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【第6回 】アウトドアMONOローグ「ストーブ」

BikeJIN2022年11月号(Vol.237)掲載

キャンプの煮炊きで重宝するのがストーブだ
ストーブとケトルやクッカーがあれば
いい風の吹く空の下、お気に入りの場所でコーヒーを入れたり
ご飯を作ったりができてバイク遊びの幅が格段に広がる

前回はケトルことヤカンを紹介したが、今回はその続きでストーブである。このふたつがあれば野外での煮炊きを簡単に楽しむことができる。 最初に断っておくが、ストーブと言っても暖房機器のことではない。アウトドア界でのストーブは調理用のコンロ(焜炉、携帯用熱源の意)のことを言い、別名ではバーナーとも言う。

 アウトドア用のもっとも簡易的に使えて着火も火のコントロールも容易なのはガスカートリッジを燃料とするタイプだが、ことバイク乗りにとって最適なストーブは、少しくらい着火手順を必要としたとしても「乗っているバイクと燃料を共有できるもの」と言い切ってしまおう。

 バイクとストーブの燃料共有がなぜいいかというと、それはガス欠防止の意味がある。ストーブの燃料ボトルの中に1Lガソリンが入っていれば日本ならば次のガソリンスタンドまでは行けるであろうからだ。 

ガソリンを使用するストーブはたくさんあるが、その多くはホワイトガソリンを使用する。しかし日本ではその需要がないためにリッターあたり1000円というとんでもない値段になってしまっていて、それもガソリンストーブが一般化しない要因のひとつになっている。ちなみに、ホワイトガソリンをバイクやクルマに使うとどうなるかというと、精製度が高すぎてエンジンが止まる。 ホワイトガソリンを燃料とするストーブが多いと書いたが、レギュラーガソリンやハイオクガソリンを使用できるキャンプストーブもちゃんとある。僕が愛用しているのはSOTOのMUKAストーブで、これはレギュラーガソリンが使用できて、さらにはガス器具並みに扱いが簡単だ。ポンピングと呼ばれるタンク内の加圧作業のみで、初心者がビビるプレヒート作業(少量の燃料を出して着火し、気化部分を温める)が必要ない。現行の大型バイクに使用するハイオクガソリンを使用できるモデルにはMSRのウィスパーライトインターナショナル、同ドラゴンフライ、同XGK、オプティマスのNOVAなどがある。これらはすべてプレヒートを必要とするが、慣れれば別にどうということもない。 

僕の乗っているバイクはオールドスタイルのキャブ車ばかりなので、タンク下にあるコックに接続されているホースを外して燃料を取り出しているが、現行のフューエルインジェクション車はそれができないものが多い。燃料タンクの口から取り出すためには小型のハンドポンプか長いホースを利用する。燃料を取り出そうとしてホースを口で吸いヒドイ目にあった人もいるかもしれない。僕もそのうちのひとりだ。しかし、長めのホースをタンクの奥まで入れて、逆側を押さえた状態で引き出せば吸わなくてもガソリンは出せる。覚えておくといいだろう。

 小型の携行缶も市販されているが、近年はガソリンスタンドでの携行缶への給油はなかなか面倒な状況になっている。セルフのガソリンスタンドでは給油できない。

僕のバイク用ベスト1ストーブであるSOTO / MUKAストーブ。プレヒート不要で扱いが楽なだけでなく、4000kcal/hというハイパワー。残念なのはハイオクガソリンが使用できないということなのだが、僕の乗っているバイクにはハイオクタイプがないので問題ない
MUKAストーブの収納状態。脚を兼ねるゴトクは回転式でコンパクトに収納できる。ホースもフレキシブルで巻きつけやすく、収納性に貢献している
MUKAストーブのメインダイヤル。文字入りで視認性が高く、使い終わった後のタンクのエア抜きも簡単にできる他、ロック機能もきちんとある。僕のは旧タイプだが、現行品は大型化され操作性がさらに高くなっている
取材などでハイオクタイプのバイクに乗るときにはMSRのウィスパーライトインターナショナルを持っていく
ガスストーブでは入手しやすいCB缶(カセットボンベ)を使うのも選択肢としてあるだろう。写真はSOTOのレギュレーターストーブST-310。キャンパーに人気のベストセラーモデルだ

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