【MOTO GUZZI・STELVIO】縦置きVツインの鼓動と操る楽しさが魅力![深堀りバイク日誌]
鼓動感あふれる縦置きVツイン搭載!
操る楽しさが際立つモト・グッツィ・ステルビオ
ピアッジオコール TEL03-3453-3903
https://www.motoguzzi.com/jp_JA/
旅心をくすぐる縦置き90度Vツイン
ステルビオは、万能タイプの19インチホイールのアドベンチャーの中でも、どちらかというと舗装路寄りのキャラクター。未舗装路の走破性に関してはソコソコといったところ。それより特筆すべきは、オンロード性能にせよ、オフロード性能にせよ、とかく機能重視になりがちなアドベンチャーバイクにあって、モト・グッツィはエンジンフィーリングをとても大事に育て上げたというところだ。
決して峠道最速を狙ったバイクではないし、ダートセクションが得意なわけでもないのだが、走らせているだけで縦置きクランクVツインの鼓動感についついニヤけてしまう。
水冷化によってパワーアップはしているものの、クランクマスが重めのモト・グッツィらしい鼓動感はしっかり残っている。
セルスターターを押せば、ブルンッ! と車体を震わせドコドコという低めのサウンドを伴うアイドリングがスタート。軽くブリッピングすれば、クランクマスが重めなのだろう、縦置きクランクエンジン特有のトルクリアクションが車体を僅かに左右に揺らす。この重めのクランクマスのおかげで発進加速の押し出し感が強く、鼓動感も強いというわけだ。
この鼓動感あふれるトルクが下道での常用域はもちろん、高速道路でもしっかり感じられるからたまらない。決して速く走るためのエンジンではないのだが、スロットルを開けた時の鼓動感がシンプルに味わい深く、走らせているだけで楽しくなってくる。
ライディングモード切り替えは5種類で、それぞれ3つパワーモードと、4つのトラクションコントロール介入度、2つのABS介入度が選択可能。オフロードモードでは、ABSの介入がフロントだけになり、リアブレーキロックが可能になる。
ただこの3段階のパワーモードに関しては、それほど劇的なキャラクターの変化はなく、どのモードでもモト・グッツィらしい鼓動感が味わえるようになっている。
また走らせていて面白かったのが、コーナーで寝かし込む際の車体の軽さだ。車重は233㎏と決して軽くはなく、直進時にはしっかり重厚感を味わえる乗り味なのだが、ひとたびコーナーに差し掛かると、直進時の重さが消え、スッと車体がバンクしていく。しかも、軽いバイクにありがちな変な軽々しさはなく、車体は安定しながらロール方向への寝かし込みは軽いという独特のフィーリング。
実はこれこそが縦置き90度Vツインの効用というわけだが、同じ縦置きクランクを採用するBMWの〝路面への張り付き感〞とも違う素直なロール感がとても心地よい。重心が高めの縦置き90度Vツインエンジンならではのフィーリングというわけだが、重く大きな乗り物を自在に操る感覚をしっかり味わわせてくれる。
腹に響くような心地よい鼓動感に、しっかり重厚感がありながらもコーナーで操るのが楽しい車体。機能性に特化したアドベンチャーバイクはたくさんあるが、ここまでエンジンフィーリングと車体を操る楽しさが味わえるマシンは中々ない。アドベンチャーにも強い味わいを求めるライダーはぜひ一度このステルビオをお試しあれ。
STELVIO
エンジン:水冷4st.縦置90°V 型2気筒1042cc
最高出力:115ps/8800rpm
最大トルク:10.7kg-m/6750rpm
重量:233㎏
シート高:830 ㎜
燃料タンク容量:21L(ハイオク指定)
タイヤサイズ:
F=120/70R19
R=170/60R17
価格:242万円