多彩なモデルと独自の信念が幅広い層を魅了
キレのある走りとデザインで知られる、オーストリア生まれのKTM。近年、日本国内のセールスが絶好調だ。17年から20年まで4年連続で過去最高の販売台数を更新しており、16年比で販売台数は約43%も増加。251〜400㏄クラスの国内販売台数においても、国産車を押し退け、上位に390デュークと同アドベンチャー(以下ADV)が食い込んでいる。
20年に関しては、251㏄以上の市場全体が前年比プラス1.4%とほぼ横ばいの状態ながら、KTMジャパンでは9.4%増となる1716台を販売した。コロナ禍による生産停止の影響を受けながら、驚くべき数字だ。
「コロナ禍によって、バイクが社会のインフラとして重要な役割を持ったことが販売の後押しになったと考えています。もちろん、バイクが〝密〞を避けられるレジャーであることも大きい」とKTMジャパンの増岡さんは語る。
その一方でセールスが奮わなかったブランドも多い。なぜKTMは好調だったのだろうか?
「まず第一に、幅広いラインナップがKTMの強みと考えています。排気量は125〜1300㏄、ジャンルもネイキッドからトラベル(ADV)、スポーツツアラー、スーパーモト(モタード)、オフロードモデルまで揃い、20年モデルもスタイルも他のバイクと一線を画すのが独自のポイントです」例えば、世界的にADVモデルが流行しているが、KTMでは、世界一過酷と称されるダカールラリーで18連覇したノウハウを市販車に注入。速さに加え、疲れにくさ、乗りやすさを追求している。また、アンダー400㏄が充実しているのも他の海外ブランドにはない特色だが、小排気量車にも決して手を抜かない。「例えば、125デュークは車体もタイヤサイズも390デュークと一緒。フルカラーTFT液晶メーターも共通です。すべてのモデルがREADYTORACEなバイクとなるよう造り込んであるんです」その成果もあり、購入者の年齢で計40と多種多様なラインナップがあります」
昨年の同社販売ランキングは左頁のとおり。安定した人気の390デュークらに加え、新作の390ADV、刷新した1290スーパーデュークRが入った。
「既存モデルが人気をキープしつつ、新型がセールスに貢献し、全体的な販売台数アップにつながっている」と分析。また、正規ディーラーの拡充や魅力的な販売キャンペーンも後押しになった。
さまざまな要因はあるが、人気を博している最大の理由は、KTMそのものが魅力的だからだ。
「フィロソフィであるREADYTORACEがすべてのモデルの根底にあって揺らがない。走りもスタイルも他のバイクと一線を画すのが独自のポイントです」
例えば、世界的にADVモデルが流行しているが、KTMでは、世界一過酷と称されるダカールラリーで18連覇したノウハウを市販車に注入。速さに加え、疲れにくさ、乗りやすさを追求している。
また、アンダー400㏄が充実しているのも他の海外ブランドにはない特色だが、小排気量車にも決して手を抜かない。
「例えば、125デュークは車体もタイヤサイズも390デュークと一緒。フルカラーTFT液晶メーターも共通です。すべてのモデルがREADY TO RACEなバイクとなるよう造り込んであるんです」
その成果もあり、購入者の年齢層は幅広い。〝海外メーカー〞と言えば、シニア世代が購入しているイメージだが、KTMでは平均年齢で40歳。国内における新車購入者の平均年齢「54・7歳」を考えると、約15歳も若いのだ。
細かく見ると、フルカウルのRCシリーズで最も若い平均34歳、125/250/390デュークは36歳。年齢層が高いミドル〜リッターADV系でも47〜48歳だ。「ツーリングライダーのコア層だけでなく、若い人からも支持をいただいているのが、販売の伸びに貢献しています」
多彩な製品に信念を貫き、幅広いライダーを惹き付けるKTM。今年も250ADVほか注目モデルがデビューする。21年もKTMはイケイケである!