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[アニメ聖地巡礼]ゴールデンカムイ~函館編~

(BikeJIN2022年9月号より抜粋)

二次元マニアを指す呼称として80年代に誕生した「ヲタク」という言葉
インドア派と思われがちだが、好きな作品をきっかけとした彼らの行動力はスゴい
そんなヲタクの1 人である私がハマっているのがアニメツーリズム
今回の舞台は、北海道の玄関口、函館エリアだ

 ライダーにとって北海道は夏の季語といっても過言ではない。いつか行ってやるぞ! と憧れている人から、年に何度も来道している人までさまざまだ。

 さて、今回取り上げる作品は、漫画「ゴールデンカムイ」だ。週刊ヤングジャンプでの連載は2014年にスタートし、今年4月に全314話が無事に完結した。2018年からアニメ化もされており、今年10月にはシーズン4がスタートする。アニメでこの作品を知った私としては非常に楽しみな反面、制作会社がシーズン3までのジェノスタジオからブレインズ・ベースへと代わることが発表されており、これまでのクオリティを維持できるのか、勝手に心配している。というのも、アニメ業界では制作会社の交代劇は珍しいことではないが、それを機に作画が変化することが少なくないからだ。

 ゴールデンカムイは日露戦争終結直後の明治後期、北海道を舞台とした莫大な埋蔵金を巡るサバイバルバトル作品だ。聖地は北海道各地に点在しており、小樽、札幌、旭川、釧路、網走……、と聞いて、全部回るのに数日かかるじゃん、と気付いた人は北海道通だ。というわけで、今回は自走派にとっての玄関口、函館の聖地をご紹介。

鯉登少尉が少年時代に誘拐されていた場所として登場する旧ロシア領事館も函館にある。前の道は激坂なので立ちゴケ注意。なお、現ロシア領事館は、函館港が見下ろせる観光名所の八幡坂にあり、こちらもぜひ

 作品内で最終章の舞台となるのが函館エリアであり、その中でもクライマックスは函館を代表する観光地の1つ、五稜郭だ。五芒星型の堡塁で知られるここは、明治元年〜2年の新政府軍と旧幕府軍による最後の戦闘、箱館戦争の舞台でもある。さらに付け加えると、新撰組副長の土方歳三が最期を迎えた地が至近にあるのだが、作品内で彼は秘密裏に落ち延び、埋蔵金を狙う陣営のボスとして、同じく元新撰組の永倉新八とともに活躍するのだ。私はごく浅い幕末ファンでもあるので、作中での「この土方歳三が五稜郭で戦うのは2回目だ」というセリフに思わず鳥肌が立った。

JR函館駅から徒歩でおよそ700m。函館市総合福祉センターの敷地内にある土方歳三最期の地碑。目の前の八幡通りで絶命したと伝えられる

 この五稜郭、専用の駐車場はないものの、タワーのすぐ近くにある北海道立函館美術館の駐車場を利用してほしいと公式サイトに記されており、ここはなんとバイクは無料で駐められる。高さ107mのタワーの展望スペースから眺めるだけでも感動モノだが、公園として整備されている五稜郭跡の中にも作中で登場する建物がいくつもあり、漫画の最終話まで読んだ人ならそこに杉元佐一やアシリパさん、白石由竹、土方歳三の姿を見ることができるはずだ。

五稜郭タワーの展望2階(地上90m)からの眺め。このフロアには土方歳三のブロンズ座像があり、老若男女を問わずツーショットを撮るための待機列ができるほど大人気だ
五稜郭の敷地内にあり、築造当時から唯一現存する建物の兵糧庫は、毎年8月の1カ月間のみ一般公開される。このタイミングでぜひ見学を
五稜郭タワーから函館山を望む。ここから砲兵のマンスールが旧式の大砲で第七師団率いる駆逐艦を撃破し、戦況を一変させる活躍を見せた

 さて、次回はゴールデンカムイの旭川・網走を予定。乞うご期待!

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