天気が読めたら雨知らず⁉︎気象予報士ライダーコラム「立春ってどこが春やねん!?ずばり“光”が春やねん!!」
(BikeJIN2023年3月号より抜粋)
2月4日は立春、ですがまだまだ寒さは厳しい……
じゃあ一体何が春なのかと言うと
太陽の光の強さ&長さが春なのです
ツーリングで走れる時間が長くなってまいりました
2月3日は節分です。皆さん豆まきしましたか? 節分というのは季「節」の「分」かれ目なので節分と言います。節分までが暦の上での冬、節分翌日の2月4日が立春で暦の上では春に入ったことになります(ちなみに昔は他の季節の境目もそれぞれ「節分」と言っていたそうです)。
この「暦の上では春」というフレーズ、テレビの天気予報などでもよく耳にするかと思いますが、まだまだ寒さは厳しい時季です。では一体なにが春になったのかと言うと、ずばり「太陽の光の強さ」が春になったのです。
昔の人は太陽の動きに基づいて季節を分けていました。まず昼間の時間が一番長くなる日を夏至(6月21日頃)、反対に1番短くなる日を冬至(12月22日頃)、昼と夜の時間が半々になる日をそれぞれ春分と秋分としました。これらを春夏秋冬の“真ん中”と定めて、それぞれの中間に各季節のスタート地点を設けました。それによって12月下旬の冬至と3月下旬の春分の間=2月4日頃に立春となっています。すなわち「冬至に比べると日が長くなってき始めた頃」ということで暦の上では春なのです。
東京の日の入り時間で言うと、2022年の冬至である12月22日は16時32分。一方、2023年の立春の2月4日は17時11分でもう約40分日没が遅くなっています。さらにこの先はどんどん昼の時間が長くなっていきますので、ツーリングで明るいうちに走れる時間も長くなっていくということです!
ただ実際の気温の変化は太陽の動きよりも1〜2カ月遅れます。というのも、気温が変化するためにはまず太陽からの熱を地面や海が受け取り、その地面や海の熱が空気に伝わって……という過程を経るためでして、1番暑くなるのは夏至から1カ月半ほど経った8月上旬ですし、1番寒くなるのは1月下旬から2月初めです。このため肌感覚としては、今はまだ「どこが春やねん!」というような寒さなのですが……。
ちなみに日本のお天気キャスターの草分けとも言われる故倉嶋厚氏は、立春のことを「光の春」と紹介したそうです。これはロシアの言葉を日本語に訳したもので「寒さはまだ厳しいけど日の光には春の気配が感じられるようになってきた」という意味です。雪国に住む人ほどその光のありがたみを感じ取っていたのかもしれませんね。
なにはともあれ、明るい時間が長くなってきたのはライダーとしても嬉しいことでしょう。まだまだ装備は真冬のものが必要ではありますが、晴れた時は日の光を浴びてバイクで走りながら季節の移ろいを感じ取ってみてください。