[編集長コラム]バイクライフの危機!?

編集長モリは「自分がバイクに乗らなくなる」未来が見えたという。当たり前に乗っているこの環境がなんと幸せなことか……!
「我々は、人生のどれだけをライダーでいられるのか」について。
「降りることはないですし、今も乗っていますし、愛車は変わらずボンネビルです。が、乗り続けることの『難しさ』『尊さ』について考えさせられる出来事がありました。人生において、あるタイミングが重なって『この仕事をしてなかったら、バイク降りちゃうかもな』とよぎってしまったのです。以下にその状況を述べます。
その①、大前提、今の休日は家族と過ごすことのほうが楽しいので、愛車を動かすのは『チャンスがあれば』程度であること。
その②、この状況下でバッテリーが弱ってたところに電装系の接続を間違えて、バッテリーを完全に上げてしまったこと。
その③、そんな中車検のタイミング。バッテリージャンプで始動して、ディーラーへ。車検は通したものの、バッテリーはそのまま。いろいろキレイになってはいるが、すぐには動かないバイクが家に鎮座することに。
この状況のもと、保険の更新のタイミングが来ました。そこでふとよぎったんです。『次動かす時まで、保険の支払い止めとこうかな……?』
そこで気が付きました。『あぁ、こうやって世のライダーはいったんバイクを降りるんだな』と。結局、保険の更新をしましたが、バイクを降りるまでの行程がありありと想像できてしまい、少し寂しい気持ちになりました。普段からバイクに携わって生きているせいで、自分がこんな問題に直面するわけがないと思っていたので少しショックだったのかもしれません。
と同時に、バイクに乗っている、持っている、楽しむというこの時間が〝有限〞であり、なんて特別なのだと思ったのです。
もし『明日で降りる』と仮定したら、やりたいこと、行きたい場所が多すぎて、とても1日や1回じゃ足りません。真っ先に思いつくのは、本土最南端の佐多岬、行かないと四極が完成しない。秋田の男鹿半島。秋田県にはまだ行ったことがないので、これじゃ全都道府県を走ったことあるって言えない。ほかにも、これまでに何度も通ったターンパイク、心地よい風とエンジン音を聞きながら走る近所の春の桜並木。もうちょっと、走りたい。
そう考えると『もっと乗りたい』『今乗らないと』となってきます。ちょっと〝エモく〞なった勢いで、乗り始めた頃のワクワク感、遠くへ行ける自由、ちょっとしたトラブルなども思い出したりして『バイクは楽しいよなぁ』と心から思ったりしました。
そして現実的に、仮に手放してしまったとしても、またバイクを買うというのはなかなかハードルが高い(笑)。価格はもちろん、手に入れるまでの過程や家族の理解など……。だからこそ、今の愛車に乗れるという現状をもっと大切にしなければ、と改めて感じた次第です。
最近では、子どもを後ろに乗せることもちょっと視野に入れています。今、家族と過ごす時間が楽しいのは間違いないけれど、それでも僕は、僕なりのバイクライフを続けていこうと思うのです。『バイクの時間は有限だ』。乗り続けることの難しさや尊さを知ったからこそ、次にエンジンをかけるその瞬間が、今まで以上に特別に感じられる気がします。
ということで、僕はすぐにこの後ディーラーへ……(笑)。

編集長 モリ
本誌編集長歴3年とちょっと、33歳。3歳の子供がいる。愛車はボンネビル。この前8年目を迎えるために車検を通した