【カフェカタログ】-神奈川県- Felicity café
ライダーが集うお店には
ライダーを惹きつける魅力を持つオーナーがいる
そんなオーナーに会ってきました
オーナー:桐島ローランドさん
1968年、横浜生まれ。 少年時代を日本とアメリカで過ごし、23歳でニューヨーク大学芸術学部写真学科を卒業。フォトグラファーとしてファッション/広告を中心に活躍し、2014年には日本初のフォトグラメトリースタジオを設立。現在は写真のほか、3DCG/XR/AIなどの時流のテックを駆使した広告プロダクションの経営に参画している
チャレンジ好きなフォトグラファーの新たな挑戦
桐島ローランドさんは、フォトグラファーとしての第一歩をニューヨークで踏み出し、活動拠点を東京に移してからはファッション誌や広告の撮影を手がけ、キャリアを積み重ねてきた。活動範囲は写真だけにとどまらず、映像撮影やテレビ番組のナビゲーターもこなす文化人である。
そんな桐島さんが少年時代から続けてきた趣味がバイクだ。16歳で免許を取り、マンハッタンで暮らした大学時代にもバイクを走らせていた。東京に戻ってからしばらく経った頃、母方の出身地の高知を訪ねるときもバイクを走らせ、この旅は結果的に5回に分けた日本一周ツーリングとなった。
「クルマとバイクでは、見える景色が全然違うんですよね。五感を刺激してくるし、景色に溶け込んでいって一体化して無になれる。誰もいない、ひとりだけの世界。それを寂しく感じるときもありますけど、その寂しさがいいときもあるんですよね。だからこそ旅先での出会いも楽しめますし」 バイクで旅する楽しさだけでなく、「もっと速く、うまくなりたい」と思った桐島さんはYZF‐R6でサーキットを走りはじめた。そして練習のためにオフロードも走るようになり、「実践のほうが身につく」とラリーに参戦。最後のアフリカ開催となった07年パリ・ダカールラリーに出場して完走を果たしたのだ。「分からないことに対してそんなに臆病にならなくていいと思えるようになりましたし、自分がチャレンジ好きなんだと自覚できました。毎日が生き残りの中で、野性の本能と向き合えた時間でした」
そんな桐島さんの新たなチャレンジがカフェ経営だ。神奈川・葉山にオープンした『フェリシティカフェ』は、ライフスタイルカフェであり、ライダーズカフェだ。フェリシティ(Felicity)は、幸福や至福という意味の英語で、この場所が『幸福商會』という、トライアンフを中心とした旧車カスタムを手がけるバイクショップだったことに縁がある。
「以前からカフェをやってみたいと思ってはいたのですが、そもそもは、趣味の乗り物を保管するためのガレージを探してました。すると知人が幸福商會の物件が売りに出てると教えてくれて、内見に来てみたら、ここならカフェができるかもしれないと思えたんです。天井が高い空間ってクリエイティブな気持ちになれるんです」
桐島さんがいうとおり、フェリシティカフェの天井は高く、開放感ある空間だ。建屋の梁がむき出しになっている無骨さがあるものの、内装がホワイトで統一されていることもあって、非日常的でありながら落ち着きあるカフェだ。
「もちろん、来てくださったお客様に幸せなひとときを過ごしてもらいたいし、地元の方々に愛される店にしたいですね」
店内にはバイクの展示があるように、フェリシティカフェはライダーズカフェだが、ライフスタイルカフェでもある。どちらか一方に決める必要はないし、互いに共存できる空間デザインに仕上げられている。お洒落なインテリアをはじめ、桐島さんのオリジナルレシピのグルテンフリーワッフルなども女性からの評判がいいそうだ。
「コーヒーにもこだわっています。豆は親友がセレクトしたもので、今流行しているフルーティな香りに、チョコレート系の甘さやコクを楽しめますし、イタリア最高峰のエスプレッソマシンといわれるヴィクトリア・アーデュイノ社のブラックイーグル・マーヴェリックを導入したので、毎日同じ風味でコーヒーを味わえます」
フェリシティカフェは、バイクに乗って一人で出かけるのもいいし、恋人同士、または夫婦水入らずで訪れるのにも最適だ。三浦半島の新たな魅力を味わいに行こう。
Felicity café
神奈川県三浦郡葉山町上山口2432-3
営業時間:
※Instagram「felicity_hayama」にて