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【INDIAN MOTORCYCLE/SUPER SCOUT】エンジン性能と走行性能が一体化!インディアン・スーパースカウト試乗レポート

1901年、アメリカ初のバイクメーカーとして設立されたインディアン モーターサイクル
それから100年以上が経った2011年にポラリスインダストリーズにより見事に復活
今回取り上げるスカウトシリーズは1920年から続くアイコニックなブランドであり
シリーズの中では最もアメリカンクルーザーのエッセンスが味わえるモデルになっている

想像を遥かに超えてきた新生スカウトの動力性能

今回紹介するスーパースカウトはクルーザー系のモデル。しかもスクリーンにサドルバッグを備え、足周りはファットなタイヤにワイヤースポークホイール。

〝クルーザースタイルだね。であればクルーザーらしく〝流す〞くらいの走りをメインに誌面構成しようかな……〞なんてことを実車を目にする前は思っていた。

だが走り始めた瞬間に気が変わった。まずこのスーパースカウト、エンジンがものすごく元気なのだ。走行モードは3種類。〝レイン〞はかなり控えめなパワーデリバリーで、ものすごく扱いやすい感じなのだが、〝スタンダード〞、〝スポーツ〞とモードを上げていくと、常用域のトルクがどんどん分厚くなっていく。

度肝を抜かれたのは〝スポーツ〞モードにした時の4000回転からの、もはや〝暴力的〞という言葉を使いたくなる猛烈加速。

街乗り、高速巡航走行時に使う常用回転域は2500回転あたりなので、意識しなければこの暴力的なトルクの発生回転域に入ることはない。だが、ひとたび4000回転以上の領域に入ればキャラクターの変化は顕著。初代VMAX1200のVブーストを思い出すくらいの豹変ぶりだ。

どうやらこのスーパースカウトは、〝直線を流して終わり〞でいいバイクではないらしい。高速道路はもちろん、ワインディングも走ってみなければなるまい。この時点で今回の試乗コースは、西伊豆スカイラインに決まった。

高速道路に上がると、さらにスーパースカウトの運動性能の高さに惚れ惚れさせられる。車体の造りがクルーザーとは思えないほどシャキッとしており、応答性がものすごくいい。

一般的に、クルーザー系のフレームにはしなやかで乗り心地の良いダブルクレードルが採用されることが多い。一方のスカウトシリーズが採用するのはエンジンをフレームメンバーとすることでスポーツ性を高めるダイヤモンドフレーム。この現代的なフレーム様式が怒涛のトルクを受け止めてしっかり踏ん張るからこそ、高速巡航時の走りが軽快。

このスーパースカウトには、クルーズコントロールなんて快適装備も付いているのだが、エンジンの鼓動を感じたくてつい自分でスロットルを開けてしまう……そんなバイクに仕上がっている。

峠道に入ると、さらにスーパースカウトのスポーツ性が際立ってきた。パワフルなエンジン、しっかり踏ん張る車体のおかげで、予想どおり肩からコーナーに飛び込んでいくような攻めのコーナリングがことのほか面白い。

ステップが前にあるフォアードコントロールという特性上、スーパースポーツよろしく腰を落としてバンク角を稼ぐような走りはできないものの、寝かし込みなどで変なマシンの重さを感じないからコーナリングがスパッと決まる。また車体がしっかり路面に踏ん張ってくれるからスロットルも開けやすい。おかげでコーナー脱出では路面を蹴りつける水冷1250㏄のトルクをこれでもかと味わうことができた。

クルーザーらしく流しても十分味わい深い鼓動感が味わえるインディアンの水冷DOHCエンジン。ゆっくり走ってもしっかり気持ち良く走ることができるのが素晴らしい

2024モデルでスカウトシリーズがリニューアル!

スカウト、FTR、クルーザー、バガーという4系統のシリーズを展開するインディアン モーターサイクル。2024年は1920年からその名が受け継がれているスカウトシリーズのフルモデルチェンジが行われ、排気量がそれまでの1133ccから1250ccへと約10%アップ。ベースモデルでは105馬力、101スカウトでは111馬力への出力アップを実現している。また車体も刷新されており、ダイヤモンドフレーム形式はそのままに、メインフレームの素材をアルミからスチールへと変更している。

インディアン モーターサイクルは、空冷1890cc、水冷1768cc、水冷1203cc、水冷1133ccの4つのエンジンを持っており、今回のモデルチェンジで1133ccのミドルクラスのエンジンが完全新設計の水冷60度V型DOHCの1250ccエンジンへとリニューアル。17%ものパワーアップに加え、フラットなトルクカーブを維持しながら12%ものトルクアップを果たしている

カスタムビルダーからの要望に応えるため、より加工がしやすいスチールへとメインフレームの素材を変更。ただダイヤモンドフレーム由来の車体のスポーツ性はしっかり保持している

THE ALL-NEW INDIAN SCOUT

今回リニューアルしたスカウトシリーズには、5機種がラインナップ。モデルによってはベースモデルの「スタンダード」、クルーズコントロールや走行モードが追加される「リミテッド」、さらにスマートキー&4インチタッチスクリーンが追加される「リミテッド+テック」がある。101スカウトとスーパースカウトは、最上位の「リミテッド+テック」ランクのみの発売となる。

SUPER SCOUT
エンジン:水冷4st.60度V 型2気筒1250cc
最高出力:105HP(107PS)/―rpm
最大トルク:11.0kg-m/6300rpm
重量:268㎏
シート高:680 ㎜
燃料タンク容量:13L(ハイオク指定)
タイヤサイズ:F=130/90-16 R=150/80-16
価格:241万円~

101 SCOUT
価格 : 268万円~

同じ1250ccエンジンながら最高出力が111馬力までアップされており、車体も倒立フォークやフロントダブルディスクブレーキなど、よりスポーツ性が高められている

SCOUT BOBBER
価格 : 196万円~

ボブフェンダーやファットタイヤなどボバースタイルのスカウトボバー。スタンダード(196万円~)、リミテッド(211万円~)、リミテッド+テック(218万5000円~)

SPORT SCOUT
価格 : 202万円~

クラブフェアリングやフロント19インチホイールを備える。スタンダード(202万円~)、リミテッド(217万円~)、リミテッド+テック(224万5000円~)

SCOUT CLASSIC
価格 : 201万円~

ディープなクラシックフェンダーやワイヤースポークホイールを装備。スタンダード(201万円~)、リミテッド(216万円~)、リミテッド+テック(228万5000円~)

SUPER SCOUT

今回試乗しているスーパースカウトは、スクリーンにサイドケース、ダブルシートを装備したツーリングモデル。101スカウト同様、リミテッド+テック(241万円~)ランクのみの販売となる

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