切替式からオート化された電子サスペンション
バイクが電子制御サスペンションを装備したのは、2004年のBMW K1200Sが初。ハンドルのボタン操作によって、乗車人数や積載量に合わせてプリロードを切り替え、走るシーンや好みに合わせたダンピング(減衰力)を設定できた。いわゆるサス・セッティングは、フックレンチやドライバーなどの工具を使いながら「こんな効果を得るにはココのアジャスターを調整して……」という知識が必要だが、工具も知識も必要なくボタン操作で切り替えできるのは画期的だった。
しかし、近年の電子制御サスペンションは格段に進化。ライディングモードの設定を基準に走りのシーンを想定したうえで、IMUやストロークセンサーによって車体の姿勢やサスペンションの伸縮を検知。さらにライダーの操作(スロットルやブレーキによる減速や加速など)の情報も集め、専用コンピュータで解析してリアルタイムでセッティングを変え続ける“セミアクティブ・サスペンション”が主流。ガンガン飛ばしてもユッタリ流しても、つねに最適な乗り味を提供してくれる優れモノだ。
スーパースポーツ系は減衰力を自動調整し、プリロードは手動式が一般的。ツアラーやアドベンチャー系はプリロードも自動か電気切り替えが可能なタイプが多い。