みなさまはじめまして。タモンメグミと申します。BikeJINのグルメツーリング連載「多聞恵美のうまいもん好っきゃモン!」を担当し早10ウン年。いろんなお店いろんな景色を、バイクを通じて感じて味わってきました。この度BikeJIN誌のwebリニューアルに伴い、BikeJIN誌面をまだご覧になったことのない方にもこうしてお話を聞いてもらえる場を頂けたわけで…ならば!
私の旅をもっと知ってもらいたい!旬のうまいもんの素晴らしさを伝えたい!バイクと温泉の相性の良さを知って欲しい!てゆーか「ドヤっ」て自慢したーい!(笑)
というわけで私が今まで味わって来た数々の旅を、やっぱりうまいもんを通してご紹介すべく『多聞恵美のうまいもんオカワリ!!』と題しお届けさせていただきます。
春の訪れとともにやってくる「しらすグルメ」
生しらすや釜揚げしらす。春が近づくと「しらすグルメ」を取り上げるテレビ番組や情報誌がグンと増えますよね。その理由は例年1月から3月のしらす漁禁止期間が解除される時期の為。解禁直後って、うまいもん欲をそそる響きですもんねえ!
という私もこのコラムの母体「BikeJIN誌」の最新号、BikeJIN/培倶人 2017年6月号 Vol.172で静岡県・田子の浦漁港のしらす丼と由比の桜えび丼の記事をご紹介しております。
関東・甲信越エリアの皆様は是非そちらもご覧下さいませ!(←ちゃっかり宣伝。)
実は「しらす」は魚の名前じゃない!
さて前記事(vol.3「淡路島ツーリング!サンセットラインで生サワラ丼!」)では春告げ魚にサワラをご紹介したのですが、この「しらす」も地域によっては春告げ魚かな。
我が地元・兵庫県も水揚げトップの常連で「ちりめんじゃこ(=茹でたものを干したしらす)」は頻繁に食卓に上がる食材でした。
ちなみに「しらす」って聞くとみんな「ああ、あれね」って思い浮かぶと思いますが、実は「しらす」は魚の名前じゃないってこと知ってました?
主にカタクチイワシなどの身体に色素が無く白い稚魚の総称なんですってよ。まあ厳密に言えば白っていうか半透明っていうかですけど。しらす(カタクチイワシetc)、イカナゴ、しろうお、このへん混同しがちですが、全部違う魚なんですね。
いやあ大人になってもツーリングをきっかけに覚えることがたくさんあって、やっぱり旅も食も楽しいです。あ、もちろんバイクも!
伝統と歴史が息吹く醤油発祥の地、紀州・湯浅
そろそろ本題へ。
今回ご紹介する和歌山県・湯浅町の生しらす丼は醤油ベースのダシが決め手!というのも、湯浅町は日本の醤油の発祥の地。「伝統と歴史が息吹く醤油発祥の地 紀州・湯浅」として知る人ぞ知るツウなスポットなのです。
歴史的に名高い熊野古道を有する湯浅町。重要伝統的建物保存地区にも指定されており、重厚感のある街並は実に旅情緒を誘う眺めです。細い格子戸に本瓦葺きの屋根、虫籠窓のアクセントで彩られた漆喰塗りの建物。どの角度を見てもタイムスリップした気分にさせてくれる通りをバイクで進めば、なんだか”鉄馬”に乗ったお侍さん気分にも!?
個人的に印象深かったのは、保存地区に現存する唯一の手造り醤油蔵「角長本店」。すべて手作りという”本醸造”の醤油。特に”生しょうゆ”の美味さには脱帽でした。角長醤油資料館・職人蔵として貴重な資料の一般公開(要予約・問合せ)もして下さっているので湯浅の町を訪れた際には是非立ち寄って欲しいですね。
「かどや食堂」で生しらす丼をいただきます!
そんな醤油の町・湯浅でいただく生しらす丼。今回私がお邪魔したのは「かどや食堂」さんです。
新鮮なプリプリの生しらすは頬張った瞬間にトロッと溶けてゆき、残るのは強い旨味と甘み。湯浅醤油に紀州名物の梅、生姜やハチミツといった食材が秘伝のバランスで配合された特製ダレが爽やかな酸味を与え、尚一層、二層!に、しらすの旨味を更に引き立たせているんです。大葉やゴマ、青ネギに刻み海苔といった薬味も、しらすの甘みをより強調する名わき役に徹しています。
ああ~本当に美味しい丼で、美味しいタレでした。思い出しただけでヨダレが…!
私、無類の柑橘ダレ好きでしてミカンや梅の名産地和歌山は好みのグルメヒット率激高エリアなんですよねえ。(←ポン酢コレクションの話はいつかそのうちに!)
鮮度が命!のとれたて生しらす。
これはしらす漁を行っている地域全てで言えることですが、生しらすの提供はその日の漁獲量次第なんです。場合によってはせっかく旅して来たものの、海のご機嫌次第では生しらす丼にはありつけないなんて場合も。まるで一種の運試し。ですから無事に食べられた際の喜びもひとしおな”一期一会”の丼なんですねえ。
ちなみに、かどや食堂さんは生しらすの提供が無いときでも頂ける「刺身としらす丼の定食」等、他のご当地メニューもありますので、安心してお出かけ下さい。
しらすはご存知の通りアシがハヤい食材の為、生で食すには漁港の町に旅をすることが必須。日本各地にしらすの漁場がありますから是非お近くのしらす漁が行われている港を見つけて下さいね!
今回ご紹介した和歌山県・湯浅町の旅は2016年12月発売の「多聞恵美のうまいもん好っきゃモン!」p.48~51に掲載。
冒頭で触れた静岡県・田子の浦漁港のしらす丼と由比の桜えび丼の旅は「BikeJIN/培倶人 2017年6月号 Vol.172」p.186~189に掲載されています。それぞれの旅の全容はこちらでお楽しみください。
[SHOP DATA]
かどや食堂
住所:和歌山県有田郡湯浅町湯浅1109-1
TEL:0737-62-2667
営業時間:水・日は11:00~14:00(L.O.14:00)、月・火・木~土・祝日は11:00~14:00、17:00~21:00(L.O.20:00)
定休日:月に1回不定休
http://www.yuasa-kadoya.com
多聞恵美のうまいもん好っきゃモン!
ツーリング月刊誌「BikeJIN」において、創刊50号より連載を続けている人気企画「多聞恵美のうまいもん、好っきゃモン!」。ご登場いただくのはもちろん、BikeJINの連載記事で毎月ツーリングをしている多聞恵美さん。バイクに乗れる女性タレントとして、各バイク系イベントのMCとして大活躍中の彼女が、日本全国の美味しいモノをご紹介。このムックでは連載の中から、特に人気を集めた21話を「海の幸」「山の幸」「里山の幸」と料理ジャンルごとに掲載しています。このムックのオリジナルコンテンツとして絶景ロードとして名高い志賀草津道路編も収録しています。