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[アニメ聖地巡礼]リコリス・リコイル

(BikeJIN2023年2月号より抜粋)

二次元マニアを指す呼称として80年代に誕生した「ヲタク」という言葉
インドア派と思われがちだが、好きな作品をきっかけとした彼らの行動力はスゴい
そんなヲタクの1 人である私がハマっているのがアニメツーリズム
今回の舞台は、東京から1800㎞離れた宮古島だ

 2022年の夏アニメで話題をさらった感のある作品と言えば、オリジナルテレビアニメ「リコリス・リコイル」だろう。犯罪を未然に防ぐ秘密組織DAと、そのエージェントである少女暗殺者リコリスたちの活躍を描いた作品で、いみぎむる先生によるかわいいキャラクターデザインと、それとは対照的な骨太ストーリーが多くの支持を集めた。個人的には百合展開&バディものが好みなので、その点でも激推しだった。

 とまぁ、自分の性癖をさらしたところで本題に入ろう。略称リコリコの主な舞台は、東京スカイツリーのある墨田区だ。この辺りは日常的に通るので、知っている風景がひんぱんに出てくる感動がある反面、わざわざ聖地巡礼するほどでもないという思いがあった。ところが……。

 最終回の第13話、主人公の1人である錦木千束が身を隠している沖縄県の宮古島(正確には隣にある伊良部島)に、もう1人の主人公、井ノ上たきなが内緒で逢いに行くのだ。その瞬間、自分もここへ行かなければと思い立ち、ANAのトラベラーズダイナミックパッケージで、往復の航空券とホテル3泊分を予約した。

作品内に出てくる宮古空港のカットを忠実に撮影。千束を追いかけてきたたきなが降り立つシーンで登場しており、これが撮れただけでも感動

 余談だが、私のリコリコ愛が天に届いたのか、後日この予約が全国旅行支援の対象となり、5万5000円の旅費が実質2万4000円に。

 宮古島のサイズは東京23区の4分の1程度。西側には伊良部島と下地島があり、宮古島とを結ぶ伊良部大橋は無料で渡れる橋として日本最長なのだ。付け加えると本誌の表紙(2016年4月号)になったことも。せっかく彼の地まで行くなら、この橋を自転車で渡ってみたいという思いがあったので、今回は折りたたみ自転車のブロンプトンを持ち込んだ。

宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋。2015年1月に供用が開始されたばかりで、全長は3540m。思わず停まって撮影したくなるほどの眺望だが、駐停車禁止なのでご注意を

 決行したのは2022年11月で、ここ1カ月は例年の5倍もの降水量を記録するなど、異常気象となっている宮古島。ブロンプトンで走り回れたのは実質1日だけで、あとはレンタルバイクを利用した。泊まったホテルのすぐ近くにバイク屋があり、ホンダのトゥデイを1日借りて2000円だった。予約なしで飛び込んで、用紙に必要事項を記入。免許証を見せて手続きは完了だ。なお、全国旅行支援の影響もありレンタカーは予約が取れないようだが、レンタルバイクは週末以外はガラガラという。

借りたトゥデイの積算計は9万㎞をオーバーしていたが、交通の流れに乗ることはできたので、さすがはホンダだ。1日借りて2000円だった

 最終目的地は、千束が働いていたカフェストラン「ブルータートル」だ。目の前には渡口の浜という有名な天然ビーチがあり、鉛色の九十九里浜を見て育った千葉県民からすると、エメラルドブルーの海と真っ白なパウダーサンドは信じられない景色であり、これが見られただけでも行った甲斐があるというものだ。

伊良部島にある観光名所、渡口の浜。その東端にあるおしゃれなカフェレストランがブルータートルだ。甲羅が青く光るウミガメのオブジェが目印で、宮古郷里牛を使った料理などさまざまなメニューが楽しめる
ブルータートルの目の前に広がる渡口の浜。沖縄本島の海よりもさらにきれいで、これぞ宮古ブルー。時間が許せば1日中眺めていたいほどだ

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