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【バイク日和】サイドカー付きカブで仕事も遊びもこれ一台!

カフェ経営の傍ら丹沢のフィールドワーカーとして忙しい日々を送る
そんな古谷さんの現在の移動手段はスーパーカブプロサイドカーである
カーゴ型のサイドカーに仕事道具を載せ罠にかかった鹿なども運ぶ
仕事に遊びにと大活躍のスーパーカブプロサイドカーにご満悦だ

さまざまな活動を支える特注カーゴサイドカー

丹沢山地の麓、神奈川県松田町で予約制のカフェバーを営む古谷暢康さんは、森林管理署の職員として丹沢や箱根の自然維持に務めるフィールドワーカーでもある。そして現在、古谷さんの仕事に欠くことのできない足となっているのが、22年型ホンダスーパーカブ110プロにエムクラフト製のカーゴサイドカーを装着したカブサイドカーである。広大なカーゴスペースに山仕事の道具を載せ、丹沢の林道を分け入って行くのだとか。ときには罠にかかったシカやイノシシを載せて帰ることもあるそうだ。なんともワイルドである。

古谷さんの唯一の愛車である2022年式ホンダスーパーカブ110プロサイドカー。機動性、積載力抜群の愛車は、山間部に分け入るフィールドワークや出張料理にと大車輪の活躍だ

「以前は軽トラを使っていたんですが、イノシシなどを荷台に載せるのはひとりではなかなか大変でした。でもこのサイドカーにしたら作業効率がアップしました。加えて、軽トラでは行けない場所へもコンパクトなこのサイドカーなら進入できるので助かってます」

山仕事の道具は長尺物も多く、重量があるものも多い。カーゴ型サイドカーにはそれらすべてが積載でき、罠にかかったシカなどの運搬にも大活躍する

古谷さんがカブプロをサイドカーにしたのは昨年10月。それまでの約1年半はカブプロ単体で仕事や遊びに使っていた。スタンダードのスーパーカブ110ではなく110プロを選んだのは、荷物がより多く積載できることと、タイヤが14インチなので小回りが利くことなどが主な理由だった。林道は狭い場所が多いので、少しでも小回りが利くほうが使い勝手が良かったのだ。こうして軽トラとカブプロを使い分ける生活を続けていたのだが、カブサイドカーがあることをたまたまネットで見つけ、これはいい! とエムクラフトに製作を注文。10月の完成と同時に軽トラを手放した。

物が載せやすいように囲いがなくフラットな床としたサイドカー。栃木県佐野市にあるエムクラフトに特注したもので、各部の仕上げも非常に丁寧なのが印象的。積載能力が高まったことで活動の幅がさらに広がったという

カブプロサイドカーは山仕事だけじゃなく、出張バーベキューのケータリングにも活用している。実は古谷さんはプロの料理人でもあるのだ。カフェバーを経営しているのだから料理が得意なのは当たり前かもしれないが、10数年間欧州や中東などで料理の修行をした経歴を持つ。それだけではない。プロのジャズミュージシャンとしても同時に活動していたのである。

97年に渡欧し、トルコのイスタンブール居住中にトルコ陸軍の古典軍楽部隊にてオスマン朝古典軍楽とトルコ音楽を学び、民族楽器であるズルナの奏者として勤務した。

その後2003年にはドイツのベルリを拠点に活動。2008年にポルトガルのリスボンに移住し、翌09年にはCleanFeedRecordsよりリーダーアルバム『Bendowa』を発表。アルバムはジャズ専門誌『AllAboutJazzNewYork誌』にて2009年度最優秀デビュー・リリース賞を獲得するなど、文字どおり世界を舞台に多才ぶりを発揮したのである。

フリージャズと食文化
現在は活動を休止しているが、かつてはプロのジャズミュージシャンとしてアルバムをリリースしていた。一方、料理人としての活動は継続中で、『最初に読む料理本』の料理、監修も行っている

日本から離れている間は、音楽、料理活動に多忙でバイクに乗る機会は多くなかったようだが、それでもベルリン滞在中にはBMW・K100を愛用していたそうだ。

免許を取得した16歳以後、ドップリというわけではないにしろバイクにも親しんでいたからこそ、現在のカブプロサイドカーにたどり着いたのだろう。

帰国後しばらくして音楽活動のほうは休止したが、料理人としての仕事は継続。また、経験に基づいた独自の視点から料理について考察している『最初に読む料理本』の監修なども行っている。

丹沢の森林管理が現在の古谷さんの主たる仕事である。そして料理という仕事にも携わっている。二足のわらじを履く生活にはスーパーカブ110プロサイドカーがつねに寄り添っている。

「遊びにも使いますけど、僕にとってこのカブプロサイドカーは、実用的でお財布にも優しい最高の相棒なんです」

納車から2カ月あまりでサイドカー独特の操縦性にもすっかり対応した古谷さんは、スムーズなライディングで丹沢の自然を守るべく奔走している。

特別仕様のスーパーカブ110プロサイドカーは、どこから見ても実用一辺倒の装備。言い換え れば古谷さんのこだわりが詰まった愛車でもある。物珍しさで声をかけられることも多い

来年にはもう1台サイドカーを増車する予定だ。

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