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【HONDA・CB650RE-Clutch】ホンダEクラッチ徹底試乗|発進・停止・Uターンの実力をチェック!

「これ、もうクラッチいらないのでは?」と思わず口に出た、ホンダの電子制御クラッチ「Eクラッチ」。発進・停止・Uターンといった低速域での性能から、あえてクラッチレバーを残した理由、そして小排気量車にも適応可能な拡張性まで。その完成度の高さと今後の可能性を、実走を通じて徹底レポートします!

問:本田技研工業 70120-086819
https://www.honda.co.jp/motor/

Eクラッチは小排気量車と相性がいい

この手の電子制御クラッチのキモとなるのは、やはり発進停止時とUターンなどの微速前進するような状況での制御だ。ということで何はともあれ発進してみる。スロットルを開ければ、クラッチレバーを操作していないのにも関わらずスルスルと前に進むEクラッチ。しかも、そのクラッチミートもスムーズかつシームレス。その丁寧さに関しては僕のクラッチ操作よりも遥かに上手な印象。試しに1速から6速までEクラッチで発進してみたが、6速であってもエンストせずにしっかり進むのだから驚いてしまう(多用するとクラッチ焼けや異常摩耗を引き起こすので注意)。これならばクラッチミートが苦手な初心者や、レバー操作が煩わしくなってきたベテランライダーに十分オススメできる。

停止に関しても、止まるか止まらないかのギリギリのところでクラッチレバーを握らなくてもエンストせず、スムーズに停止する。そういう技術なのだから当たり前といえば当たり前なのだが、停止寸前の駆動の切れ具合も自然で、スクーターによくあるCVT機構のような急な駆動切れがないのがいい。

さて、Eクラッチのシステムが徐々に信用できてきたところで、さらにイジメてみよう(笑)。すると苦手なシチュエーションも見えてきた。フルロック状態からのUターンなど、スロットルワークとブレーキ操作を併用するような特殊な条件では、ちょっとばかし不安定さを感じる。

2024年は、各社のAT化元年。従来からのDCTに加え、ヤマハがY-AMTが登場させ、BMWやKTMまでもがMTエンジンをAT化させる技術を発表した。筆者は既にY-AMTにも試乗済みだが、さすがにこの極低速域での微妙なクラッチの制御に関してはY-AMTに軍配が上がるというのが正直な感想だ。

Y-AMTのクラッチ制御は電子制御スロットル付きなので単純な比較をすることはできないが、坂道発進などの特殊な状況ではY-AMTの方がより緻密なコントロールを行っているのだろう、より安心して身を任せられるような雰囲気がある。ただ、Eクラッチの場合、不安に思った瞬間、クラッチレバーを握れば、すぐさま機械式クラッチ仕様に切り替わるようになっているので、とくに不都合も感じない。むしろ、ここまでの完成度ならいっそクラッチレバーを無くしてしまい、完全AT仕様とするという選択肢もあったはずだが、あえてレバーを残しているところが実に素晴らしい采配だと思う。

それに安易に電子制御スロットルを組み込んで制御のレベルの完成度を上げようとしなかったところにも唸らせられる。

技術的には、電子制御スロットルさえ組み込めばY-AMTと同じレベルの緻密な制御が普通に得られるだろう。ただ思うに、ホンダはあえて電子制御スロットルを使わずにこのEクラッチの技術の完成度を上げることに注力したのだ。というのも、電子制御スロットルが組み込まれるような車両は、まだまだハイスペックな大排気量モデルが中心であり、400cc以下の小排気量車で電子制御スロットルを採用するモデルはまだまだ少ない。ホンダで言えばCBR250RRくらいである。このEクラッチなら、電子制御スロットルを持たない小排気量車にも簡単に転用できるというわけだ。実際、大人気のレブル250にもEクラッチ仕様の登場が決定。この3月13日から発売が開始される。おそらく今後、それ以外のモデルにもどんどんEクラッチ仕様車が登場するはずだ。

既に熟成の域にあり、他の追従を許さないDCTは大排気量&高級車向け。その一方、電子制御スロットルを持たない既存の小排気量モデルには、軽くて技術的に転用がしやすいEクラッチ。この2枚看板でAT&電子制御クラッチ合戦の覇権を握るというのが筋書きだろう。流石は〝自動遠心クラッチのスーパーカブで世界を席巻したホンダ〞といったところだ。

スポーツランを行ってもなんの違和感もない。しかも、クラッチレバーを握れば至って普通のMT仕様の操作も可能なところがいい

意外と使える!?Honda RoadSync

最近ホンダのモデルに採用が進んでいるHondaRoadSync(ホンダ ロードシンク)。音楽再生や電話、メッセージ読み上げなどがバイクのスイッチボックスで行えるようになる機能だ。注目すべきはGoogleマップのナビゲーションをターンバイターン方式でメーターに表示させる機能。方向転換場所までの距離と方向が示されるだけの簡易的な表示だが、音声ガイダンス(Bluetoothインカムなどが必要)を合わせて使うと結構使える印象。ただ、スマホのバッテリーの減り具合は、Googleマップのナビの運用と同等レベルで減っていくので常時給電しておく必要がありそうだ

スマートフォンのHonda RoadSyncアプリとバイクをBluetoothで繋ぐと、バイクでアプリを操作して目的地検索や、電話の発着信などが行える

CB650R E-Clutch

エンジン:水冷4st.直列4 気筒648 ㏄
最高出力:95ps/12000rpm
最大トルク:6.4㎏ -m/9500rpm
重量:207㎏(スタンダードは205㎏)
シート高:810 ㎜
燃料タンク容量:15L(レギュラーガソリン)
タイヤサイズ:F=120/70ZR17 / R=180/55ZR17
価格:108万9000円(スタンダードは103万4000円)

他の新世代CBシリーズ(250、125 /1000は生産終了)と同様、ネオクラシックテイストの丸目ヘッドライトを採用。灯火類はナンバー灯に至るまでフルLED
648㏄の直4エンジンは実に素直で扱いやすいオールマイティキャラ。通勤通学などの日常からツーリングまで使いやすく、トラクションコントロールも装備
テーパータイプのバーハンドルを採用しており、リーンウィズはもちろん、リーンアウト、リーンインとライディングポジションの自由度が非常に高い
E-Clutchの操作感覚は、発進してしまえばクイックシフターとほぼ同等。ただ停止中はもちろん、発進時や停止直前にもクラッチレバーを握る必要がない
燃料タンク容量は15L。WMTCモード値による燃費は21.3㎞/Lで、計算上ワンタンクで約320㎞の走行が可能。燃費はE-Clutch の方が0.2㎞/L悪い
2分割式のシートを採用。ライダーシートは前方の跨り部分の角がしっかり面取りされており、車幅が大きくなりやすい直4エンジンモデルにも関わらず足着き性が良い
タンデムシートの下には、車載工具とETC車載器が収まるくらいのスペース。またタンデムシート裏には左右に荷かけフックを引っ掛けるループがある
倒立フォークにラジアルマウントキャリパーと見た目はスポーツ性が高そうだが、乗ってみるとオーソドックスなロードスポーツキャラクターで非常に乗りやすい

テスター : 172㎝ 75㎏
シート高810㎜。直4エンジンのモデルながら着座部はしっかり絞り込まれており、カカトまでしっかり付けられる足着きの良さ。上半身は街乗りからツーリング、スポーツ走行も可能な典型的ネイキッドポジション

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