【ハーレー和尚のバイク説法「書初」】バイクで繋がる友情!“古い二輪を愛でる会”で味わう特別な時間
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BikeJIN2025年3月号 Vol.265掲載
新しい年を迎え、目標や抱負を立てる時期。古くから伝わる「書初め」には、言霊の力が宿るとされています。ライダーとしての無事故・無違反を願うなら、今年はヘルメットや愛車にその想いを込めてみませんか?
新年の「はじめ」とは?書初めの歴史をひも解く
明けましておめでとうございます。本瀧寺のシュウケンです。新しい年を迎えて、この筆を執らせていただいております。
年が変わって、三が日に最初に行うことを「◯◯はじめ」「◯◯ぞめ」などとよく言います。例えば、三が日の間の吉日に新しい着物に袖を通す「着衣初め(きそはじめ)」、商いをする「商初(あきないぞめ)」、またお風呂で身体を清める「湯殿初(ゆどのはじめ)」なんて言葉もあります。聞き慣れない言葉も多いとは思いますが、今でも『書初(かきぞめ)』はちょくちょく耳にします。読者のみなさんの中にも、お正月に『書初』を行われた方がいるのではないでしょうか。
この書初ですが、平安時代の「吉書の奏(きっしょのそう)」と言う宮中行事が由来だとされています。吉書の奏とは、改元や政始めなど物事が改まった節目に、天皇に文書を献上することを言います。鎌倉、室町時代には「吉書始(きっしょはじめ)」と言う新年の儀礼行事として定着し、それが江戸時代になって読み書きが広まったこともあり、新年にめでたい詩歌や言葉を書く風習が庶民の間で広まったとされています。一般的には1月2日に毛筆で書をしたためることを言いますが、今ではその年の目標や抱負を書く人が多いみたいです。
以前、言霊のお話をしました。言葉はそれ自体に霊力があり、強い力を持っています。不吉な言葉は凶事へと繋がり、逆に良い言葉は幸福を運ぶとされています。言葉ですらこのような力を持っています。それを文字とすると、さらに強い力を秘めることになると私は思います。神社やお寺に奉納する絵馬もそうですが、人が何かを願う時、祈る時には、必ずその人の想いが込められます。想いをつづられたものには霊力が宿り、強い力を持ちます。それが絵馬であったり、書初だったりするわけです。
一年の抱負に無事故、無違反を立てる人は多いと思います。別に書初をしたり、神社やお寺まで行く必要はありません。ただ、漠然と立てるのではなく、ヘルメットであったり、バイクであったり、何か形あるものにその想いを込めてみてはどうでしょうか。今からでも大丈夫です。その想いが強ければ強いほど、あなたを守ってくれることでしょう。
本年もライダーの皆さんにとって、よい年でありますよう、心からお祈り申し上げます。
合掌