【ツーリングガイド】飛越峡合掌ラインを走る
久しぶりの白川郷海外からも大人気
僕は80年代前半に、車両規制直前の上高地と白川郷を訪れたことがある。合掌造りの宿の板の間でいろりを囲み、イワナや朴ほお葉ばみそをいただいたことは今も強烈に覚えている。40年ぶりの白川郷が楽しみだ。
今回のツーリングルートは南砺市から白川郷を通って御み母衣湖までの国道156号を走り、飛騨山脈を望む爽快なワインディングロード、国道360号、41号を走る。
白川郷周辺は砂交じりの脆弱な地質のため多くの土砂災害に見舞われたことがある。156号は対策として橋やトンネルを整備した。おかげで大雨でも簡単に寸断されるようなことはなくなったが、トンネルの中は湧き水で濡れていることが多いので、トンネルに入るときは注意が必要だ。
白川郷を過ぎて、御母衣湖に向かう道は林を抜けて川沿いを走る。生活道路だが気持ちがいいので、速度超過には気を付けたい。
白川郷は富山県との県境に近い岐阜県の山奥にある。カヤで葺いた大きな急こう配の屋根が特徴的な、合掌造りの家屋が江戸時代そのままに残る集落だ。
200年以上前の建物が多いが、ユネスコ世界遺産に登録されたのは1995年のことだ。
昭和の高度成長期に日本の産業構造やライフスタイルが変わり、かつて村の主要産業であった養蚕のために発達した家は役割を失い、冷暖房完備の近代的なものにとってかわられた。山奥の集落だったため、その波は他の地域に比べれば緩やかだったようだ。60年ごろまでは1件で数十人が暮らす大家族もあったという。
その取り残された感のある村を「残すべきか否か」という議論が本格化したのは70年代になってからだった。
白川郷荻町合掌造り集落
江戸時代から変わらぬ日本の原風景と言われる美しい景観を残す合掌造り集落。1995年に五箇山(富山県)と共に白川郷・五箇山の合掌造り集落として、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された
世界遺産に登録され国内外から多くの観光客が訪れている。伝統的な日本文化を感じられる場所。車両乗り入れ制限があるが、二輪車専用駐車場を整備している
DATA村営せせらぎ公園駐車場 岐阜県大野郡白川村荻町2495-3
旧遠山家住宅
世界遺産集落から南に約14㎞、平瀬地区にある国の重要文化財。見学施設となっており、合掌造り家屋の内部を隅々まで見学できる。主屋は1827年頃に建てられた。昭和40年頃までは50人の大家族が暮らしていた。当時使われていた囲炉裏もそのままに、養蚕の道具などを多数展示。1階は居住、2〜4層は養蚕スペースで、床下では火薬の原料となる焔硝づくりが明治20年まで行われていた
岐阜県大野郡白川村御母衣125
営業時間:10:00 ~ 16:00
定休日:水曜(祝日の場合は前日)年末年始
入館料:300円
明善寺
白川郷集落内の真宗大谷派の寺院。本堂、庫裏、鐘楼は合掌造り。本堂には京都の東寺や醍醐寺にもある浜田泰介画伯の障壁画を展示。囲炉裏は毎日焚かれ、昔ながらの火の香りを体験できる
白川八幡神社
和銅年間に創建されたという歴史ある神社。毎年10月14日、15日には「どぶろく祭」が開催され、訪れた参拝客にどぶろくが振舞われる。人気アニメのモデルとなっており、足を運ぶファンも多い
道の駅白川郷
地元の菓子や白川郷で生産された加工食品、飛騨の地酒など、品ぞろえ豊かなお土産店。季節のメニューが人気の食事処。そして合掌造りのすべてが分かる合掌ミュージアムを併設。入館無料
岐阜県大野郡白川村飯島411
TEL05769-6-1310
営業時間:【お土産店】8:30 ~ 17:00
【食事処】9:30 ~ 16:00
定休日:年末年始
https://rs-shirakawago.jp/
ぜん助
お土産と飛騨の味を提供する。その場で焼き上げるテイクアウトメニューが人気で、行列ができることある人気店だ
岐阜県大野郡白川村荻町804
TEL05769-6-1913
営業時間:9:30 ~ 16:00
定休日:不定
お休み処 柊
飛騨高山牧場から直送の飛騨牛、白川村特産の結旨豚、 白川郷で採取した山菜を使用したこだわりのメニューがそろう。懐かしい民家風の店舗で地元の味を楽しもう
岐阜県大野郡白川村荻町1823
TEL090-3303-4505
営業時間:11:00〜15:00
夜営業は予約のみ
定休日:不定