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【お手入れガイド】~工具編①~「手に入れておきたい工具を知る」

愛車と長く付き合っていくために日々のお手入れは不可欠
自分で行えばさらにバイクへの愛着も湧くというもの
このページではバイクの知識に自信がなくても
カンタンにできるお手入れノウハウを分かりやすくご紹介
さぁアナタもメンテナンスライフを充実させよう!

良い工具を使うと作業が楽しくなる!

バイクのメンテナンスをDIYで行おうとすれば、どうしても工具が必要になってくる。最初は車載工具を使って、作業する人が多いと思う。だが車載工具は、あくまで緊急用。機能的にも品質的にも、満足いく作業ができるものではない。自分でバイクに手を入れたいと考えているのなら、しっかりとした工具を揃えたい。使ってみれば分かるが、品質の高い工具は作業効率が段違いに高い。

工具の良し悪しを見分けるのは、メンテビギナーには困難。無難なのは、名前の通った工具メーカーの製品を選ぶこと。可能なら工具専門店に足を運び「バイクの整備がしたい」と相談すれば、有益なアドバイスがもらえるだろう。バイク向けの工具セットが商品化されていることも多い。そうしたセットは、用が足りるだけの工具が揃っているはずだ。足りない工具は、個別に買い足そう。

ドライバー

誰もが一度は触ったことがあるだろうドライバー(+)。頭のボルトに使うプラスドライバーは、JIS 規格でNo.0 からNo.4 の4 サイズに決められている。バイクに多く使われているネジはNo.2サイズに対応するものが多いが、サイズ違いの工具を無理やり使うとネジを痛めやすいので、No.1、No.2、No.3の3本があると安心。マイナスドライバーは規格で定められたサイズはないが、工具メーカーが独自に番手を振っていることが多い。自分のバイクに合ったサイズのものを選ぼう。ドライバーはネジをナメやすい工具。使用時は、ネジに対し垂直にドライバーを押し付ける。回す力より、押し付ける力が重要。力の配分は「回し3割、押し7割」といわれる

スパナ・レンチ

スパナとレンチは本来同じ工具を指す言葉だが、日本ではボルトやナットを挟む部分に開口部があるものをスパナ、円周状に閉じているものをレンチと呼ぶことが多い。左の写真、上から「メガネレンチ」「コンビネーションレンチ」「両口スパナ」「モンキーレンチ」等と呼ばれる。8mm、10mm、12mm、14mm、17mmは揃えておきたい。チェーン調整などではもっと大きなサイズが必要になるので、自分のバイクに合ったサイズを手に入れておこう。10mm と12mmはワイヤー調整部など、ダブルナットの締結に使われることがあるので2本あると便利だ

右がスパナで左がレンチ。レンチの方が力がかけやすく、ボルトやナットを痛めにくいが、スパナでないと入らない部分も少なくないので、同サイズを両方持つのがベストだ

六角レンチ

頭に六角形の穴が開いたボルトに、使用する六角レンチ。最近のバイクには、かなり多く使用されている。六角形の対向する辺の間の距離でサイズを表す。4mm、5mm、6mm、8mmは用意しておきたい。多くの場合7、8本のセットで販売されており、特殊なサイズでなければセットに含まれる工具でカバーできる。セット販売は不要なサイズも購入することになるが、単品で買うより単価は安い

プライヤー・ニッパー

写真右から、作業時に部品を挟んで固定する「プライヤー」。ワイヤーや結束バンド等の切断に使う「ニッパー」。定にも切断にも使える「ラジオペンチ」。こうした工具を総称し“挟みもの”と呼ぶ。切断用以外の挟みもの工具には規格で定められたサイズはなく、使い方もコレと決まったものがない。他の工具が使えない時に役立つスーパーサブ。だが、汎用品であるため、専用品に比べ工具としての精度や力のかけやすさは劣る。あくまで補助で使うものと考えたい

ソケットレンチ

様々なサイズの「ソケット」と「ハンドル」を組み合わせて使用する「ソケットレンチ」。ラチェット機構を持つハンドルならば、ボルトやナットを回す時、持ち替えの手間が省けて便利。作業効率が大きく向上する、手に入れておきたい工具。だが、ラチェット機構の強度に限界があり、極端に高い力はかけられないことも知っておこう。ソケットは六角頭のボルト・ナット用、六角レンチ用、それぞれの各サイズに、奥まった部分に使用するディープソケット、ハンドルの延長バー等々……星の数ほど存在し、組み合わせ次第で使い方は無限大に広がる。アイテムが多いほど使い勝手が良いので、最初はセットで購入し、必要に応じて買い足していくのがオススメ

ソケットとハンドルの接続部分も様々なサイズがあり“差込み角”と呼ぶ。右から1/4(” 6.35mm)、5/8″(9.5mm)、1/2″(12.7mm)。差込み角5/8″の規格品が広く使われている

ハンドルとソケットの間に延長バーを組み込んだ例。組み合わせを変えることで、込み入った部分のボルトなど、アクセスが難しい部分の作業も可能となるのだ

ハンマー

長期間締め付けられたボルトは、接触面の腐蝕などが原因で固着し、緩まなくなる場合がある。そうした場合、工具に無理な力をかけるとボルトを痛める可能性が高い。瞬間的に大きな衝撃を与えると、固着が解消しやすい。だからハンマーは欲しいアイテム。けれど無闇にバイクを叩くと、部品を壊すので注意しながら使うこと

あると便利なアイテム

メカニックグローブ
作業時は手の保護や、工具の滑り止めのためグローブの着用推奨。軍手はグリップが良くなく、工具が滑るのでオススメできない。理想は写真のような専用のメカニックグローブだが、それなりに高コスト。薄手の作業用革手袋でも、機能的には十分

パーツトレイ
外したボルトやナットは適当に置いておくと、すぐに紛失する。トレイを複数用意して、まとめて管理するといい。専用品は磁石を内蔵し、パーツを失くしにくい工夫がされている。写真は百円均一ショップの金属製トレイ。これでも問題なく使える

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