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【エンジンオイルの超基礎知識①】エンジンオイルの役割ってなに?

Supported by A.S.H.
エンジンオイルの基礎知識
読んで得するお役立ちコラム

バイクのエンジンには、エンジンオイルが入っていることは、誰でも知っているだろう。また、エンジンオイルが、エンジンにとって重要な役目を果たしていることは、感覚的に理解しているだろう。

だがその理解度が感覚的なレベルに留まり、エンジンオイルがどう働き、なぜ重要であるかを正しく知っている人は少ない。この企画では、高性能エンジンオイルブランド「A.S.H.」を展開するジェイシーディプロダクツに協力を仰ぎ、エンジンオイルについての知識を深めていきたい。第1回目の今回はエンジンオイルの役割についてだ。

エンジンオイルは潤滑油の一種。エンジンは、ほぼ金属製の部品で構成されている。摩擦を軽減しスムーズに動かすため潤滑の必要があることは想像しやすい。“潤滑”はエンジンオイルの重要な役割。だが、それだけではないのだ。

一般的に、エンジンオイルに求められる役割とされるのは4つ。“潤滑”以外に、エンジン内で発生する汚れを取り除くための“洗浄”。稼働中に発生する熱の放熱をサポートする“冷却”。ピストンとシリンダーの密閉性を高め、パワーロスを軽減する“密閉”。この4つのうちどの作用が欠けても、エンジンはまともに動かないし、最悪の場合は壊れてしまう。エンジンオイルは、エンジンにとって不可欠な存在なのだ。

【潤滑】

稼働中のエンジン内部は、大量の金属製の部品が高速で擦れ合っている状態。エンジンオイルは部品の間に入り込み、摩擦を軽減しスムーズに動かす役割を持つ。これが潤滑だ。また、カムシャフトやクランクシャフトといった回転する部品の軸受は、エンジンオイルの中で浮いた状態で動いている。エンジンオイルがなければ、一瞬で焼き付いてしまう

【冷却】

エンジンは、熱エネルギーを100%運動エネルギーに変換できないので、余剰な熱エネルギーを放熱させる必要がある。エンジンオイルは、エンジンの部品と接触して熱を引き受け、より温度の低い部分に熱を受け渡して放熱。エンジンを冷却する。水冷エンジンの場合、ほとんどはラジエターで放熱するが、エンジンオイルが冷却を負担する部分もある

【洗浄】

ガソリンが燃える時、成分が炭化してカーボンが発生する。多くは排気ガスと一緒に排出されるがエンジン内に残ったものが堆積すると、エンジンに悪影響を及ぼすので、エンジンオイルを環流させ洗浄する。また、金属部品が擦れ合うことで削りカスも発生する。そうしたエンジン内部のゴミはエンジオイルが取り込み、オイル交換時に排出するのだ

【密閉】

エンジンはガソリンを燃焼させて生まれた熱エネルギーを、運動エネルギーに変換する装置。熱エネルギーを漏れなく効率よく利用するためには、エンジンオイルの密閉作用が重要。ピストンとシリンダー内壁の隙間に、エンジンオイルが入り込んで密閉する。燃焼室内で発生するカーボンや燃え残ったガソリンが、クランクケース内に入るのも防止する
ジェイシーディプロダクツ代表
岸野 修さん

商社や四輪チューナーTRUSTで、オイル・ケミカルのエンジニアとして活躍し、A.S.H.ブランドを展開するジェイシーディプロダクツを設立。オイルのすべてを知り尽くす専門家

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