【Royal Enfield・SHOTGUN650】あらゆる要望を撃ち抜けるレンジの広い散弾銃[深堀りバイク日誌]
先月紹介したBMWのR12もそうだが近年、空冷エンジンのラインナップがじわりじわりと増えてきている狙うところはやはり、水冷化によりハーレーが手放した空冷エンジン市場しかもショットガン650はその名の通り幅広い層にアプローチするべくカスタム市場にも切り込んで行く
問:ロイヤルエンフィールドジャパン TEL03-5651-8020
https://www.royalenfield.co.jp
手が出しやすくなったロイヤルエンフィールド
近年、インドのバイクメーカー・ロイヤルエンフィールドが元気だ。日本では随分昔からブリットシリーズが細々と輸入されていたものの、2020年にピーシーアイが日本国内での輸入総代理店契約を締結して以降は大々的なプロモーションを開始。結果、2024年12月の時点で、ロイヤルエンフィールド専門店や併売店は、北海道から沖縄まで全国44拠点にまで増加している。個人的な話をすれば、筆者の住む地域にもロイヤルエンフィールドの店舗が誕生。今現在、我が家に一番近いバイクショップはロイヤルエンフィールドのディーラーになっている。そんなこともあり、最近はロイヤルエンフィールドをよく見かける。まぁ、近所にディーラーがあるのだから当たり前といえば当たり前かもしれないが、このディーラーとはまったく関係ないような場所でもロイヤルエンフィールドを見かけるようになっているのも確かだ。
これは僕のような昭和の時代からバイクに乗っている世代からするとかなりびっくりなことだ。ロイヤルエンフィールドというメーカーのバイクは、ひと昔前だと非常にマニアック……というか敷居の高い存在だった。初めて僕がロイヤルエンフィールドに乗ったのは今から20年ほど前のこと。当時のブリット350は、キックスタートオンリーなのはもちろん、当時はシフトチェンジとブレーキペダルの配置が左右逆。流石にポイント点火ではなかったが、バイクが停止してしまうとニュートラルに入らなくなってしまうものだからニュートラルファインダーなんて装置も付いていた。それだけにデザインもクラシック……というか〝1955年から50年近く基本設計がほとんど変わってない〞なんて触れ込みだったから、クラシックスタイルというよりはクラシックそのもの。ちなみに1955年はヤマハが初のバイク・YA‐1(通称:赤とんぼ)を発売した年だと言えば、どれだけすごいことかお分かりいただけるだろう。そんなこともあり、〝新車で買える旧車〞なんていわれていたのがロイヤルエンフィールドというバイクだったのだ。
当時、僕は女性向けバイク雑誌の編集長をやっており、よく読者の質問やお悩み相談を受けていたが、「最近バイクの免許を取ったんですが、ロイヤルエンフィールドがカッコよくて乗りたいんですけど……」なんて相談に対し、〝ロイヤルエンフィールドは生半可な気持ちじゃ乗り続けられないよ。よく〝ヤマハのSR400がキックスタートだけで大変〞……なんて話を聞くけど、ロイヤルエンフィールドの大変さはその比じゃないですよ? メンテの知識と技術も必要ですよ?〞と、目に余るような場合には諭したこともあったくらいだ。
閑話休題、話を戻そう。そんなわけでかなり乗り手を選ぶのがロイヤルエンフィールドだったのだが、それがどうだ。ここまで気軽に乗ることができるメーカーに成長するとは……。実際、車両作りに関しても10年前くらいにFIを取り入れたくらいから飛躍的に進化。特にロイヤルエンフィールドジャパンが輸入しているような近年のモデルは3年のメーカー保証も付いており(正規販売店の新車に限る)、もはや国産と変わらないくらい気軽に乗れるようになっている。
さて改めて今回紹介するモデル、ショットガン650を見てみよう。エンジンは、スーパーメテオ650やコンチネンタルGT650などに搭載されるのと同じ270度クランクの648㏄並列2気筒。スタイリングは、ロイヤルエンフィールドらしいクラシカルなイメージを大事にしながらも、クルーザースタイルを取り入れた今までにないタイプ。ミッドコントロールのステップにティアドロップ形状のフューエルタンク、そして18インチとはいえちょっと大きめなフロントホイールデザインは、どことなくハーレーダビッドソンの空冷スポーツスターシリーズのような雰囲気もある。
SHOTGUN650
エンジン:空冷4st.並列2気筒648 ㏄
最高出力:47ps/7250rpm
最大トルク:5.3㎏ -m/5650rpm
重量:240㎏
シート高:795 ㎜
燃料タンク容量:13.8L(ハイオク指定)
タイヤサイズ:F=100/90-18 R=150/70R17
価格:97万4600円~ 101万5300円