ハーレー和尚のバイク説法「無関心」
BikeJIN vol.260 2024年10月号参照
本瀧寺のシュウケンです。昨年行いました地元、豊とよ能の警察署さんの「秋の全国交通安全運動」の催しが、今年も当寺で行われることが決まりました。警察の方は、交通安全に関する豊富な知識や経験を持っておられます。この交通安全の催しは、そんな警察の方の交通安全についての知識や経験に触れられるチャンスです。そして、この催しをきっかけに、交通安全について興味を持っていただければ有り難いです。
交通事故を防ぐために。関心を持つことが安全運転の第一歩
『好きの反対は無関心』という言葉を聞いたことがありますでしょうか。これはマザー・テレサが語った『愛の反対は憎悪ではない、無関心である』が元になった言葉だと言われています。ご存知の通り、マザー・テレサはカトリック教の修道女で、生涯にわたって病気や貧困に苦しむ人たちを救済してこられた方です。普通に考えると、好きや愛の反対は嫌いや憎悪になります。確かに嫌いや憎悪は強い負の感情ですが、少なくとも相手に対し、その存在だけは認めていることになります。しかし、無関心というのは、その存在すら意識していないということなのです。
恐らく読者のほとんどの人が、交通事故とは無縁なバイクライフを過ごしているかと思います。でも現実では、この瞬間にも交通事故はどこかで起こっています。「今まで交通事故に遭わなかったから、これからも遭わない」。そんなことは絶対にありません。人は平穏が続くと、その幸せが当たり前のように思い、ついつい不幸なことを忘れがちになります。つまり不幸が訪れることに対しての関心が薄れてしまいます。そんな、ふと忘れた瞬間、意識からほんの一瞬消えた時に突然、不幸が訪れることがあります。
マザー・テレサは、こんな言葉も残しています。『思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから』
皆さんも、この交通安全運動の催しをきっかけに、もう一度、交通安全について意識して、考えてみてはどうでしょうか。意識して考えること、つまり関心を持つことが、まずは交通安全への第一歩なのです。そして、関心を持って意識し続けることが安全運転という行動に繋がり、いつしかその安全運転が習慣となるはずです。この交通安全運動の催しが、この先長いあなたのバイク人生の幸せになるきっかけになれば幸いです。
合掌
当日の1日警察署長の田中梨乃さん。テレビやCMなどで活躍する大阪出身のタレント・レポーター。自身も大型自動二輪免許を持つバイク好き