BMWディーラーの店長の魅惑のビーエムライフ②
(BikeJIN2022年8月号より抜粋)
BMW二輪正規ディーラーの「モトラッド羽田」で店長を務める野崎さんに
仕事として関わるからこそ知ったBMWの魅力を、とことん語ってもらう
連載第2回となる今回は、どうやって野崎さんがBMWにハマったのかについて!
前回は私の経歴を紹介させてもらったのですが、今回は、私がBMWのバイクを大好きになるまでの過程をお話ししましょう!
そもそも私は、前回もちらりと触れたように、若いころはBMWのバイクにはまるで関心なかったんです。自動車整備学校を卒業して羽田ホンダ販売(通称・ハネホン)に入社するまで、BMWがバイクを製造していることすら知らなかったんです。
初めてBMWのバイクに乗ったのは、空油冷ボクサーエンジンを搭載したR1100Sがデビューしたころ(※デビューイヤーは98年)。お店にあった試乗車を借りて、日光までツーリングしました。その当時、私はホンダのCBR900RRを所有していて、単純にスペックだけを比較するとCBRのほうが圧倒的に高性能だったのですが、R1100Sはライダーに従順で走りやすく、気持ちがいいバイクという印象でした。
その後、私は07年にハネホンのBMW中古車店舗に異動したのですが、同時期にお客様からその年にデビューしたばかりのG650Xチャレンジというビッグシングルエンジンのオフロード系モデルをご注文いただき、実車を見ていたらどんどんカッコよく思えてきて自分も購入したんです。スーパースポーツを乗り継ぐ一方で、ホンダのXRバハで林道ツーリングやちょっとしたクローズドコースの走行なども楽しんでいたので、本格的なエンデューロモデルというのにも惹かれました。
まず、乗ってみて「こんなバイクもあるのか!」とビックリ。トレール車としてはデカかったですが、単気筒とはいえ水冷652㏄エンジンでパワーもあったし、足まわりのグレードも高めだったので、運動性能に優れていました。ダートでも、自分のレベルでは十分な走破性。あまりに楽しくて、あちこち走り回っていました。おかげで、最終的にはかなりのズタボロに……。エンジンはたしか3回くらい、自分でクランクケースまで割って整備しました。
その一方で、BMWは08年にG450Xという、エンデューロレーサーに最低限の保安部品を装着したようなモデルを発売したのですが、そちらも「これだ!」と惚れ、“天使のささやき60回ローン”で追加購入。G450Xでも、林道やコースを走っていました。
しかしここまでは、いわゆるBMWモトラッドの本流には乗っていない感じ。ところが、当時はGSチャレンジとして開催されてきたBMWモトラッドジャパン主催のイベントに参加したことで転機が訪れました。そこにはお客様を誘って参加したのですが、当時はアドベンチャーの世界についてあまり詳しくなくて、途中で変な林道に連れて行ってしまい、「自分だけ小さいバイクに乗ってズルい!」と言われたんです。そこで、自分もR1200GSアドベンチャーを、再び“天使のささやき60回ローン”で購入。ここから、いわゆるBMWのライフスタイルになっていったと感じています。
その後、モデルチェンジごとにアドベンチャーを乗り継いでいます。相変わらず、軽いGSに乗っていると「そんな軽いのに乗って〜」なんてお客様に言われちゃいますし、林道ツーリングでも険しそうなルートの下見係にされかねませんから。
近年は、R1250GSでのツーリングなどに加えて、G310RでG310トロフィーというレースへの参加やサーキット走行も楽しんでいます。G310トロフィー開催の立役者としても知られている超レース好きなBMWモトラッドジャパン社員の武藤昇さんには、以前から誘われていたんですが、サーキットでは散々転んだんで最初は断っていたんです。でも、モトラッド羽田の副工場長で国際A級ライダーの小川順司が先にやっているのを見て、スゴくカッコいいなあ……と。で、結局は必殺“天使のささやき60回ローン”でG310Rを買いました。まあでも、再び走ってみるとやっぱりサーキットもいいですね!
現在は本格的なオフロードモデルの新車というのはありませんが、幅広いラインアップでユーザーの遊びに応えてくれるのも、BMWの魅力だと思っています。