【バイク日和】「カッコイイバイク乗りになりたい!」そんな女子を全力応援中
バイクを思い通りに走らせることができれば
どれだけ楽しいだろう
老若男女問わず、そう考える人は多い
その強い想いからモトジムカーナの世界に足を踏み入れ
スクールの主催者となった女性を紹介しよう
みんなで上達したい!その想いで練習会を主催
「はい、次のパイロンに意識を向けて〜。先行動作が大事だよ〜。そうそう、その感じ!」
パイロンで8の字を描いている受講者に歩きながら拡声器で声掛けするハナさん。「1日中ずっとしゃべっているから終わる頃には声がかすれますね」と笑う。しかし朝はフラフラとおぼつかなかった参加者が指導のたびに動きが安定していき、夕方にはスムーズに小回りできるようになる姿を見ると嬉しくなると笑顔で話す。
ハナさんは現在、モトジムカーナの現役でただ1人の女性B級ライダーだ。モトジムカーナとはパイロンで作られたテクニカルコースをどれだけ速く走り抜けられるかという競技である。その日のトップタイムを基準に、何%以内で走れたかで順位が決まる。クラスはA/B/C1/C2/ノービスとあり、105%以内かつシリーズポイントを積み上げるとA級。B級も同じ105%。C1が110%、C2が115%なので、B級も実力的にはA級に匹敵する。話を聞くとハナさんは競技がしたくてモトジムカーナを始めた訳ではなかった。多くの人が抱く「バイクにうまく乗りたい」という想いがキッカケだった。
普通二輪免許を取得したのは38歳のとき。バイクの楽しさを知り、もっと安全に上手に乗りたいと各地の講習会に参加していた。そこで見かけたのが明らかに他の参加者と違う動きをしているバイク。聞けばモトジムカーナの選手だという。バイクショップでも「モトジムカーナをやると上手になるよ」と聞き、すぐにネットで検索し見つけたモトジムカーナの大会を見に行く。そこで「初心者向けの大会がある」と聞き、後日愛車のW650で参加した。
「コースは覚えられない、パイロンは回れないと散々な結果。でも周りの人たちに励まされるなどサポートが手厚いのが嬉しくて」
そこでモトジムカーナの世界が楽しく感じられたのだという。
その後、東日本大震災があり多くのイベントが自粛されるとフラストレーションが溜まり、練習会や大会が再開されると積極的に参加。大会ではミスコースで記録が残らないこともあったが、周りとの人間関係が良かったことや、自分が一歩ずつ成長している手応えが嬉しかったという。
バイクを乗り換えながら大会に参加していたハナさんは、C1に昇格したときに自分が積み重ねてきた経験を、より多くの女性ライダーに伝えてスキルアップにつなげてほしいと考えスクールを開催。
「重視したのは動作の言語化。身体の動きをイメージやフワッとした表現じゃなく、どれだけ具体的に言葉で伝えることを意識しています」
成人男性を基準に作られているバイクを、小柄で軽い女性ライダーは男性と同じ方法ではうまく操れない。そんな女性特有の悩みはハナさん自身も経験してきた。それを打破するためには、より具体的な説明が必要だと感じていたのだ。
「それに参加者の悩みを分析してアドバイスするのは、自分の走りを見直すのにも役立つんです」
そのためハナさんもスクールを始めてからB級昇格を果たしている。
「基礎力を磨き上げると、誰が見てもカッコいいバイク乗りになれる。人車一体になり上手に走れる女性ライダーを増やしたい。みんなでレベルアップしたいんです」
ハナさんは力強く語った。
モトジムカーナ参戦で得た体験をもとに、女性目線でバイクの乗り方を分析。ひとりでも多くの女性ライダーの技術を高めたいと、女性専用のスクールを主催。具体的な解説が分かりやすいと評判
主催しているイベント
ウミガメ練習会
男女問わず誰でも参加できるモトジムカーナのタイムアタック練習会。パイロンを立てたコースによりタイム計測するなど、大会に近いスタイルで練習ができる。モトジムカーナをやったことがない人向けの体験枠が用意されることもある
モトジムカーナレディスデイ
小回りに特化した女性ライダーだけの練習会。モトジムカーナの名がついてはいるが、速さに捉われず、バイクを安全に乗り小回りできるようになることを重視している。タイム計測もするが、あくまでも自身の技術向上の目安とするため