然放電への対策が長持ちの秘訣!
バッテリーは放っておくと放電する。この現象は自然放電や自己放電と呼ばれ、長期間バイクに乗らないとバッテリーに蓄えられた電力が枯渇してしまう。そんな時はバッテリーを外したり、定期的なメンテをして対策しよう
①バッテリーの搭載位置は車種により異なるので、マニュアルなどで確認。アクセスするには、周りの部品を外す必要がある場合もある。下に端子を外す時は必ずマイナス端子からを遵守しよう
②マイナス端子から外せば基本的にショートは起きないが、万が一を防ぐため、外した端子に絶縁テープを巻くなどして、電気が流れないように処理しておくと、より安心できる
③バッテリーのマイナス端子は、大抵絶縁体でカバーされている。指で押さえている部分がそれで、ほとんどが赤い樹脂製。車体装着時には、マイナス端子に必ずこのカバーを被せて、絶縁しよう
④車体から外したバッテリーを充電する際は、充電器の端子を+→-の順に繋ぐ。ちなみにバッテリーを車体から外しただけでは自然放電は防げないので、微弱電流を流し続けて満充電状態を保つトリクル充電器や、満充電状態を保ちつつバッテリーに負荷をかけないフロート充電器の利用がオススメ。一般的な充電器をバッテリーに繋ぎっぱなしにすると過充電となり、破裂や発火の原因にもなるので注意
Knowledge
交換したバッテリーの処分方法
バイクのバッテリーは、一般のゴミで出せない自治体がほとんど。店舗で購入した場合はそちらに持ち込んで処分してもらうのが基本だ。ネット等で購入した場合は、ガソリンスタンドやバイク屋さんで処分してもらえる場合もあるので問い合わせてみよう。自治体に相談するとリサイクル業者を紹介してくれることも。いずれにせよ処分料はかかってしまうと考えておいたほうが良いだろう。
- 販売店に引き取ってもらう
- ガソリンスタンドに聞いてみる
- 住んでいる市区町村に問い合わせる
- 街のバイク屋さんに聞いてみる
- 廃品回収業者に引き取ってもらう
オススメのバッテリーチャージャー
フロート充電器のベストセラーモデル。バッテリーに負荷をかけず最適な充電を行い、満充電状態を維持。バッテリーの状態を自動診断する機能や、性能低下の大きな原因であるサルフェーションの除去機能も装備
ディスプレイで充電状態をリアルタイムで表示する、12V専用のフロート充電式バッテリーチャージャー。充電完了後は自動で充電を停止する過充電防止機能やサルフェーション除去機能も備える。四輪(普通車)にも使用可能