BMWディーラーの店長の魅惑のビーエムライフ①
(BikeJIN2022年7月号より抜粋)
東京都のBMW二輪正規ディーラー「モトラッド羽田」で店長を務める野崎さんに
仕事して関わるからこそ知ったBMWの魅力を、とことん語ってもらう
ただし今回は連載の初回。そもそも野崎さんってどんな人ってことで……
東京都大田区にあるBMW二輪ディーラーのモトラッド羽田で、店長をしている野崎正博です。まあ店長といっても、それほどスゴい立場でもないんです。だって、いつの間にかなっていたような感じですから……。今回は連載1回目なので、私がどうやって現在の仕事をするようになったのかを紹介したいと思います。
モトラッド羽田というのは、羽田ホンダ販売(通称・ハネホン)という、国内4メーカーの新車や中古車を取り扱うショップも運営する会社が母体なのですが、自動車整備学校を卒業するのと同時に、私はメカニックとしてそのハネホンに就職しました。といっても、実はバイクのメカニックを目指していたわけではありません。当時、ハネホンにはクルマのディーラーも手がけていて、学校にあったそちらの求人票を見て、「家から近いし、ちょうどいいか……」と面接に来てみたら、実はメインとしているのがバイク屋さんだったんです!
でもその当時、すでにバイクも乗っていたし、まあいっか……ということで就職。クルマのほうを担当することもできたのですが、結局はバイクを選びました。
そして6年ほど二輪メカニックとして働いたのですが、メカニック向きではないと判断されたのか、営業職に転属することに。国産の中古車部門で、自分がセールスを担当したバイクを自分で整備してから納車するとか、そんなことを3年間くらいやっていました。
そんなとき、BMWの中古車店舗で人員補充が必要となり、自分では口がうまいと思ったことはなかったのですが、ウケがいいからとそちらに異動。その前の中古車センターでも店長という肩書だったのですが、BMWのほうでもそのまま店長となりました。
もっとも当時、うちのBMW店舗は「AMC東京」という名称。AMCとは「アプルーブド・モーターサイクル・センター」の略で、要はBMWジャパンが認めた中古車ディーラーでした。その後、10年10月に現在の地に移転しつつ、BMWの新車と中古車を取り扱う「モトラッド羽田」に。それからもうすぐ12年が経ちますが、現在も店長をやっております。
高校生のころ、「バイクに乗ってりゃモテるんじゃねえの?」くらいの軽い気持ちでバイクに興味を持ったのに、それが仕事になって現在まで続いていると考えるとなんとも不思議。だって高校生のころなんて、BMWがバイクを生産していることすらまるで知らなかったわけですから……。
そんな感じなので、バイクに関していわゆる“英才教育”的なものはなにも受けていなくて、少しずつ経験してきたことの積み重ねが、現在に活かされている感じ。そういえばハネホンに就職して間もないころ、先輩の影響でサーキットを走ることになり、いきなり転倒。ケガして仕事に穴をあけるという、大失態をしたこともありました。会社からは「もう大きいバイクで走るな!」と怒られ、その後はホンダのCB400スーパーフォアで筑波サーキットを走行。ほとぼりが冷めたころに再びスーパースポーツへと乗り替えたのですが、やはり転ぶんで、こりゃもうダメだってことになりました。
そんなとき、ホンダ・CBR900RRで12月に栃木と群馬の県境にある金精峠までツーリングに行ったら、群馬側は雪で大苦戦。「こりゃもう、オフ車だろ!」と、ホンダ・XRバハを買い足して、林道ツーリングにハマった時期もありました。
とまあ、ここまでバイク歴を紹介してきて、お気づきになられた読者もいらっしゃるかと思います。「おい、BMWが1台も登場しないぞ!」と。そう、今でこそ「BMW以外のバイクには興味ナシ」なんて言っちゃう私ですが、逆に若いころはBMWにまるで関心がなかったんです。でもこれが、身近に接してなおかつ自分自身がオーナーとなるにつれ、どんどん変わっていきました。
というわけで次回は、私がどのようにしてBMWのバイクにハマり、“BMW推し”になったのかお話ししましょう。