【バイク日和】竹内さくら|レースアナウンサーの夢と昭和カルチャーへの情熱
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鈴鹿8耐を観戦し、その感動を伝えたいとレースアナウンサーを志した竹内さくらさん。彼女の原動力は、バイクレースへの情熱と昭和カルチャーへの深い愛情だった。鈴鹿8耐の舞台裏や、彼女のユニークな趣味について深掘りする。
※BikeJIN vol.265 2025年3月号参照
鈴鹿8耐はすごい自分も携わりたい!
2017年に初めて鈴鹿8耐を観戦に行き、スタートとゴールシーンに、それまでにない感動を覚えたという。
「すごいライダーたちが同時に走るんだ、という驚きと緊張が伝わってきました。スタンド席にも多くのファンがレースを観に来ていて、こんなにバイクが好きな人たちがたくさんいるんだ!ということを知れて嬉しくなったんです」
その時は「鈴鹿8耐はすごい!」と興奮しながら帰宅した。翌年も観戦したが、家に着いてレースシーンを思い出しながら、「この感動を伝えるお手伝いがしたい!」と思うようになった。
「自分も8耐に携わりたい」という気持ちはどんどん強くなり、胸は高鳴るばかり。ついに2020年3月、鈴鹿サーキットに直接アポイントを取り、面接を受けた。
しかし当時は、まだレース実況やアナウンサーとしての経験は少なかった。そこで、「なんでもやります。ファンの皆さんに感動を伝えるお手伝いをさせていただきたいです」と直談判したのだった。
さくらさんの熱意が通じ、「来年の8耐からレポーターとして」という許可が出た。しかしコロナ禍の影響で、鈴鹿8耐は2年連続で中止になってしまった。
ようやく2022年に再開されると、念願の鈴鹿サーキットで、ピットレポーターやメーカーブースのトークショーmcなどを務めることができた。以後、鈴鹿8耐ではピットレポートやイベントmcとして、時間を余すことなく動き回っている。
「自分でもイベントレースに参戦しているため、規模こそ異なりますが、選手の気持ちに少なからず寄り添えるものはあります。選手一人ひとりに、レースに関わるストーリーがあることも把握しています。その選手たちのエピソードを伝えることで、ファンの皆さんによりレースを身近に感じ、楽しんでもらいたい。
そのための実況ができることが、レースアナウンサーの醍醐味だと思っています」
デザイナーとしての表現と、レースアナウンサーとしての言葉の表現。共にその向こうには、楽しんでもらいたい相手がいる。
その相手のために何かを作り出す。だから、どちらも外せない天職だという。その表現力の強い味方は、もしかすると「昭和」時代の「ものづくり」に対する情熱に惹かれている事ではないだろうか。
1980年代、特に1985年ごろは、バイクにしてもパーツにしても、またバイク以外の生活用品でも、各社しのぎを削る激戦が続いていた。バイクは、ニューモデルが次々と発表されていた。
時代が変われば生活様態も変化し、忘れ去られるものがある。でも、いつの時代にもどの世代にも、愛されるものは残っている。いわゆる昭和をどっぷり感じる物品だ。
平成世代は、この昭和に流行ったものに魅力を感じるらしい。さくらさんも、その昭和にはまっている。
「昭和のものからは、当時の開発者たちの熱い意気込みと熱量が伝わってくるんです。当時のバイク誌をオークションで入手すると、『こんなショップがあったんだ』って知ることもできます。歴史からその文化的なことまでわかると、さらにバイクのことが好きになるんです」
昭和グッズに囲まれてのバイクライフ。まるで生まれてくる時代を間違ってしまったかのようで微笑ましい。最新のバイクやパーツなども、それぞれに歴史があって、今この製品が成り立っているんだということが理解できる。そして、その経緯を知ることも楽しいらしい。
昭和を感じながら、自らプライベートでロードレースやサーキット走行会に参加することで、さらにレースアナウンサーとしての引き出しは増え続けている。
さくらさんは、「将来、鈴鹿8時間耐久のレース実況ができるようになりたい!」と、日々アンテナを張り巡らせている。
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普段から、愛車 VFR400R(NC30)のトランポの積み下ろしはすべて自分で行っているため、手際がいい。また日頃のメンテナンスは友達に教わったりしながら、なるべく自分で手掛けるようにしている
昨年の夏、この日は雨予報だったためクルマでのキャンプだった。昭和時代に活躍した扇風機は作りがシンプルで壊れにくく使いやすい。でもやっぱりバイクでキャンプを楽しむのが好きという
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昭和にあった、スケルトン羽根の扇風機を3台も所有している。田舎のおばあちゃん家の食器棚にありそうなグラスもコレクションのひとつで、描かれた柄に新鮮さを感じるという
サイレンサーはオリジナルデザイン
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こだわりまくったVFR400Rのカスタムパーツの中で、一番気にいっているのはサイレンサー。当時のTT-F1マシンに似せるべくカーボンケブラーで自らデザインし、サイレンサーの筒も自分で用意して加工してもらった
さくら七変化でバイクの楽しさ無限大
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バイクライフはロードレースにとどまらない。時間ができるとホンダCRF125Fでオフロードを走ったり、ホンダRTL250Rでトライアルを楽しんだり。着ているウエアは1980 ~ 90年代のものにこだわり、オークションで入手するなどしてさらに楽しみを倍増させている
昭和レトロがまぶしくて集めちゃいました
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