【バイクエンタメ入門】二輪レースを観る楽しさを発見! 初心者向け注目ポイントと視聴方法
「レースなんて興味ナシ」というツーリングライダーも多いだろうけど
そんなに深く考えなくていいから、ちょっとだけ待ってちょ~だい
シーズンを追いかけるとか、誰かのファンになるとかじゃなくて
“バイクのエンタメ”と考えると、レースってスゴい面白いんだから!
アプローチを変えるとレースも意外と魅力アリ
二輪レースやバイク競技の話になると、「マニアックでよく分からないし……」なんて言われることも多いんだけど、そもそも「深く知らないから観ない」という発想が間違い。だって、いま大好きなTVドラマや漫画だって、きっかけは「たまたま見る機会があったら、ハマっちゃって……」なんてこともあるでしょ!?
いろいろ覚えるのは好きになってからで大丈夫だし、もっと言えば、二輪レースやバイク競技なんて観客にとっては所詮エンタメなんだから、表面的にさらりと楽しんだってなんら問題ない。モッタイナイのは、せっかく自分が趣味とする分野に、普通ではありえないようなことをやりながら勝負しているスゴい世界があって、しかも現地観戦や映像視聴できる環境にいるのに、闇雲に遠ざけてしまうことだと思うのだ。
というわけでここでは、日本で観ることができるレースや競技の一部を、初めてでも楽しめるような超基本情報や注目ポイントとともに紹介する。動画配信やTV放送には、一部無料で視聴可能なものも……。新たなバイクエンタメ、一緒に楽しんでみない?
FIM MotoGPの日本ラウンド
世界最高峰を決める
ロードレース世界選手権の最高峰がMotoGPクラスで、選手権も「MotoGP」と呼ばれることが多い。年間20戦以上で競われ、日本GPも開催。来季は小椋藍がアプリリア機で最高峰に昇格するので、ぜひ現地で応援したい。ちなみにホルヘ・マルティン(24覇者)、フランチェスコ・バニャイヤ(22、23王者)、マルク・マルケス(6度の王座)が3強。速さを求めてテールカウルに恐竜のような背びれまで生やしたマシンの姿は異様で、これも見どころ!?
かつて圧倒的な強さを誇った日本メーカーは、コロナ禍を境に突如の低迷。来季、ホンダの中上貴晶(写真上)はテストライダーとして開発に取り組む
25年は、35歳のアレイシ・エスパルガロ(写真右)が現役を引退してホンダのテストライダーに。一方で20歳のペドロ・アコスタ(写真左)がKTMファクトリーに加入するなど、世代交代も進む
会場
モビリティ―リゾートもてぎ
栃木県芳賀郡茂木町桧山120-1
TEL0285-64-0001
https://www.mr-motegi.jp/
配信・放送
Hulu、日テレジータス、オンデマンド、日本テレビ、BS日テレ、日テレジータス
SUZUKA 8時間 耐久レース
歴史ある真夏の祭典
世界耐久選手権の1戦として開催され、コロナ禍の2年連続中止を除いて78年から毎年続く。市販車ベースの1000㏄マシンで2 ~ 3名の選手が交替で走り、8時間での周回数を競う。25年の決勝は8/3(日)。観戦にも厳しい猛暑だが、日本のバイク乗りにとっては伝統的奇祭のようなものなので、一度は体験を!!
世界耐久選手権の名門となっているヤマハチーム(写真左)や、24年のシリーズを制したヨシムラ(同中)、8耐のために結成されるホンダワークスチーム(同右)などが、長い歴史の中で大会を沸かせてきた
会場
鈴鹿サーキット
三重県鈴鹿市稲生町7992
TEL059-378-1111
https://www.suzukacircuit.jp/
配信・放送
J SPORTSオンデマンド、J SPORTS
MFJ全日本 ロードレース選手権
日本最速を決める
日本の頂点となるシリーズで、5クラスがある。最高峰は1000㏄市販車ベースのJSB1000。’24年はヤマハワークスの岡本裕生が王者となった。来季は世界に羽ばたくこの岡本と最後まで王座を争ったのが、同じくヤマハの中須賀克行。25歳の岡本に対して中須賀は43歳と、敗れはしたが“オジさんの星”だ。しかもまだ「新しい乗り方にトライしている」というからスゴすぎ!!
姉妹誌ライダースクラブがサポートする長島哲太は、自身のチーム(TN45)で若手育成にも力を入れつつ、ブリヂストンに後れを取るダンロップのタイヤ開発を目的としてJSB1000に参戦
会場
鈴鹿サーキット(三重県)
モビリティリゾートもてぎ(栃木県)
スポーツランドSUGO(宮城県)
筑波サーキット(茨城県)
オートポリス(大分県)
岡山国際サーキット(岡山県)
※筑波サーキットはJSBの開催なし
MFJ全日本 モトクロス選手権
華麗なるジャンプも!!
横一列に並んだ状態から一斉に1コーナーへ飛び込む大迫力のスタートシーンが、まずはモトクロスの魅力。これだけでも生で観る価値はあるが、それにも増してスゴいのはジャンプだ。「バイクって空中戦もできるんだ……」と、唖然とするかもしれない。全日本は4クラスで、最高峰は国際A級ライダーが主に4スト450㏄マシンで参戦するIA1。土や砂の路面に形成された1周2分弱程度のコースを周回してゴール順を競う、わかりやすいレース形式だ。
IA1に参戦する横山遥希(写真左)は、オーストラリアでもレース活動中。レディースクラスもあり、意外とハイレベルで熱い女の戦いが繰り広げられている(写真右は24女王の川井麻央)
会場
オフロードヴィレッジ(埼玉県)
HSR九州(熊本)
スポーツランドSUGO(宮城県)
新千歳モーターランド
ダート・モトクロスコース(北海道)
名阪スポーツランド(奈良県)
オフロードヴィレッジ(埼玉県)
MFJ全日本 エンデューロ選手権
時々スプリント!!
全日本として実施されているエンデューロはオンタイム形式。コースには数カ所の「テスト」と、それをつなぐ「ルート」があり、テストは1台ずつコースインしてタイムアタックし、その合計タイムで順位を競う。ルールは、規定時間以内に周回できればOKだ。ルールは難しいが、テスト区間は全開走行なので、エンデューロは参加型が基本ではあるが、観るエンタメ要素も意外とあるのだ。
オンタイムエンデューロでは、マシンの整備や修理も、競技中の決められた時間にしかできない。また、基本的にライダー以外は整備に直接手を出すことはできないので、タイヤ交換などの技術も試される
会場
スポーツランドSUGO(宮城県)
テージャスランチ(広島県)
日高町(北海道)
プラザ阪下(大阪府)
FIMトライアル世界選手権の日本ラウンド
驚異の走破力で障害物を越える
バイク競技における“異次元”または“理解不能”の代表格が、数々の障害物をなるべく足を着かずクリアするトライアル。人間の足では歩けないような山の急坂や這い上がれないような90度の壁面を、たいした助走やジャンプ台などのきっかけもなく、バイクで駆け上がってしまう。そんな人間離れしたライダーのトップクラスが集うのが世界選手権。“もてぎ”でも日本GPが開催される。サーカス気分で楽しめるぞ!!
会場
モビリティ―リゾートもてぎ
栃木県芳賀郡茂木町桧山120-1
TEL0285-64-0001
https://www.mr-motegi.jp/
MFJ全日本 トライアル選手権
電動バイクの戦いもし烈に
日本最高峰となるIAスーパークラスには、24年にヤマハが3台の電動トライアルマシンを投入していたのだが、シーズン後半にホンダも電動マシンでスポット参戦。しかもライダーは元世界王者の藤波貴久で、出場した3大会とも勝利した。ヤマハも氏川政哉がシーズン2勝をマークしており、24年は電動が8戦中5勝。新しい時代の到来を感じることもでき、なおかつライダーの妙技も堪能できるのはお得!
会場
大阪市中央公会堂前中之島通り(大阪府)
キョウセイドライバーランド(愛知)
玖珠トライアルヒルズ(大分)
モビリティリゾートもてぎ(栃木)
わっさむサーキット(北海道)
灰塚ダムトライアルパーク(広島)
湯浅トライアルパーク(和歌山)
スポーツランドSUGO(宮城)
MFJ全日本スーパーモト選手権
二輪ドリフト大会!?
舗装区間の「ターマック」と、ジャンプなどもある未舗装の「ダート」をつないだコースを周回して、ゴールの順位を競うのがスーパーモトだ。最大の魅力は、ターマックで繰り出される進入スライド(=ドリフト)。さらに、レースはときにモトクロスのような激しい接近戦となる。全日本最高峰はS1プロクラスで、24年はカワサキへのマシンスイッチ初年度だった小原堅斗が王座に就いた。
過去にS1プロを4度制した日浦大治朗(写真右)は、鈴鹿8耐や全日本ロードJSB1000でも活躍。S1オープンとS2は上位陣の掛け持ちが流行で、24年は佐藤祐季(写真左)が2クラス制覇
会場
スポーツランドSUGO
国際西コース(宮城県)
HSR九州(熊本県)
茂原ツインサーキット(千葉県)
名阪スポーツランド(奈良県)
神戸スポーツサーキット(兵庫県)
美浜サーキット(愛知県)