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[アニメ聖地巡礼]江の島

(BikeJIN2023年3月号より抜粋)

二次元マニアを指す呼称として80年代に誕生した「ヲタク」という言葉
インドア派と思われがちだが、好きな作品をきっかけとした彼らの行動力はスゴい
そんなヲタクの一人である私がハマっているのがアニメツーリズム
連載1周年の今回は「江の島」を取り上げる

 2022年4月にスタートし、一度も休載することなく今回で丸1年を迎えた拙コラム。当初は全12回で完了の予定だったが、それなり(?)に好評とのうれしい理由により、もう少しだけ続けさせていただくことになった。というわけで、今しばらくお付き合いいただければ幸いだ。

 さて、連載1周年記念(?)ということで、今回は1つのアニメに絞るのではなく、さまざまな作品に登場する定番スポット「江の島」について紹介したい。関東圏のライダーならご存じのとおり、この江の島を含む鎌倉から湘南海岸までのエリアには、神奈川県における有数な観光スポットが点在する。鶴岡八幡宮や鎌倉大仏あたりは知名度として全国区であろうし、また茅ヶ崎のえぼし岩と聞けば、往年のサザンオールスターズファンならピンと来よう。

歩行者専用の江の島弁天橋から江の島を望む。近年では「その着せ替え人形は恋をする」(続編制作決定!)や、「ぼっち・ざ・ろっく」にも登場している。両作品とも覇権アニメなのでお時間のある方はぜひ!

 2022年12月、スラムダンクの映画「THE FIRST SLAM DANK」が公開された。これのテレビアニメは今から30年前の1993年に始まり、OPに登場したことで知られる江ノ電鎌倉高校前駅の踏切は、映画公開と同時に再び観光客が集まるようになった。私も過去にロケでここを訪れているのだが、同行の編集担当がスラダンファンで、彼が仕事そっちのけで興奮していたのを今も鮮明に覚えている。坂道の上から踏切越しに七里ヶ浜が望めるという映えスポットで、ファンならずとも感動するだろう。

 そんな私はというと、初めて聖地巡礼を目的としてこの地を訪れたのは、2012年8月のこと。テレビアニメ「TARI TARI」という作品がそれで、放映当時はスタンプラリーなどさまざまな企画が催されていたのだ。で、2011年の東日本大震災を機にスタートした私のヲタク人生を振り返ると、この江の島が最初の聖地巡礼だったのだ。

江島神社の御神門である瑞心門。竜宮城を模した立派な造りだ。「TARI TARI」の主人公の1人、坂井和奏の住む土産物屋はさらに奥にある
2012年当時の「TARI TARI」のスタンプラリー証拠品。表記からも分かるように、制作スタート時から公的機関とガッチリ手を組んでいたことが分かる

 当初はスタンプラリーだけ済ませて帰る予定だったが、江ノ島駅に着いた途端、アニメとそっくりな風景に圧倒された。さすがは背景美術のリアルさに定評のあるPAワークスの仕事だ。結局、暗くなるまで江の島やその周辺を歩き回り、聖地巡礼のなんたるかを知ったように思う。

 連載第2回で紹介した「ろんぐらいだぁす!」や「南鎌倉高校女子自転車部」などの聖地巡礼でもこのエリアを訪れているのだが、行くたびに新たな発見があって飽きることがない。なお、「みなかま」の方にもスラダン同様、踏切越しに海が望める場所が登場するが、こちらは鎌倉高校前駅ではなく、七里ヶ浜高校の脇にある坂道なので参考までに。

これは「ろんぐらいだぁす!」の聖地巡礼で、つきみ野駅から江の島を目指している際、境川サイクリングロード沿いにあった鷺舞橋。シルエット良し

 県内有数の海水浴エリアでもあるので、特に夏期は国道134号が大渋滞することで有名だ。よってツーリングがてらこの地を訪れるのであれば、観光客が比較的少ないと言われる寒い時期がオススメだ。

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